欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、米大統領弾劾の思惑後退で買い戻しも

通貨
2019年9月25日 17時25分

25日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。前日発表された米経済指標は軒並み低調となり、追加利下げ観測を背景にドル売り先行の見通し。ただ、トランプ米大統領の弾劾は上院の議員構成上困難との見方から、ドルは買い戻しが入りそうだ。

前日の海外市場でドル・円は一時107円を割り込んだ。24日に発表された米国の住宅価格指数や消費者信頼感指数など経済指標が低調となり、米10年債利回りの大幅低下を手がかりにドル売りが進んだ。また、トランプ大統領が来年の大統領選を視野に民主党候補のバイデン前副大統領のスキャンダルを探すようウクライナ大統領に圧力をかけたとされる問題で、民主党が下院で弾劾訴追に向けた審議を開始すると表明。それを嫌気したドル売りも加わった。ただ、本日のアジア市場で、NZ準備銀の利下げ見送りをきっかけにNZドル・円が上昇し、ドル・円は107円40銭台に強含む場面もあった。

この後の海外市場では、連邦公開市場委員会(FOMC)内でタカ派のジョージ米カンザスシティー連銀総裁とハト派のブレイナード連邦準備制度理事会(FRB)理事による議会での好対照な発言が注目される。前日の弱い経済指標で追加利下げ懸念が再燃するなか、ドルはFOMC以降の上値の重さが意識されておりハト派的な見解に反応しやすいだろう。半面、トランプ大統領は今晩にもウクライナ大統領との電話会談の内容を公開し、潔白をアピールする方針。現職大統領を弾劾するには共和党が多数派の上院で3分の2の賛成が必要で、現実的に困難との見方が広がればドルは買い戻しが入りそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】

・17:30 英・8月銀行協会住宅ローン承認件数(予想:43233件、7月:43342件)

・21:00 エバンス米シカゴ連銀総裁が朝食会参加(経済見通しと金融政策関連)

・23:00 米・8月新築住宅販売件数(予想:65.8万戸、7月:63.5万戸)

・23:00 ジョージ米カンザスシティー連銀総裁が上院公聴会出席(決済システム関連)

・23:00 ブレイナード米FRB理事が下院公聴会出席(金融安定化関連)

・02:00 米財務省5年債入札(410億ドル)

・08:00 カプラン米ダラス連銀総裁質疑応答

・日米首脳会談(国連総会)

《FA》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.