【杉村富生の短期相場観測】 ─ 「総論慎重、各論勝負」の投資戦術を!
「『総論慎重、各論勝負』の投資戦術を!」
●全般相場は“高値しぐれ”商状に!
株式市場は意外に底堅いものの、基本的には“高値しぐれ”商状に陥っている。しかし、これは予想されたことだ。別に、驚くには値しない。筆者はここ数週間、「総論慎重、各論勝負」と主張していた。これがリスク・マネジメントである。
10~11月相場は例年、荒れる。9月初~中旬、多くの投資家が「今年は違う」と強気になっていたが、本当にそうか。マーケットでは「世界的にリスク・オン→猛反騰相場が始まった」とし、日経平均株価は「一気に2万3000円台乗せを目指す」と。
いや~、いさましい話である。しかし、7~8月は同じ人が「株価はメルトダウンを開始」とか、「日経平均の下値メドは1万9000円がらみ」と、唱えていたのだ。為替については円高論者が多数を占め、「1ドル=65円」という極端な人もいた。実際は107~108円の円安ではないか。
もちろん、相場の世界ではこだわりは禁物である。ときに軌道修正は必要だ。まあ、器用さが求められるときがある。ただ、器用貧乏との教えがあるし、相場格言は「カミソリよりもナタ」と諭している。
すなわち、株式投資においては短期・順張りは異なるが、長期・逆張りでは愚直に、安いところを買って、高いところを売るのが勝利の方程式である。間違っても高いところを買って、安いところを売ってはいけない、と思う。
●逆行高銘柄を狙うのがセオリー!
さて、27日の日経平均は169円安だった。配当落ちが約160円あったが、それを考慮すると意外に強い?ただ、一時は314円まで売られ、「なんでこんなに売られるの?」と聞かれたが、当コラムの9月15日配信の「9月13日、18日が相場の転換日になる?」、9月22日配信の「9~10月に買い場が到来する意味とは…?」を読み返してほしい。いや、自慢しているわけではないが……。
ともあれ、ここは引き続いて森を見ず、「総論慎重、各論勝負」の投資戦術が有効だろう。すなわち、木を見よの銘柄勝負である。銘柄選別のポイントはやはり、逆行高の銘柄にあろう。具体的には、共同ピーアール <2436> [JQ]、KLab <3656> 、ブシロード <7803> [東証M]など。もちろん、これらの銘柄にはテーマ性がある。
さらに、バリュー株人気に直撃され、売り物を浴びていたGMOペイメントゲートウェイ <3769> 、ファイバーゲート <9450> などのグロース株が反発に転じている。テーマ的には電線地中化、老朽インフラの再生、5G、AI、キャッシュレス決済、自社株買いなどに注目できる。
為替についてはどうか。足もとは円安傾向だが、トランプ米政権の経済政策の“切り札”は「プランB」に含まれているドル安(円高)誘導だ。これは注意(警戒)を要する。
2019年9月27日 記
株探ニュース