【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 強勢銘柄とともに歩め!堅調高期待の師走相場
「強勢銘柄とともに歩め!堅調高期待の師走相場」
●貿易協議で対立する米中両国の経済に明暗
さて、今週から“12月相場=年末相場=師走相場”だ。どの言葉も投資家のマインドをかなり刺激してくれるので、「よしっ!」とここで気合を入れ直す人も多いのではなかろうか。
もちろん私もその一人で、昨年と違い今年はワクワク感さえ覚えるほどだ。まだ憶えておられる方も多いと思うが、昨年の年末相場は最悪だった。月初めから下落を開始、年末ギリギリまで下げ続け、忘年会もいつもの年より楽しめなかった。
今年はそんなことになってはならないが、可能性としては堅調高の確率が高い。改めて書くまでもなく、米中貿易協議が第一弾の部分合意にこぎ着けられそうだからだ。もちろん、協議が突然頓挫してしまうことは十分あり得る。しかし、市場はもうそれには馴れっ子で、たとえそうなったとしても「またか……」ぐらいの反応で終わると見てよい。
協議は中国がいくら抵抗しようが、トランプ米政権が納得しない限り合意は成立せず、それが遅れれば遅れるほど中国経済は失速を続けてしまうことが分かっている。
なにしろこの1年数ヵ月、米中貿易戦争で米国経済は失速するはずだったのに、そうはならないどころか、巡航速度で好調を維持しているのだ。それに対して、中国経済は失速を続けている。こんな状況に中国の習政権がいつまでも耐えられるはずもなく、我慢の限界が訪れつつあるとみるのが自然だ。
●中国の焦りを感じ取った株式市場
その証拠の一つが、米議会の「香港人権法」制定とトランプ大統領によるその承認に対する中国側の反応だ。「内政干渉は許せない、報復する」と強く反発をしたが、言葉が過激であるということは、実際は有効な反撃の手がないということであり、焦りを露呈する格好になった。
株式市場もそれを敏感に感じ取ったようで、本来なら日経平均株価は急落してもおかしくない状況なのに、高値をキープしたままだ。
それは、香港住民のほとんどが民主主義を支持することが明確になったことで、中国指導部が強権を行使できなくなり、米国への高慢な姿勢も維持できなくなった――これらを見切った反応と見てよく、今後も株高要因となり続けるため、引き続き強勢銘柄とともに歩みたい。
そこで、具体的には、まずはソニー <6758> だ。アップル向けだけでなく、世界のスマホメーカー向けにイメージセンサー需要が拡大を続けており、株価は高値に進んでいるものの、さらに評価が高まってもおかしくない。
年末になると気になるのが火災。何かと料理の機会が増えるし、あれこれ多忙で注意力も散漫になりがち。そこでホーチキ <6745> 、能美防災 <6744> だ。
もちろん、年末はショッピングが大いに盛り上がる。車好きはタイヤとドライブレコーダーだろう。そして、男女ともに購入が増えるのは食品。これら両方を扱っているのがG-7ホールディングス <7508> になり、株は期待が持てる。
アルフレッサ ホールディングス <2784> 、スズケン <9987> など医薬品卸大手4社が談合をしていた疑いで公正取引委員会の捜索を受けることになったことで、これらの株価下落に連動安してしまったウエルシアホールディングス <3141> は押し目を入れた格好。ここで拾っておきたい。
最後にヤマハ <7951> を。今年の紅白歌合戦では故・美空ひばりさんの新曲「あれから」(秋元康作詞・プロデュース)が披露される。それを制作したのが、ヤマハのAI担当部門。その技術力の高さが証明された新曲の出来映えであり、株にもプラスに働きそうだ。
2019年11月29日 記
株探ニュース