大谷正之氏【強気継続?「日経平均急騰の宴」とその後】(2) <相場観特集>

特集
2019年12月16日 19時45分

―2万4000円近辺の目先利益確定売りをどうこなす―

週明け16日の東京株式市場は、米中協議第1段階の合意を受けたものの、目先利益確定の動きが出て日経平均株価は上値の重い展開を強いられた。ただ、下値では押し目買いニーズが強く、前週末の600円高の後であることを考えると比較的強い地合いだったともいえる。2万4000円近辺での売りをこなし、安倍政権発足後の高値である昨年10月の高値を抜き去ることができるのか。年末年始相場の見通しについて第一線で活躍するマーケット関係者に話を聞いた。

●「年末高に向け2万4800円意識の展開も」

大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)

東京株式市場の上昇基調は強く、多少の押し目は入っても高値更新の流れは続くとみている。米中貿易交渉の前進をマーケットは好感しているほか、業績面でも来期は増益基調に戻ることが期待できる。米国への資金流入で、為替は1ドル=110円を意識する円安傾向が見込めそうだ。

新年の年間相場も景気回復などで堅調な値動きが続くと予想している。

こうしたなか、今後1ヵ月程度をみた場合、日経平均は年末に向けて2万4800円を目指す強含みの展開が見込めると思う。新年は1月下旬の第3四半期決算まで材料が乏しくなるなか、外部環境次第で上下しやすくなることも予想される。ただ、深押しはないとみており、日経平均は下げても2万3500円前後が下値のメドとなるだろう。

個別では、政府の経済対策に絡みメリットが見込める銘柄などに注目している。小中学校などの学校の教育現場でのICT(情報通信技術)の活用に絡む、内田洋行 <8057> やウチダエスコ <4699> [JQ]、チエル <3933> [JQ]など。建設関連では、大成建設 <1801> など大手ゼネコンのほかライト工業 <1926> 、技研製作所 <6289> など。

また、5G関連ではアンリツ <6754> や協和エクシオ <1951> など、自動運転関連ではソニー <6758> やローム <6963> などにも注目したい。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(おおたに・まさゆき)

1960年生まれ。立正大学文学部卒、83年丸和証券入社、営業を経て96年から現職。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト(CFTe)、AFP(日本FP協会認定)、(内閣府認証)NPO法人金融証券マーケットフォーラム理事。トレンドの芽をいち早くキャッチすべく、フィールド重視の調査を心がけている。

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