富田隆弥の【CHART CLUB】 「三角保ち合いからの放れに従う」

市況
2019年12月7日 10時00分

◆さて、12月第2週(12月9~15日)はマーケットにとって重要な週である。タイムスケジュールを見れば、(1)FOMCの結果発表(11日)、(2)英国ブレグジット総選挙(12日)、(3)ECB理事会(12日)、(4)メジャーSQ(13日)、(5)米国による対中追加関税発動の期限(15日)と重要イベントが目白押しだ。そのほか、(6)米雇用統計(6日)、(7)公務員ボーナス支給日(10日)なども日本市場には影響するだろう。

◆ただ、この中で最も注目されているのは(5)の追加関税(第4弾)で、15日の発動を前に米中協議の進展状況に投資家の関心が向かうだろう。そして、日経平均は三角保ち合いからの放れが注目となる。

日経平均株価(5日終値2万3300円)の日足チャートをみると、11月8日から2万3500円台に上値抵抗線が、下値は8月26日の安値(2万0173円)から下値支持線が引け、いま2万3300円近辺で三角保ち合いを煮詰めている。三角形が上向きなので「上放れ」の可能性は十分にあり、そうなれば2万4000円奪回からアベノミクス相場の最高値2万4448円を目指すことになる。

◆だが、逆に三角保ち合いから「下放れる」と26週移動平均線や9月まで上値抵抗線だったネックラインのある2万2000円を模索しよう。RCI(13週、26週)が高値圏で間もなくデッドクロスしかねず、日経平均の「下放れ」も否定できない。年末年始は一方向に振れやすいことから2万2000円で止まらず2万1000円模索の可能性も出てくる。

◆重要イベントの何かをキッカケに三角保ち合いを「放れる」可能性は高い。株式市場は米中通商交渉の「部分合意」や「第一段階の合意」を織り込むように10月から「世界同時株高」を強めたので、上放れた時の上値は大きくならない可能性もあるが、いずれにせよ、まずは「放れ足に従う」ことだ。

(12月5日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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