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2019年12月7日 8時00分
市況

【村瀬智一が斬る!深層マーケット】 ─米中追加関税に関心、年末にかけIPOラッシュへ

「米中追加関税に関心、年末にかけIPOラッシュへ」

●日経平均は2万3000~2万3600円処で保ち合い継続

日経平均株価は足元で2万3000~2万3600円処での保ち合いが継続。テクニカル面では25日線レベルが支持線として意識されているほか、米中通商協議の動向を見極めたいとの思惑から膠着感の強い展開が続いており、同協議に関連するニュースフローに振らされるものの、方向感の掴みづらい相場展開だった。

物色はインデックスに絡んだリバランス中心とみられ、今週については鉄鋼や非鉄金属などに出遅れ修正に伴うショートカバーの動きが見られたほか、医薬品株などややディフェンシブ指向の物色となっている。また、出来高が膨れづらい状況であるが、そのなかで既存店の落ち込みが嫌気されたファーストリテイリング <9983> が大きく調整する局面がみられた一方で、「ニンテンドースイッチ」の中国販売への期待感から任天堂 <7974> が買われるなど、個別の材料に敏感に反応する流れも目立った。

●15日発動の対中追加関税の行方、海外投資家はクリスマス休暇へ

来週は米雇用統計の結果を受けた市場の反応から始まることになろうが、基本的には米中通商協議を巡る動きが続こう。市場の関心は12月15日に米国が予定している中国製品への新たな関税の発動である。足元では、米大統領補佐官の発言として「中国との第一段階の合意は近い」といった報道も伝えられており、米国は15日予定の関税発動を遅らせる公算が大きいとの見方が大勢であろう。もっとも、数日前にはロス米商務長官が、15日までに合意できなければ「トランプ大統領は関税を引き上げると明確にしている」と牽制している。また、トランプ大統領の「米中合意は大統領選後でもよい」といった発言もある。基本は長期的な問題ではあるが、最低でも年内には第一段階の合意といった進展に期待したいところである。そのため、15日より前に動きがあればマーケットは材料視することになろうが、小康状態になるようだと、今週同様、来週も膠着感が強まりやすいだろう。

また、来週末13日には先物オプション特別清算指数算出(SQ)が控えている。日経平均の高値保ち合い継続やこのところの海外勢の買い越し基調を見る限りでは、SQでの大幅な売り越しは考えづらい。SQ週はSQに絡んだスプレッド取引が中心になりやすく、先物主導での仕掛け的なトレンドは出難いところである。かつSQ通過後は海外勢が本格的にクリスマス休暇入りとなることもあり、商いが膨らみづらい。

一方、国内では想定内とはいえ、政府が5日、財政支出13.2兆円の経済対策を閣議決定した。政府が経済対策を打ち出すのは16年8月以来3年強ぶりとなることもあり、大型の経済対策が株価を下支えよう。 国土強靱化から減災・防災関連や政策に絡んだ教育ICTマイナンバーIoT/5G、国家プロジェクトでもある リニアなどのテーマ株に関心が集まろう。

また、来週から年末にかけてはIPOが連日続くほか、ブシロード <7803> [東証M]、SKIYAKI <3995> [東証M]、神戸物産 <3038> 、サンバイオ <4592> [東証M]など、個人投資家に人気がある中小型株の決算発表も予定されている。そのため、個人主体の個別銘柄に短気資金が集中する流れが意識されよう。

●今週の活躍期待「注目5銘柄」

◆ギフト <9279> [東証M]

横浜家系ラーメン「町田商店」などを運営。足もとでは11月の既存店売上高が前年同月比0.3%増と発表。客数は2.3%減だったが、客単価が2.7%増と伸びた。店舗のQSCA(品質、サービス、清潔、雰囲気)を高める取り組みを継続したことが奏功した。10月には東証1部への市場変更申請準備を開始し、立会外分売を実施している。

◆SKIYAKI <3995> [東証M]

アーティストのファンクラブ運営、グッズやチケットの販売を展開。足もとの業績では20年1月期第2四半期累計(2-7月)の営業利益が前年同期比16.9%増の8800万円だった。進捗率は低めだが、同社のライブ制作事業は、比較的に下期に売り上げが増加する傾向。最近では、シンガポールに子会社を設立すると発表。海外拠点の設立により東南アジアでの業績拡大を期待。

◆アセンテック <3565>

仮想デスクトップを中核にITインフラ&ストレージ、プロフェッショナルサービスを展開。地方公共団体や国内クラウド事業者からのITインフラの受注が好調である。同社の事業領域は社会的な課題となっている、情報漏洩、盗難事故などの「情報セキュリティ問題」や災害発生時におけるデータ消失など「事業継続問題」、在宅勤務や人材雇用を促進する 「働き方改革」において成長が期待されている。

◆新明和工業 <7224>

ダンプ車などの特装車を手掛けており、ダンプトラックや塵芥車(じんかいしゃ) では国内トップシェア。国土強靱化計画においては、減災・防災に向けたダンプトラックの需要期待が高まる。また、リニア中央新幹線では国内に前例のない大規模トンネル工事となるため、大量の土砂を運搬するための需要も意識されよう。株価は昨年10月高値1586円に接近。

◆データホライゾン <3628> [東証M]

データヘルス関連の支援サービスを提供。保険者および福祉事務所へのデータヘルス関連サービスの販売活動を積極的に推進している。足もとの業績では20年6月期第1四半期(7-9月)の営業損益がトントンとなり、前年同期の1.9億円の営業赤字から改善している。生活保護法の改正により生活保護受給者への被保護者健康管理支援事業が2021年1月から必須事業として施行されるため、先行きの需要拡大が期待される。

2019年12月6日 記

株探ニュース

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