【杉村富生の短期相場観測】 ─ 2万4448円(昨年10月高値)挑戦の動き!

市況
2019年11月10日 9時15分

「2万4448円(昨年10月高値)挑戦の動き!」

●トレンドは完全に上向き!

抜群に強い相場である。短期的には11月のSQ値が2万3637円と“幻”となったこと、8日の寄り付きでは日経平均レバレッジ、ダブルインバース型のETFなどに売り方の“踏み”が見られたといった現象を手掛かりに、「騰勢一服となるのではないか」との声が聞かれる。

しかし、テクニカル的には日経平均株価が「N値」(2万3525円)をクリア、昨年10月2日の高値(2万4448円)挑戦の動きを鮮明にしている。さらに、長期トレンドの6ヵ月移動平均線と12ヵ月移動平均線がGC(ゴールデン・クロス)、方向は上昇である。

さて、現在の日経平均の1株利益(予想ベース)は1697円だ。実績ベースは1763円となっている。3.7%減益である。改めて述べるまでもないが、株価はEPS(1株利益)×PER(株価収益率)の計算式によって算出できる。

ちなみに、9月下旬のEPSは1776円あった。これは減り続けている。しかし、株価は値上がりしている。なぜ? それは、PERの上昇によるものだ。PERは需給、人気の影響を強く受ける。需給は10月以降の外国人の買い越し転換、人気は米中貿易協議の進展、1ドル=109円台の円安が大きいと思う。

●NYダウ並みのPBRだと、8万円超?

すなわち、外部環境の好転、円安傾向、外国人の投資行動だ。もちろん、史上最高値を更新中のNY市場に支援された面もある。ちなみに、日経平均のPERは9月中旬の11倍台そこそこが現在では13倍後半になっている。「割高ではないか」。いや、それは違う。アメリカ市場のPERは17.5倍、PBRは3.13倍となっている。

NYダウ平均だと、PERが18.6倍、PBRが4.07倍だ。まあ、遊び感覚だが日経平均をNYダウ並みに評価すると、PERでは3万1560円(1697円×18.6倍)、PBRでは8万2570円(2万287円×4.07倍となる。いや~、恐ろしい話じゃないか。

この試算は冗談に近いが、日本株が著しく出遅れているのは確かだろう。それに、世界景気が底入れ→回復に転じる局面では、日本株が真っ先に買われる。日本のマーケット自体が「景気敏感セクター」なのだ。その相場が始まっているのだろう。

狙い目は、青空圏を疾駆中のテルモ <4543> 、HR(ヒューマン・リソース)Techの本命であるリクルートホールディングス <6098> 、PEG(PER÷EPS成長率)レシオが割安な日立製作所 <6501> などにあろう。

一方、小物は旗色が悪いもののアイドママーケティングコミュニケーション <9466> 、IMV <7760> [JQ]、nms ホールディングス <2162> [JQ]はじっくり狙える。

2019年11月8日 記

株探ニュース

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