マーケットE Research Memo(5):「リユースを核とした最適化商社」となることを追求

特集
2019年10月17日 15時55分

■中長期の成長戦略

1. 成長戦略の概要

マーケットエンタープライズ<3135>は2017年6月期と2018年6月期の戦略的投資期間を経て、前述のように、2019年6月期に業績を大きく飛躍させた。戦略的投資期間の2年間で事業のラインナップの充実を果たし、かつ、それら新たな事業による成長の手応えを獲得した同社は、自社が追求する企業像について新たなコンセプトを導入した。それが「リユースを核とした最適化商社」だ。

同社は、消費者の価値観が変化し、結果的に消費行動がどんどん賢く変化していると感じ取っている。そうした「賢い消費者」の出現に対して、サービスする側が十分に追い付いていないとも感じている。そこで、こうした市場環境の変化の時期にこそ成長機会があると考え、「賢い消費者」に対して最適なサービスを提供する存在になるべく、「リユースを核とした最適化商社」というコンセプトを自社が目指す企業像として導入した。同社では、“絶対的価値”(自分にとって満足度の高い買物ができるかどうか)と“相対的価値”(世間から見た価値・再販価値があるかどうか)の両方を意識している消費者を「賢い消費者」とし、彼らが「賢い消費」を主導するとしている。

重要なポイントは、「賢い消費」の対象(商材)が拡大していることだ。相対的価値(すなわち再販価値)がある商材というのは、かつては不動産や金融商品などに限定されていた。それがリユース市場の発展に伴い、貴金属や美術品などの高額商品、ブランド品や時計・カメラ・楽器などの趣味・嗜好品へとその対象を急速に広げている。同社が展開するリユース事業は「賢い消費」を実行するうえで不可欠の重要なインフラであり、これを中核に、「賢い消費」に様々な側面からサービスを提供して自社の収益成長につなげようというのが「リユースを核とした最適化商社」実現を通じた同社の成長戦略の主旨だ。

その「最適化商社」実現に向けた取り組みの第1歩は、賢い消費に対応した事業ポートフォリオの構築だ。この点については、事業の概要の項でも述べたように、現在は1)ネット型リユース事業、2)メディア事業、3)通信事業の3つに整理されている。ネット型リユース事業は創業事業である個人向けリユース、法人・自営業者向け商材を扱う法人向けリユース、プラットフォーム、レンタルに細分される。メディア事業ではテーマの異なる複数のサイトを運営しており、現状はリユース・消費関連・通信の3分野に関してメディアを展開している。通信事業は子会社のMEモバイルが手掛ける事業となっている。以下でそれぞれの成長戦略について詳述する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

《SF》

提供:フィスコ

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