話題株ピックアップ【夕刊】(1):有沢製、富士通ゼ、菱地所
■有沢製作所 <5208> 983円 +111 円 (+12.7%) 本日終値 東証1部 上昇率3位
有沢製作所<5208>が大幅続伸し年初来高値を更新。27日の取引終了後、上限を360万株(発行済み株数の9.93%)、または32億円とする自社株買いを発表しており、これが好感された。取得期間は8月28日から20年3月24日までで、株主還元の充実と資本効率の向上を図るとともに、将来の機動的な資本政策を可能とするのが狙いとしている。同時に、保有するポラテクノ<4239>の株式928万株の全てについて、日本化薬<4272>が実施するTOBに応募すると発表。これにより12億4000万円の投資有価証券売却益の計上を見込む一方、売却による持ち分法利益の減少や留保利益に対する税金費用15億5000万円の計上、更に子会社の業績低迷などで、20年3月期の連結業績予想について、最終利益を27億5000万円から13億5000万円(前期比52.8%減)へ下方修正した。
■エスプール <2471> 2,965円 +175 円 (+6.3%) 本日終値 東証1部 上昇率10位
27日に発表した「新京成電鉄と貸し農園を新設」が買い材料。
障がい者雇用支援サービスで新京成電鉄 <9014> と「わーくはぴねす農園」を新設。
■手間いらず <2477> 4,825円 +275 円 (+6.0%) 本日終値
手間いらず<2477>が連日の年初来高値更新。時価は2006年5月以来13年3カ月ぶりの高値水準にあり、実質的に戻り売り圧力のない青空圏を走る展開にある。ホテルや旅館向け宿泊予約管理システム「TEMAIRAZU」を導入する宿泊施設が増勢一途にあり、19年6月期営業利益は前の期比28%増の8億8300万円とピーク利益を更新。更に20年6月期も前期比32%増益の11億6300万円予想と伸びは衰える気配がない。来年の東京五輪開催を前に追い風は強まる一方で、市場では同社のストック型の収益構造を評価する声も強い。
■日清オイリオグループ <2602> 3,175円 +100 円 (+3.3%) 本日終値
日清オイリオグループ<2602>が続伸。SMBC日興証券は27日、同社株の目標株価を3000円から3500円に引き上げた。投資評価は「2」を継続した。円高局面でも、想定以上に価格改定が進捗しており、「価格転嫁力が増している」と指摘している。具体的には20年3月期の連結営業利益を従来予想の111億円から前期比1.9%増の132億円(会社予想120億円)に増額したほか、21年3月期の同利益も118億円から138億円に見直した。この増額修正の要因として(1)急速な円高を背景に搾油環境悪化が軟化する可能性がある(2)良好な搾油環境の裏年でも、想定以上に食用油の価格改定が進捗できている、ことを挙げている。
■富士通ゼネラル <6755> 1,664円 +47 円 (+2.9%) 本日終値
富士通ゼネラル<6755>が続伸。SMBC日興証券が27日付で、投資評価「2」を継続しつつ、目標株価を1500円から2000円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、20年3月期は買収効果を主因に業界平均を上回る売上成長が見込まれる一方、実質的にはインドでの低迷や、国内学校特需の恩恵が限定的な同社は業界平均を上回るのは難しいと指摘。ただ、世界的な「暑い夏」と「部材価格下落」はフォローで、21年3月期以降には「周回遅れの専業メーカー」である同社が、再成長フェーズに回帰できる条件も整いつつあることから、中長期目線で同社の復活に期待したいとしている。
■DyDo <2590> 4,250円 +120 円 (+2.9%) 本日終値
ダイドーグループホールディングス<2590>が3日ぶりに反発。27日の取引終了後に発表した第2四半期累計(1月21日~7月20日)連結決算は、売上高854億3800万円(前年同期比1.8%減)、営業利益20億3300万円(同38.0%減)、純利益12億2600万円(同33.7%減)と大幅営業減益となったものの、株価は業績悪化を織り込み底値圏で推移していたことから、アク抜け感が強まっているようだ。7月の記録的な低温傾向が飲料の販売動向に大きな影響を与え、国内飲料事業が落ち込んだ。また、医薬品関連事業で新工場やパウチライン新設に伴う準備費用が増加したほか、物流費の高騰や、人件費、販売促進費などの増加が利益を圧迫した。なお、20年1月期通期業績予想は、売上高1700億円(前期比0.9%減)、営業利益34億円(同44.0%減)、純利益24億円(同37.8%減)の従来見通しを据え置いている。
■ブレインパッド <3655> 6,560円 +170 円 (+2.7%) 本日終値
ブレインパッド<3655>は3連騰で戻り足を鮮明としている。人工知能(AI)を活用したビッグデータ分析などアナリティクス事業を主力に展開する。また、デジタル人材に対する需要が年々高まりをみせるなか、多くのデータサイエンティストを擁し、この人的資産を生かしたAIソリューションで他社と一線を画している。独自技術によるビッグデータ解析など受注案件の大型化が進み、業績も成長トレンドを継続、20年6月期売上高は前期比20%増の68億円と大幅な伸びを継続、営業利益は1.4%増の12億円を見込むが上振れる可能性がある。
■三菱地所 <8802> 2,048円 +51.5 円 (+2.6%) 本日終値
三菱地所<8802>、三井不動産<8801>、住友不動産<8830>などの大手をはじめとして不動産株が軒並み上昇し、業種別値上がりランキングで断トツとなっている。前日の米国債券市場では景気後退を示唆する10年債の利回りが2年債を下回る逆イールドが進んでおり、これを受け東京市場でも日経平均株価の上値が重い展開となっている。ただ、日銀による金融緩和政策への期待感からその恩恵を受けやすい不動産株に買いを誘導する格好となった。
■資生堂 <4911> 8,770円 +180 円 (+2.1%) 本日終値
資生堂<4911>の強調展開が目立つ。株価は8月上旬に7000円台を割り込む場面もあったが、好調な4~6月期決算が開示されたことを起爆剤に一気に切り返す展開となっている。株価は8000円近辺でいったん戻り売りをこなした後、中国人訪日客の増勢を手掛かり材料として再び大きく上放れてきた。高級化粧品が好調で、中国向けeコマースやインバウンド需要が売り上げを押し上げている。19年12月期営業利益は1200億円見通しと前期比2ケタ増益を見込む。一方、株式需給面では東証信用残が大幅に売り長で、23日申し込み現在の信用倍率は0.21倍。売り方の買い戻しが株価に浮揚力を与えている。
■NEC <6701> 4,660円 +90 円 (+2.0%) 本日終値
NEC<6701>が続伸。同社は27日、国際連合工業開発機関(UNIDO)と開発途上国での産業開発に向けて、先進ICT(情報通信技術)を利活用するプロジェクトの創出及びグローバル展開に関して覚書を締結したと発表。UNIDOは、産業開発を通じて開発途上国・新興国の持続的な経済発展を支援する国連の専門機関。UNIDOとNECは今回の覚書に基づき、産業開発へのICT利活用の案件創出、ファンドの調達、案件のグローバル展開で共創するとしている。また、同日にはシェアサイクルの仕組みを活用した地域の課題解決、持続的発展を促すことを目的に、和歌山県有田市などと連携協定を結んだことも明らかにしている。
株探ニュース