今週の【早わかり株式市況】ほぼ横這い、米中対立を巡り乱高下も週末買い戻し
■今週の相場ポイント
1.日経平均はわずかに反落、米株波乱受け週初に急落もその後立ち直る展開
2.米中両国の関税合戦で対立が一段と先鋭化、リスクオフの流れ改めて意識
3.急落後は米中摩擦に対する懸念が和らぎ、米株主導で日経平均も戻り足に
4.売買代金は低調が際立ち、29日まで12営業日連続で2兆円を割り込む
5.週末は売り方の買い戻しで反発、日経平均は週初の下げ分をほぼ帳消しに
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比6円(0.03%)安の2万0704円とわずかながら反落となった。
週明けに東京市場は波乱で幕を開け、日経平均の下げ幅はほぼ450円に及んだが、その後は売り方の買い戻しや値ごろ感からの押し目買いが入り持ち直す展開。結局、週間では6円安にとどまり、まさに“大山鳴動ネズミ一匹”という形容がピッタリ当てはまるような相場つきだった。
26日(月)は前週末の米国株市場でNYダウが600ドルを超える下げをみせたことでリスクオフ一色。米中両国は相手国への追加関税の報復措置を相次いで発表、米中対立が一段と先鋭化することへの懸念が広がり、日経平均は449円安と急落した。為替市場で急速に円高が進んだことも下げ足を加速させた。しかし、27日(火)はトランプ米大統領が中国との貿易交渉再開の方針を示したことを好感する形で反発。28日(水)も上値は重かったものの小幅プラス圏で着地し続伸となった。29日(木)はリバウンドが一服し、薄商いのなか買いが続かず小幅安。ちなみに、売買代金はこの日まで12営業日連続の2兆円台割れとなり市場参加者不足を印象づけている。そして、30日(金)は米中両国がこれまでの強硬姿勢をやや緩めたことでマーケットの懸念が後退、米株高に追随する格好で日経平均は243円高で着地。売り方の手仕舞い買い戻しが戻りを主導した。そして結果的に、週間では週初の下げをほぼ帳消しにする形となった。この日は売買代金も2兆円台をかろうじて上回った。
■来週のポイント
来週も米中対立に翻弄される不安定な相場展開となりそうだ。当面は8月初旬から続く2万0100円-2万0800円のレンジでの値動きに終始するとみられる。
重要イベントとしては、国内では2日朝に発表される4-6月期法人企業統計調査や6日発表の7月景気動向指数が注目される。海外では3日発表の米国8月ISM製造業景況指数や4日発表の米国7月貿易収支、6日発表の米国8月雇用統計に注視が必要だろう。
■日々の動き(8月26日~8月30日)
【↓】 8月26日(月)―― 急反落、米中摩擦の激化懸念や円高で全面安
日経平均 20261.04( -449.87) 売買高11億4028万株 売買代金 1兆9844億円
【↑】 8月27日(火)―― 反発、米株上昇を受けてリスク選好の買い優勢
日経平均 20456.08( +195.04) 売買高10億4296万株 売買代金 1兆7695億円
【↑】 8月28日(水)―― 小幅続伸、物色意欲は限定的で上値も重い
日経平均 20479.42( +23.34) 売買高 9億5799万株 売買代金 1兆6159億円
【↓】 8月29日(木)―― 3日ぶり小反落、米株高で心理改善も買いは続かず
日経平均 20460.93( -18.49) 売買高 9億9116万株 売買代金 1兆6651億円
【↑】 8月30日(金)―― 急反発、米中貿易協議への期待が高まり買い優勢
日経平均 20704.37( +243.44) 売買高12億0762万株 売買代金 2兆0215億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、26業種が上昇
(2)原油高でJXTG <5020> など石油、国際石開帝石 <1605> など鉱業株が業種別上昇率1位、2位
(3)東電HD <9501> 、関西電 <9503> など電力・ガス株は大幅反発
(4)日水 <1332> など水産、NTT <9432> など情報・通信など内需株は総じて堅調
(5)トヨタ <7203> など自動車、ソニー <6758> など電機といった輸出株も値を保つ
(6)金融株はオリックス <8591> などその他金融、野村 <8604> など証券、三菱UFJ <8306> など銀行が上昇も
東京海上 <8766> など保険はさえない
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(1) 5G
2(2) ドライブレコーダー
3(3) 人工知能(AI)
4(5) カジノ ──────── 横浜市の誘致表明で関心高まる
5(16) キャッシュレス決済 ── 消費増税カウントダウン、急浮上する関連株
※カッコは前週の順位
株探ニュース