話題株ピックアップ【夕刊】(2):ファストリ、トヨタ、日精工

注目
2019年10月11日 15時15分

■ヒトコムHD <4433>  1,844円  +63 円 (+3.5%)  本日終値

ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングス<4433>が反発。10日の取引終了後に発表した20年8月期連結業績予想で、売上高720億円(前期比12.8%増)、営業利益33億5000万円(同12.5%増)、純利益19億円(同10.8%増)と2ケタ増益を見込んでいることが好感された。主力のアウトソーシング事業で家電分野、ブロードバンド分野、モバイル分野を中心とした業務運営事務局の運営力強化と収益改善に取り組むほか、人材派遣事業では家電分野、ストアサービス分野、観光分野を中心に展開し業績拡大を見込む。なお、19年8月期決算は、3月に単独株式移転により設立したため前の期との比較はないが、売上高638億600万円、営業利益29億7800万円、純利益17億1500万円だった。

■ファーストリテイリング <9983>  63,270円  +1,620 円 (+2.6%)  本日終値

ファーストリテイリング<9983>が続伸。10日の取引終了後に発表した20年8月期連結業績予想で、売上高2兆4000億円(前期比4.8%増)、営業利益2750億円(同6.7%増)、純利益1750億円(同7.6%増)と、過去最高業績の更新を見込み、年間配当を前期比20円増の500円を予定していることが好感された。海外ユニクロ事業で、韓国は大幅な減収減益を見込むものの、中国や東南アジア・オセアニアが大幅な増収増益を継続する見込み。また、国内ユニクロ事業で粗利益率が改善する見込みであることも寄与する見通しとしている。なお、19年8月期決算は、売上高2兆2905億円(前の期比7.5%増)、営業利益2576億3600万円(同9.1%増)、純利益1625億7800万円(同5.0%増)だった。

■日本精工 <6471>  950円  +24 円 (+2.6%)  本日終値

日本精工<6471>がジリ高歩調となっている。同社は10日、東京大学、ブリヂストン<5108>、ローム<6963>、東洋電機製造<6505>と共同で、道路からインホイールモーターに直接、走行中給電できる「第3世代 走行中ワイヤレス給電インホールモーター」を開発し、実車での走行実験に成功したと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。日本精工は、これまでのインホイールモーター開発から得られた知見を生かし、ユニットの機械構造と製作を担当している。今後は、現在の参画メンバーにとどまらず、他の組織・企業が持つさまざまな領域での知見を広く取り入れながら、2025年に実証実験フェーズへの移行を目指すとしている。

■トヨタ自動車 <7203>  7,269円  +161 円 (+2.3%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>など自動車株が強い動きをみせている。米中協議への進展期待が足もとで強まっていることや、外国為替市場では1ドル=107円90銭近辺の推移と108円台を視野に円安方向に振れていることが支援材料となっている。なお、トヨタの今期想定為替レートは1ドル=106円、ホンダは1ドル=110円に設定されている。

■技研製作所 <6289>  3,450円  +70 円 (+2.1%)  本日終値

技研製作所<6289>が3日ぶりに反発。10日の取引終了後に発表した20年8月期連結業績予想で、売上高360億円(前期比11.0%増)、営業利益69億円(同3.2%増)、純利益47億円(同2.8%増)と増収増益で連続営業最高益更新を見込み、年間配当を前期比2円増の70円を予定していることが好感された。国土強靭化や港湾・道路事業などで 「インプラント工法」の採用が全国に拡大しており、売上増で販管費の増加などを吸収する見通し。なお、19年8月期決算は、売上高324億4200万円(前の期比11.3%増)、営業利益66億8900万円(同11.9%増)、純利益45億7100万円(同10.1%増)だった。

■ローソン <2651>  5,860円  +110 円 (+1.9%)  本日終値

ローソン<2651>が続伸。9日に発表した第2四半期累計(3~8月の)連結決算が引き続き好感されたとみられるほか、同社がきょうフィリピンのAyala(アラヤ)グループ傘下のACインフラストラクチャーホールディングスと業務提携することで合意したと発表したことが買い手掛かりとなったようだ。ローソンは15年3月にマニラ市内に1号店をオープンし、現在は同国で55店舗(19年9月末時点)を展開している。同社は今回の業務提携を機に、自社が持つコンビニの運営ノウハウとACインフラストラクチャーが有する物流などの知見を生かして同国での新規出店を加速させ、23年度までに500店舗規模に拡大する予定だとしている。

■村田製作所 <6981>  5,778円  +98 円 (+1.7%)  本日終値

村田製作所<6981>が6日続伸。この日の午前中、大阪府立大学LAC-SYS研究所と共同で、LAC-SYS研究所の「光濃縮技術」をスマートフォンサイズ(長さ10×幅6×厚み2センチメートル)の筐体に実装した「ポータブル光濃縮システム」を開発したと発表しており、これが好材料視された。同製品は、同社の小型化技術とLAC-SYS研究所が有する光濃縮技術を活用し、細菌検査の測定時間を大幅に短縮し、容易に持ち運び可能なサイズを実現した点が特徴。現在、病院や分析センターで数週間の分析期間を要している細菌検査などを迅速化するだけではなく、携帯性を生かして空港や駅などの公共エリアにおける細菌・ウイルスなどのバイオテロの未然防止など、さまざまなシーンで活用できるとしている。

■パンパシHD <7532>  1,717円  +26 円 (+1.5%)  本日終値

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532>が続伸。10日の取引終了後に発表した9月度の月別販売高状況速報で、既存店売上高が前年同月比13.0%増と2ケタ増となり、2カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。消費税増税直前の駆け込み需要で、来店数が飛躍的に増加。また、生活必需品のまとめ買いに加えて、家電製品やラグジュアリー商品などの高単価商品が売上高の押し上げに寄与したとしている。なお、インバウンド消費は、韓国からの訪日客数は急減したものの、ASEANやオセアニアなどからの客数増が免税売上高を下支えしているという。

■DCMホールディングス <3050>  1,065円  +16 円 (+1.5%)  本日終値

10日、DCMホールディングス <3050> が発行済み株式数(自社株を除く)の1.49%にあたる200万株(金額で20億9800万円)を上限に、10月11日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。

■NTTデータ <9613>  1,417円  +12 円 (+0.9%)  本日終値

IT関連株の一段高を予想する見方が出ている。大和証券は10日、IT・ソフトセクターの投資判断を「中立」から「強気」に引き上げた。10月の日銀短観で強いIT投資意欲を確認したうえで、年度末に向けて5Gやクラウド基盤、顔認証などの新技術需要が関連企業業績を一層加速させる可能性が出てきたことを評価している。個別では割安な大型優良銘柄としてNTTデータ<9613>やNEC<6701>、富士通<6702>、盤石な成長基盤を持ち成長加速が見込める銘柄として日鉄ソリューションズ<2327>と野村総合研究所<4307>、高成長が見込める中堅銘柄としてネットワンシステムズ<7518>や日本ユニシス<8056>、システナ<2317>などを推奨している。

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