【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 日経平均9連騰、米中の対立緩和が市場好転を呼ぶ!
「日経平均9連騰、米中の対立緩和が市場好転を呼ぶ!」
●反発のきっかけ待ちだった株式市場
日経平均株価がなんと9連騰。正直びっくりの強さだ。私は9月相場は「前半軟調→後半回復」。こうした見方でいただけに、想定以上の早い好転にやや困惑といったところ。月末の入金を予定していた仕事の報酬が、半月前倒しで支払われた気分だ。
一時は日経平均の2万円割れ説が盛んで、市場マインドは冷え切り、株式投資を諦める人も多かっただけに、状況の好転は有り難い限りだ。
やはり、前々から主張している通り、最悪局面では「自律反発を待つ」対応が正しかったことになる。そして、東京市場の根幹が崩れていたわけでもなく、単に反発のきっかけを待っていただけということになる。
そのきっかけとは、米中貿易戦争の対立の緩和。まず10月に協議の再開が約束され、直近ではトランプ米大統領が「中国との暫定的な貿易合意に扉を開いているが、持続的な合意がより望ましい」と述べている。ポイントはもちろん「暫定的な合意」。これまでこの言葉が使われたことはなく、検討課題でもなかったと思われるのだが、大統領は検討の意志を表明したのだ。
「暫定的な合意」の内容とは、知的財産や農産物購入に関する中国の約束を取り付ける代わりに、一部関税の発動を延期、あるいは撤回するというもの。すでにトランプ大統領は11日夜には「2500億ドル分の中国製品への関税率引き上げを10月15日まで2週間先送りする」と発表しており、続いて12日には中国政府が米国産農産物の輸入手続きの再開を表明している。
●景気敏感株の見直し買いが続くか
これらは対立解消とまではいかないものの、緊張はかなり緩和されたといえるため、輸出関連の電気機器、化学、鉄鋼・非鉄、精密、機械などの景気敏感株の見直し買いが継続すると見てよい。
そこで、注目はまずはヨコオ <6800> だ。自動車用アンテナに強く、同時に半導体、スマホ用回路検査装置にも進出していて、いまは両分野とも堅調に需要を伸ばしている。
産業用ガスで業界2位のエア・ウォーター <4088> も魅力的だ。現在、産業用は高炉や製造業向けに好需要となっている上に、医療用酸素も堅調に需要を伸ばしている。
株価はすでにかなり高くなっているのだが、なお上昇余力を残していると見てよいのが日東紡績 <3110> だ。得意とするガラス繊維が情報端末向けなどに好需要をキープしており、当面それは減少しそうにない。
株価はやや地味な値動きながら、スローペースの上昇が見込めるのはニフコ <7988> 。自動車用ファスナー(留め具)、プラスチック部品に強い上に、高級ベッド「シモンズ」もこの会社の製品だ。
半導体マスク欠陥検査装置、さらにはマスクブランクス欠陥検査装置では100%のシェアを持つレーザーテック <6920> も浅い押し目を見逃さないようにしたい。
最後にジャスダック銘柄にも目を向けておくと、エスケーエレクトロニクス <6677> [JQ]がある。大型液晶パネル用フォトマスクに強く、業界首位。有機EL向けなどの需要も拡大基調にある。
2019年9月13日 記
株探ニュース