米国株式市場見通し:多数の重要指標が発表予定
米中通商協議では中国が米農産物を購入すると報じられたものの、米国が中国通信機器メーカーの華為技術(ファーウェイ)に対する禁輸措置の延長を許可しないとの見方が強まるなど、未だに合意の見通しは立っておらず注意が必要だ。また、米民主党によるトランプ大統領の弾劾調査では、現職大統領を弾劾するには共和党が多数派の上院で3分の2の賛成が必要であることから、弾劾は困難であると予想するが、トランプ氏に不利な証拠が提示される可能性もあり、先行き不透明感が強まりそうだ。
FOMCでは、連銀高官の間で利下げへの意見が分かれたことが明らかとなり、10月利下げへの懐疑的な見方が広がった。次回FOMCまでの米中通商協議の動向に加えて、経済指標の良し悪しが当局の判断材料の一つとなるが、今週は月初で多くの主要経済指標が発表されることから注目が集まりそうだ。また、第3四半期が終了することから、主要企業の7-9月期業績予想修正の発表が飛び出しやすい時期となることにも注意が必要だ。
経済指標では、9月ISM製造業景況指数(1日)、8月建設支出(1日)、9月ADP雇用統計(2日)、8月製造業受注指数(3日)、9月ISM非製造業景況指数(3日)、9月雇用統計(4日)、8月貿易収支(4日)などの発表が予定されている。雇用統計は、失業率が3.7%増と横ばい、非農業部門雇用者数は14.5万人増が予想されている。1日には9月新車販売台数の発表が予定されているが、先月は新車ローンの平均金利低下による需要拡大が示されており堅調な内容となりそうだ。自動車大手のフィアット・クライスラー、フォード、ゼネラル・モーターズによる7-9月期新車販売台数の発表にも注目したい。
個別企業では、住宅建設会社のレナー(2日)、家庭用品小売のベッド・バス・アンド・ビヨンド(2日)、飲料メーカーのペプシコ(3日)、アルコール飲料のコンステレーション・ブランズ(3日)、会員制卸売のコストコ・ホールセール(3日)などの発表が予定されている。コストコ・ホールセールは、8月に中国で初めて上海に新店舗を開店したものの、初日に来店客殺到により一時店舗を閉鎖する事態となるなど盛況で、業績見通しを注視したい。
(Horiko Capital Management LLC)
《FA》
提供:フィスコ