話題株ピックアップ【夕刊】(1):味の素、セガサミー、大塚HD
■寿スピリッツ <2222> 6,590円 +460 円 (+7.5%) 本日終値 東証1部 上昇率7位
寿スピリッツ <2222> が急伸、年初来高値を更新した。29日大引け後に発表した20年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比87.7%増の15.6億円に拡大して着地したことが買い材料視された。新規出店効果や既存店の強化などで洋菓子店「シュクレイ」の業績好調が継続したことが寄与。空港免税エリアでの販売が拡大したことに加え、活況だった大型連休も追い風材料になった。
■味の素 <2802> 1,908円 +122 円 (+6.8%) 本日終値 東証1部 上昇率10位
味の素<2802>が後場急伸。午後2時ごろに発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高2668億8200万円(前年同期比1.7%減)、事業利益278億500万円(同28.0%増)、純利益164億7600万円(同20.8%増)と大幅増益となったことが好感された。アフリカ豚コレラ拡大の影響でライフサポート分野の動物栄養事業が落ち込み、売上高は減収となったが、海外加工用うま味調味料の販売単価上昇に加えて、米国における前年の値上げ効果や生産性改善で海外冷凍食品が大幅増益となったことなどが増益に寄与した。なお、20年3月期通期業績予想は、売上高1兆1710億円(前期比3.9%増)、事業利益970億円(同4.7%増)、純利益500億円(同68.4%増)の従来見通しを据え置いている。
■トランコム <9058> 6,380円 +360 円 (+6.0%) 本日終値
物流センター構築運営サービスなどを手掛けるトランコム<9058>が大幅高。同社は29日取引終了後に、20年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。営業利益は16億7800万円(前年同期比12.0%増)となり、上半期計画30億8000万円に対する進捗率は54.5%に達した。売上高は392億4000万円(同6.4%増)で着地。ロジスティックマネジメント事業は新規拠点の稼働や既存顧客の物流増で増収増益となったほか、物流情報サービス事業も自動車部品の幹線輸送の拡大などで好調だった。なお、上半期及び通期の業績予想は従来計画を据え置いている。
■スタンレー電気 <6923> 2,789円 +136 円 (+5.1%) 本日終値
スタンレー電気<6923>が3日ぶりに急反発。同社は29日取引終了後に、20年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。営業利益は129億7600万円(前年同期比7.8%減)となったものの、上半期計画211億円に対する進捗率は61.5%に達した。売上高は1032億6200万円(同6.0%減)で着地。主力の自動車機器事業が世界的な自動車生産の減少の影響を受けて自動車用ランプの販売が減少したほか、電子応用製品事業ではストロボ製品が苦戦した。なお、上半期及び通期の業績予想は従来計画を据え置いている。
■セガサミー <6460> 1,365円 +65 円 (+5.0%) 本日終値
セガサミーホールディングス<6460>が後場一段高。前引け後に発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高727億3400万円(前年同期比5.7%増)、営業利益34億900万円(同3.6倍)、純利益17億1800万円(同5.1倍)と大幅増益となったことが好感された。エンタテインメントコンテンツ事業のパッケージゲーム分野で新作タイトルの販売が好調だったことに加えて、デジタルゲーム分野でタイトル譲渡益を計上したことが業績拡大に貢献した。なお、20年3月期通期業績予想は、売上高3900億円(前期比17.6%増)、営業利益270億円(同2.1倍)、純利益150億円(同5.7倍)の従来見通しを据え置いている。
■JCRファーマ <4552> 7,480円 +340 円 (+4.8%) 本日終値
