鈴木英之氏【波乱展開も一服、9月相場で視界は変わるか】(1) <相場観特集>

特集
2019年9月2日 18時30分

―逆風材料多いなか、反転に向けた強気のシナリオを探る―

名実ともに9月相場入りとなった2日の東京株式市場は売り先行の地合いとなり、日経平均株価は反落を余儀なくされた。米中摩擦に対する懸念がくすぶるなか、なかなか強気には傾きにくい地合いにもみえるが、実際はどうか。8月相場は夏枯れというよりは波乱含みの調整を強いられた東京市場だが、秋相場に向け強気のシナリオはあるのか。ここからの相場展望について先読みに定評のある市場関係者に意見を聞いた。

●「消費増税視野に上値重い、5Gや高配当利回り銘柄に注目」

鈴木英之氏(SBI証券 投資調査部長)

9月相場は横ばい基調が続きそうだ。米中貿易協議に左右され、先行きには不透明感が強い。また、10月からの消費増税の影響もみえにくく積極的には買い上がりにくい展開が続きそうだ。

日経平均のレンジは2万~2万1000円前後を予想する。

今月は欧州中央銀行(ECB)理事会や米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、ここで利下げを行う可能性がある。しかし、日本銀行には打つ手が限られるというのが実情だ。米連邦準備制度理事会(FRB)は今後2~3回の利下げを行うとも予想されており、状況次第では1ドル=100~105円への円高が進む可能性もある。ただ、日経平均はPBR1倍となる2万100円前後が下値のメドとなっている。海外要因などで日経平均が1倍を割り込む場面があっても、そこでは買いが流入するとみている。

そんななか、個別銘柄ではアンリツ <6754> やNEC <6701> 、富士通 <6702> などのような「5G」関連株には投資妙味がありそうだ。

また、9月は中間配当にも絡み「高配当利回り」銘柄が注目できるだろう。金利が低下基調にあるなか、高配当利回り銘柄への相対的な魅力は増している。例えば、配当利回りが4%以上ある複数の銘柄をバスケット買いしても面白いと思う。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(すずき・ひでゆき)

早稲田大学卒。リテール営業、調査部、株式部等を経て、SBI証券投資調査部長に。モーニングスター株式会社(投資調査部ゼネラル・マネジャー)へ転籍を経て2009年5月より現職。ラジオ日経、ストックボイス等で相場解説を行っている。

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