高成長【始動】候補リスト〔第2弾〕 20社選出 <成長株特集>

特集
2019年10月3日 19時40分

本特集では、時価総額250億円以上1500億円未満の銘柄を対象とした「高成長【始動】候補リスト〔第1弾〕」(9月29日配信)に続き、“時価総額250億円未満”の銘柄を対象に、製品・サービスの販売拡大もしくは買収や提携などにより、高成長に向けて動き始めた可能性が高い銘柄を探った。

下表では、時価総額30億円以上250億円未満の銘柄の中から、本決算月にかかわらず直近四半期に前年同期比で【10%増収・20%経常増益】を2四半期もしくは3四半期連続で達成した銘柄を、“高成長「始動」候補”として20社選び出し、直近四半期の増益率が大きい順に記した。連続で収益が拡大し始めた企業は、これから高成長が期待できる有力候補として注目していいだろう。

なお、四半期業績の収益動向は、株探プレミアム会員向けコンテンツとして8月にリリースした 四半期業績「成長性」タブで簡単に確認することができる。四半期業績「成長性」タブでは、個別銘柄の決算ページにある四半期の売上高、営業利益、経常利益、修正1株利益の4項目について前年同期比の変化率を最大20四半期分表示。業績の成長期入りの初期段階を捉えるために有効なコンテンツとなっている。

直近四半期の増益率トップとなったのは、データ管理プラットフォーム「スパイラル」を主力とするパイプドHD <3919> 。6-8月期(第2四半期)は売上高が前年同期比17.4%増の15.2億円、経常利益は同6.6倍の3.3億円といずれも過去最高を塗り替えた。業務効率化ニーズが高まるなか「スパイラル」のアカウント数が増えたうえ、インターネット広告の代理販売などを手掛ける広告事業の業績も大きく伸びた。20年2月期は先行投資の収穫期として、経常利益が前期比3.1倍の11.9億円と3期ぶりの過去最高益を目指す。株価は連日で上場来高値を更新している。

2位は外食チェーン向け統合業務管理システムでシェアトップを誇るアルファクス・フード・システム <3814> [JQG]が入った。4-6月期(第3四半期)は人手不足や消費増税に伴う軽減税率対応に向けたシステム需要を追い風に、自動発注システムなどの利用件数が伸び、売上高が前年同期比16.7%増の5.7億円、経常利益は同4.6倍の1.2億円に拡大した。

3位の東洋シヤッター <5936> は前期から持ち越した豊富な受注残高を背景に、主力の重量シャッターを中心に販売を伸ばし、4-6月期(第1四半期)の経常利益は前年同期比4.2倍の1.6億円に膨らんだ。

5位にリスト入りしたのは石油製品やガスなどのタンクの開発を主力とする石井鐵工所 <6362> 。4-6月期(第1四半期)は自社工場の跡地を活用した不動産事業で新規賃貸物件が稼働したうえ、営業費用が減少し、2四半期連続の2ケタ増収増益を達成した。

6位に入った日本エンタープライズ <4829> の6-8月期(第1四半期)はスマートフォンの買い替え需要の拡大を背景に、スマホの設定作業を自動化するキッティングRPAツールなどが大きく伸びた。また、業務効率化やクラウド活用が進むなか、業務用スマートフォンアプリや自社開発サービスを活用した受託開発などが堅調だった。

9位の高橋ウォール <1994> [JQ]はビル外壁用カーテンウォールの取り付け工事が順調に進み、4-6月期(第2四半期)は売上高が前年同期比2.3倍の67.1億円、経常利益は同2.1倍の11.6億円といずれも四半期ベースの過去最高を記録。19年12月期は実に27年ぶりとなる経常利益の最高益更新を見込む。一方、指標面では予想PER4.1倍、PBR0.71倍、配当利回り4.23%と割安感が強く、水準訂正の買い流入が期待される。

10位のビジネスブレイン太田昭和 <9658> は値上げ効果や生産性の向上で、会計システムを軸とする主力のコンサルティング・システム開発事業の利益率が改善した。また、人事給与関連などのアウトソーシングを展開するマネージメントサービス(BPO)事業で固定費を中心とする費用構造の見直しが進んだことも利益を押し上げた。高成長への期待を背景に株価は上場来高値圏で推移している。

13位の遠州トラック <9057> [JQ]は昨年7月に開始したインターネット通販向けの宅配業務が寄与したことに加え、物流拠点間輸送も増加し、4-6月期(第1四半期)は売上高、経常利益ともに四半期ベースの過去最高を更新した。株価は上値追いを続け、9月30日に約2年4ヵ月ぶりの高値圏に浮上する場面があった。その後は利益確定売りに押されているが、指標面では予想PER9.7倍と割安感が強く、上値余地は大きいとみられる。

┌─ 経常利益 ─┐ ┌─ 売上高 ─┐ 増収増益 予想

コード 銘柄名    増益率 直近四半期 増収率 直近四半期 連続期数  PER

<3919> パイプドHD   559    336  17.4    1523    2  20.8

<3814> アルファクス   363    125  16.7    579    2  13.4

<5936> 洋シヤタ     318    167  21.1    4961    3  11.1

<1960> サンテック    210     96  11.9    9866    2  9.5

<6362> 石井鉄      148    104  12.0    1433    2  13.9

<4829> 日エンター    116     93  12.4    871    2  57.1

<6402> 兼松エンジ    114    255  29.4    2903    2  10.1

<4699> ウチダエスコ   114    282  25.8    3786    2  12.1

<1994> 高橋ウォール   108    1163   133    6710    2  4.1

<9658> ビジ太田昭   98.6    413  22.5    6595    2  15.5

<4286> レッグス    94.9    419  44.2    4468    2  21.8

<5282> ジオスター   93.4    766  17.9    7401    2  113

<9057> 遠州トラック  89.9    585  21.9    7992    2  9.7

<1888> 若築建     78.1    1026  26.4   25359    2  6.4

<7619> 田中商事    71.4    216  12.8    7009    2  6.4

<9637> オーエス    70.8    292  25.8    2204    3  29.7

<2480> シスロケ    52.1    108  13.1    251    2  16.8

<9820> ジェネックス  39.4     99  20.2    679    2  21.8

<3031> ラクーンHD  31.6    175  22.3    818    2  30.1

<3355> クリヤマHD  25.0    1036  13.6   14611    2  7.5

※売上高、経常利益の単位は百万円。増益率、増収率は前年同期と比べた増加率、単位は%。連続期数は四半期ベースの連続回数。

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