いよいよ開幕、株高へキックオフ!「ラグビーW杯」関連株 <株探トップ特集>

特集
2019年9月18日 19時30分

―経済効果絶大のビッグスポーツイベント、秋相場で全面開花する銘柄群を追う―

ラグビーワールドカップ(ラグビーW杯)2019日本大会」がいよいよ9月20日に開幕する。日本では、ここ最近になってようやく人気が出てきた感のあるラグビーだが、ラグビーW杯は夏季オリンピック、サッカーワールドカップ(サッカーW杯)に次ぐ、ビッグスポーツイベントとして世界的に認知されており、特にヨーロッパやオセアニア地域を中心に人気が高い。開催期間が11月2日までと長期間にわたるほか、全国各地で開催されるとあって、経済への波及効果も大きいと期待されており、開催を前に改めて関連銘柄に注目したい。

●経済波及効果は4300億円

ラグビーワールドカップ2019組織委員会によると、今回の日本での大会開催における経済波及効果は4372億円と予測されている。同大会は、開催期間が44日間と一般的な国際スポーツイベントと比べて長期間にわたるほか、会場は北海道から九州まで全国12の都市と広範囲に及ぶ。そのため、観光に伴う支出が、開催都市を中心とする国内各地の活性化につながるとみられている。

また、スタジアムでの観戦者は最大で180万人、訪日外国人観光客は40万人に達する可能性があり、その消費支出による直接効果は1057億円に上ると予測されている。海外からの観戦客の獲得や、インフラ整備や大会活用の仕方によっては、大会時だけではなく、大会後も継続的な経済効果を創出することになりそうだ。

●ゴルドウイン子会社がユニフォームを提供

大会のオフィシャルスポンサーには、キヤノン <7751> 、TOTO <5332> 、セコム <9735> 、大正製薬ホールディングス <4581> 傘下の大正製薬、三菱地所 <8802> グループ、NEC <6701> 、ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングス <4433> 傘下のヒト・コミュニケーションズ、大成建設 <1801> が名を連ねているが、関連銘柄はそのほかにも多岐に上る。

トーナメントサプライヤーの一社であるカンタベリーは、日本ではゴールドウイン <8111> 子会社のカンタベリーオブニュージーランドジャパンが製品を販売しており、1997年からは日本代表のジャージを担当し、レプリカジャージも販売している。ゴルドウインは、ラグビー日本代表発表を機にアスレチック関連に追い風が吹いているとして、8月2日には上期業績予想を連結営業利益で32億円から37億円(前年同期比18.3%増)へ上方修正しており、通期業績の増額も期待されていることから注目度は高い。

●ビール片手の観戦スタイルが定着

また、関連銘柄のなかでも特に恩恵が注目されているのがビール業界だ。1人当たりの消費量が日本の倍以上のアイルランドなど、ラグビーが盛んな国ではビールを片手に試合を楽しむのが一般的で、試合前から飲み始め、試合後は敵味方のファンが一緒になってパブに繰り出す光景が多くみられるという。その消費量はサッカーファンの約6倍ともいわれ、2015年のイングランド大会ではスタジアムとファンゾーンだけで一般的な中ジョッキで400万杯以上に当たる190万リットルが飲まれ、過去には地域のビールが品切れとなったケースもあるという。

試合会場のビールは、ワールドワイドパートナーでもあるビール大手「ハイネケン」が独占販売するが、国内で「ハイネケン」を製造・販売するキリンホールディングス <2503> 傘下のキリンビールが大会期間中のハイネケンの販売目標を前年比の7割増に設定。年間販売目標も期初予想から1割増の約110万ケース(大びん換算)に引き上げている。

●強豪国にはパブ文化が根付く

ビール業界同様に、ビール消費による恩恵が期待されているのが、英国風パブを展開するハブ <3030> だ。

ラグビーはイギリス発祥のスポーツということもあって、強豪国といわれる国々には英国パブの文化が根付いており、前述のように観戦後にパブに繰り出す人も多い。「観戦のために来日する人々の平均滞在日数は約20日間ともいわれていることから、昼夜問わず多くの時間をパブで過ごすことが予想されている。今回の日本開催は、弊社の事業にとって大きなメリットがある」(IR担当)と期待を寄せている。

また、DDホールディングス <3073> は、子会社バグースの展開するガストロパブ&スポーツバー「THE PUBLIC」ブランド2店舗でラグビー観戦メニューを提供していることから注目銘柄とされる。会社側では「特段大きな影響を見込んではいない」としているものの、居酒屋からバルまで幅広い業態を展開していることから、インバウンド需要が期待されている。

●ホテル、警備業界にも恩恵

期待を寄せているのはホテル業界も同じで、豊田スタジアムの周辺にホテルがあるABホテル <6565> [JQ]や、東大阪市花園ラグビー場、神戸市御崎公園球技場などへのアクセスが便利なロイヤルホテル <9713> [東証2]などは恩恵を受けそうだ。

これとは別に、警備業界にも恩恵が期待されている。オフィシャルスポンサーに名を連ねるセコムが警備を担当するが、このほかにも共栄セキュリティーサービス <7058> [JQ]は、「19年3月期において、ラグビー国際試合の会場警備に取り組んだ」(IR担当)実績があるほか、20年3月期業績予想にも、6月に行われた20ヵ国・地域首脳会議やラグビーW杯などに関連する警備需要を「国際的イベント関連」として、2億3500万円の売り上げを予定している。更に、「社内に国際的イベント対策本部を設置し、受注体制を強化している」(同)としており、今後の需要の取り込みに力を入れていることから要注目だ。

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