JCRファーマ<4552>が340円高の7480円に買われ、前週末につけた7400円を上回り上場来高値を更新した。遺伝子組み換え分野での技術蓄積を強みとするバイオベンチャーで、ホルモン製剤を収益の主柱としバイオシミラーも育成している。収益面では遺伝子組み換え天然型ヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト」が好調に推移しており全体業績を牽引。健康な人の骨髄から抽出した間葉系幹細胞を使った細胞医薬品である「テムセル」も再生医療分野の有力商品として需要開拓が進むほか、腎性貧血治療薬「エポエチンアルファ」への引き合いも旺盛だ。19年4~6月期はトップラインが前年同期比10%の伸びを示したものの、営業利益は研究開発費負担などで15%減益となった。しかし、下期偏重型の収益モデルで通期営業利益は増益を確保する見通し。将来的な収益成長への期待から押し目はすかさず拾われ、上値指向の強さが浮き彫りになっている。
■大塚ホールディングス <4578> 4,028円 +169 円 (+4.4%) 本日終値
大塚ホールディングス<4578>が反発。この日の寄り前に、集計中の第2四半期累計(1~6月)連結業績について、売上高が6650億円から6700億円(前年同期比8.4%増)へ、営業利益が780億円から960億円(同22.2%増)へ、純利益が600億円から670億円(同4.2%増)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。エビリファイメンテナ、レキサルティ、サムスカ/ジンアーク、ロンサーフのグローバル4製品が好調で、特に米国におけるジンアークの売り上げが計画以上に推移していることが要因。また、販管費や研究開発費が計画を下回っていることも寄与したとしている。
■日本システムウエア <9739> 2,926円 +116 円 (+4.1%) 本日終値
日本システムウエア <9739> が3日続伸。29日大引け後に発表した20年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比59.3%増の6.9億円に拡大して着地したことが買い材料視された。ITソリューション事業で官公庁・団体向けを中心にシステム開発案件が伸びたことが寄与。利益率の高い自社パッケージソフトの販売増加や不採算案件の解消に加え、サービスソリューション事業の収益が拡大したことも大幅増益に貢献した。
■スクリン <7735> 5,920円 +200 円 (+3.5%) 本日終値
SCREENホールディングス<7735>が3日ぶりに反発。29日の取引終了後、20年3月期の連結業績予想について、売上高を3270億円から3240億円(前期比11.0%減)へ、営業利益を265億円から250億円(同15.7%減)へ、純利益を180億円から170億円(同5.9%減)へ下方修正し、これを受けて朝安でスタートしたものの、悪材料出尽くし感から買いが入りプラスに転じている。主力の半導体製造装置事業は前回予想並みの売り上げを見込むものの、世界景気の先行き不透明感から、グラフィックアーツ機器事業を中心に売り上げの下振れが予想されることが要因としている。また、ディスプレー製造装置及び成膜装置事業で変動費率の上昇が見込まれることや、円高傾向影響などが利益を押し下げるとしている。なお、同時に発表した第1四半期(4~6月)決算は、売上高582億3000万円(前年同期比19.7%減)、営業損益44億2800万円の赤字(前年同期51億円の黒字)、最終損益29億1800万円の赤字(同35億6600万円の黒字)だった。
■ファナック <6954> 19,870円 +605 円 (+3.1%) 本日終値
ファナック<6954>は売り物をこなし切り返しに転じた。同社が29日取引終了後に発表した19年4~6月期決算は売上高が前年同期比26.4%減の1346億3400万円、営業利益は同47.5%減の285億9500万円と大幅減収減益を余儀なくされた。これを受けて、20年3月期通期業績予想も下方修正、営業利益は従来予想の757億円から713億円に減額している。米中貿易摩擦の影響で中国向けなどを中心に企業の設備投資意欲が減退、これが全体収益を押し下げた。ただ、株価は4~6月期の業績低迷については織り込みが進んでいた。また、前週末から決算発表を警戒した売りが前倒しで出ていたこともあり、目先は材料出尽くし感から買いが優勢となった。なお、同社は同日に4月に発表した300万株を上限とする自社株買いについて7月末としていた期限を10月末まで延長することを発表している。
株探ニュース