東京株式(大引け)=95円高と反発、米中協議を巡り思惑錯綜
10日の東京株式市場で日経平均株価は反発。米中通商協議を巡り思惑が錯綜するなか、朝方は軟調に推移したが、売り一巡後は値を上げた。
大引けの日経平均株価は前日比95円60銭高の2万1551円98銭と反発。東証1部の売買高概算は10億6911万株。売買代金概算は1兆8158億500万円だった。値上がり銘柄数は595と全体の27%強、値下がり銘柄数は1458、変わらずは100銘柄だった。
朝方、香港のサウスチャイナ・モーニング・ポストが10~11日に予定される米中通商協議に先立って行われた次官級協議について「主要な貿易問題で進展がなかった」と報道。中国の劉鶴副首相は10日にワシントンを発つ計画だと伝えた。これを受け、米中通商協議に対する警戒感が台頭。日経平均株価は午前9時30分過ぎに一時、150円近い下落となった。NYダウ先物が下落したことなどから売りが先行した。しかし、米メディアは中国副首相が協議1日目に帰国するとの報道を否定した。これにより市場には安心感からの買い戻しが流入し日経平均株価は午前10時40分過ぎに前日比140円強の上昇となり、後場にかけてもプラス圏で推移した。ただ、米中協議に関しては、依然思惑が錯綜しており市場には様子見姿勢も強まった。
個別では、旭化成<3407>の吉野彰名誉フェローが、ノーベル化学賞を受賞したことを受けリチウムイオン電池関連株が物色された。旭化成は商いを伴い上昇したほか、昭和電工<4004>や田中化学研究所<4080>、古河電池<6937>、戸田工業<4100>が買われた。また、大型で猛烈な台風19号が接近していることから電線地中化や復興関連株が物色され、イトーヨーギョー<5287>や日本興業<5279>、旭コンクリート工業<5268>などが値を上げた。ソフトバンクグループ<9984>やファーストリテイリング<9983>、村田製作所<6981>、東京エレクトロン<8035>も高い。
半面、任天堂<7974>やトヨタ自動車<7203>、ソニー<6758>が安く、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>やみずほフィナンシャルグループ<8411>などが軟調。ファナック<6954>や安川電機<6506>が値を下げた。
最終更新日:2019年10月10日 16時18分