今週の【早わかり株式市況】3週ぶり反発、週末に米中の部分合意観測でリスク選好強まる
■今週の相場ポイント
1.日経平均は3週ぶりに反発、米中協議を前に思惑錯綜もリスク選好に傾く
2.週初は中国が幅広い通商合意に対し難色を示していると伝わり警戒モード
3.国慶節明けの中国・上海株市場が堅調に推移したことはポジティブ材料に
4.週後半は米中協議進展を期待させる報道が多く、株高を後押しする流れに
5.トランプ大統領と劉鶴副首相が会談すると伝わり週末は240円強の上昇
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比388円(1.82%)高の2万1798円と3週ぶりに反発した。
今週は週後半の米国と中国による閣僚級貿易協議を前に思惑が錯綜し、メディア報道に振り回される展開となったが、週末にかけて米中の部分合意に向けた観測が強まりリスクを取る動きが強まった。
7日(月)は前週末に発表された9月の米雇用統計で失業率が50年ぶり低水準となったことで米景気減速への懸念を後退させたが、一方で米中の貿易協議を前に、中国側が幅広い通商合意に難色を示しているとの報道が重荷となり上値が押さえられた。8日(火)は為替が円安方向に傾いたことが輸出株中心に好感されたほか、国慶節明けの中国・上海株市場が堅調だったことも追い風となり、日経平均は200円を超える上昇を示した。9日(水)は前日の米株市場でNYダウが大幅安となり、それを引き継ぐ形で下落。米政権が中国政府高官のビザ発給制限など中国側に対し圧力を強めたことが警戒された。10日(木)は前日の米株市場が反発に転じたほか、取引時間中に米中協議の進展を期待させる報道が出て、先物を絡めた買い戻しが全体指数を押し上げる格好に。そして11日(金)はトランプ米大統領が中国の劉鶴副首相と会談すると伝わり、米中協議の部分的合意への思惑が強まり、主力株を中心に幅広く売り方の買い戻しを誘導。日経平均は240円あまり上昇して今週の取引を終えている。
■来週のポイント
来週は米中貿易協議で部分合意したことを受け、リスク選好の動きが続くとみられる。日経平均は2万2000円台を回復することが期待される。
重要イベントとしては、国内では18日朝に発表される9月全国消費者物価指数が注目される。海外では14日発表の中国9月貿易収支や17日発表の米国9月鉱工業生産のほか、18日に発表される中国7-9月期GDPや中国9月鉱工業生産に注視が必要だろう。
■日々の動き(10月7日~10月11日)
【↓】 10月 7日(月)―― 小反落、朝高も米中協議を前に買い手控え
日経平均 21375.25( -34.95) 売買高 9億2137万株 売買代金 1兆5251億円
【↑】 10月 8日(火)―― 反発、円安・アジア株堅調で終始買い優勢
日経平均 21587.78( +212.53) 売買高11億1328万株 売買代金 1兆9104億円
【↓】 10月 9日(水)―― 反落、米株安でリスク回避も寄り後下げ渋る
日経平均 21456.38( -131.40) 売買高10億4524万株 売買代金 1兆8035億円
【↑】 10月10日(木)―― 反発、米中協議の思惑で朝安後値を上げる展開
日経平均 21551.98( +95.60) 売買高10億6911万株 売買代金 1兆8158億円
【↑】 10月11日(金)―― 大幅続伸、米中通商協議の前進期待で買い優勢
日経平均 21798.87( +246.89) 売買高11億9714万株 売買代金 2兆1185億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、28業種が上昇
(2)商船三井 <9104> 、川崎汽 <9107> など海運株が業種別上昇率トップ
(3)旭化成 <3407> など化学、住友鉱 <5713> など非鉄、JFE <5411> など鉄鋼といった素材株が買われた
(4)トヨタ <7203> など自動車、三菱重 <7011> など機械といった輸出株も高い
(5)ファストリ <9983> など小売り、積水ハウス <1928> など建設といった内需株も総じて堅調
(6)出光興産 <5019> など石油、国際石開帝石 <1605> など鉱業は反発
(7)金融株は大和 <8601> など証券、オリックス <8591> などその他金融が上昇も
三菱UFJ <8306> など銀行、東京海上 <8766> など保険は軟調
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