来週の株式相場戦略=2万3500円前後が抵抗線、中間配当再投資で需給良好
来週の株式市場は、依然高値圏でのもみ合い相場が予想される。日経平均株価 の想定レンジは2万3000~2万3600円。
今週の日経平均株価は6週ぶりに反落した。10月初旬から急ピッチの上昇が続き、チャート面からの過熱感も指摘されていた。日経平均株価の25日移動平均線との乖離は今月5日には5%弱に達したが、足もとでは2%前後に落ち着いてきた。ただ、騰落レシオは120%台と依然として高水準で「もう少し調整が必要」(アナリスト)との声は少なくない。当面の日経平均株価は2万3500円前後が上値抵抗線となりそうだ。
ただ、需給は良好で下値不安は小さいとみられる。特に、来週から12月初旬にかけては、3月決算企業の中間配当の支払いが始まり、その再投資資金が株式市場に流入するとの観測が出ている。中間配当の支払い金が現物株買いに回れば、全体相場は底堅い展開が見込める。
日銀のETF買いが今週の下落場面で入らなかったことが話題を呼んでいるが、「ETFの買いが入らなくても堅調な相場は続くとみて買いを見送ったのでは」(市場関係者)との声もある。一部ヘッジファンドは日銀ETFの不在を材料に売りを仕掛けたとの観測もあるが、「状況を見たうえで日銀のETF買いは再開されるだろう」(同)との見方が出ている。
来週は目立ったイベントはなく19日の米10月住宅着工件数や21日の米10月景気先行総合指数、それに20日に10月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表される程度。決算発表も今週で一巡することから、手掛かり材料難となることが予想される。なお、21日にトゥエンティーフォーセブン<7074>が東証マザーズに新規上場(IPO)する。
最大のポイントは依然、米中協議の行方だ。米国による第4弾の対中関税引き上げの実施が12月15日に迫る中、見直しのタイムリミットは迫っている。来週にかけて米中協議に関わるニュースは一段と注目されそうだ。また、米アプライド・マテリアルズの決算は堅調だったことから、半導体関連株の強気相場はなお続くとみられている。Zホールディングス<4689>とLINE<3938>の経営統合報道の余波で、ネット関連株物色の流れも続くとみられる。(岡里英幸)