新興市場見通し:マザーズ戻りに期待も銘柄選別、ランサーズなど10社がIPO発表

市況
2019年11月16日 16時04分

先週の新興市場では、日経平均とともにマザーズ指数も下落した。香港のデモ激化や中国経済指標の軟調ぶりなどから11月13日、14日と日経平均が連日で3ケタの下落となり、マザーズ市場でもリスク回避目的の売りが強まった。マザーズ時価総額上位のそーせいグループ<4565>が決算発表後に大きく値を下げたことも響き、マザーズ指数は再び25日移動平均線を割り込んだ。一方、日経ジャスダック平均は年初来高値圏で推移した。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.4%であったのに対して、マザーズ指数は-0.5%、日経ジャスダック平均は+1.0%だった。

個別では、前述のそーせいが週間で9.6%安。第3四半期決算について、市場では想定線との声が多かったが、物足りないと受け止めた投資家も多かったようだ。ただ、マザーズ時価総額トップのメルカリ<4385>は同11.9%。BEENOS<3328>との業務提携も材料視されてリバウンドした。ラクス<3923>は決算発表を挟んで強い値動きが続き、同10.8%高となった。売買代金上位では、前の週まで人気だった直近IPO銘柄のセルソース<4880>が利益確定売りに押された。また、今期減益予想のリビン・テクノロジーズ<4445>などが週間のマザーズ下落率上位に顔を出した。反面、第1四半期が大幅な増収増益だったマーケットエンタープライズ<3135>が上昇率トップとなった。ジャスダック主力ではワークマン<7564>が同0.1%安と小幅に下げ、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>は同3.8%安と軟調。セリア<2782>は緩やかな戻り歩調で同8.7%高となった。売買代金上位ではニューフレアテクノロジー<6256>が東芝<6502>による完全子会社化の発表を受けて大幅高となり、ナガオカ<6239>は決算を好感した買いが続き、週間のジャスダック上昇率トップとなった。反面、アエリア<3758>は売り優勢で、ヒーハイスト精工<6433>などが下落率上位に顔を出した。

今週の新興市場では、短期的にマザーズ指数が戻りを試す場面もありそうだ。7-9月期の決算発表がほぼ終わり、大きな値幅を狙う個人投資家の物色が再び中小型株に向かいやすくなる。ただ、マザーズ主力企業の決算は抜本的な見直しにつながるような内容だったとは言えず、発表後に株価急落した銘柄では需給悪化も懸念される。業績面、需給面で銘柄選別する動きが強まりそうだ。今月下旬には12月IPOのブックビルディング期間に入ってくるため、マザーズ銘柄物色は幕間つなぎ的なものにとどまる可能性もある。

直近ではUTグループ<2146>などに目標株価引き上げの動きが観測されている。好決算銘柄の買い直しに妙味があるだろう。また先週、マザーズ上昇率上位に顔を出したマーケットエンタやエンバイオ・HD<6092>、レアジョブ<6096>は年初来高値を更新。好需給や軽量感で物色を集めそうだ。

IPO関連では、11月21日にトゥエンティーフォーセブン<7074>がマザーズへ新規上場する。同社はパーソナルトレーニングジムなどを運営。およそ3週間ぶりのIPOで投資家の初値買い意欲が高まる可能性はあるが、公開規模がマザーズ上場案件としてはやや大きい。なお、先週はクラウドソーシング大手のランサーズ<4484>(12月16日、マザーズ)など10社の新規上場が発表され、現時点で12月のIPOは16社となっている。

《HK》

提供:フィスコ

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