「教育ICT」新成長ステージへ、経済対策始動で要注目の6銘柄 <株探トップ特集>

特集
2019年12月17日 19時30分

―小中学生にパソコン配布で市場急成長、オンライン教育の拡大加速―

株式市場で「教育ICT(情報通信技術)」が高い関心を集め、関連株に急騰銘柄が相次いでいる。きっかけは、経済対策で小中学生にパソコンを配布し教育現場のIT化を進めることが打ち出されたことだ。これを契機に教育ICT関連の市場は一気に拡大することが予想されている。教育ICT関連には、比較的軽量級で値が軽い銘柄が少なくなく、調整を入れながらも息の長い相場が続くことが予想されている。

●教育現場のIT化推進、総事業費は5000億円規模

今月5日に閣議決定された総合経済対策は13兆円規模、民間の支出も加えた事業規模は26兆円となった。政府が経済対策を打ち出すのは2016年8月以来のこと。

成長分野への投資やインフラ整備、景気下振れリスクへの備えが3本の柱に打ち出されたが、そのなかで市場がインフラ投資などとともに注目したのが、教育関連への投資だ。この経済対策では「Society5.0を担う人材投資」が打ち出され、義務教育段階では「令和5年度(23年度)までに全学年の児童生徒がそれぞれ端末を持つ」ことが表明された。小中学校の生徒1人に対し1台のパソコンを使える環境を整えることが明らかになったことで、教育環境のIT化が進むことが明確化された。具体的には、23年度までの合計で総事業費5000億円程度が見込まれている。オンライン教育の拡大が図られるなど、教育ICTの推進が前面に打ち出されたことを、株式市場は前向きに受け止めた。

●内田洋行やチエルなど株価急騰銘柄が相次ぐ

この総合経済対策での教育ICT化が脚光を浴び、株式市場では教育関連株に急騰銘柄が続出した。その代表銘柄が内田洋行 <8057> だ。オフィス家具のほか教育・学校向け商品・サービスを手掛ける同社の株価は12月に入ってから8割強上昇した。小中学校向けタブレット端末や電子黒板を使った教育システムが伸び、先月29日に発表された第1四半期(7月21日~10月20日)決算が大幅増益となったことが好感された。同社グループのウチダエスコ <4699> [JQ]もパソコンネットワーク保守サービスへの思惑で急騰した。

教育ICT関連事業を主力としデジタル教科書などを手掛けるチエル <3933> [JQ]やすららネット <3998> [東証M]も値を上げている。テクノホライゾン・ホールディングス <6629> [JQ]やオンライン英会話のレアジョブ <6096> [東証M]も買われるなど、市場には値が飛びやすい教育関連株への物色機運が一段と高まっている。

以下、ここから一段の上昇が狙える教育ICT関連銘柄を紹介する。

◎日本サード・パーティ <2488> [JQ]~IT企業の保守点検業務などを手掛ける。Web試験配信プラットフォームは、資格試験や検定試験などに活用。教育関連のインフラにも。

◎ダイワボウホールディングス <3107> ~Windows7のサポート終了に伴う更新需要で第2四半期業績は好調。今3月期業績には増額修正予想。小中学校の生徒へのパソコン導入が追い風となる。

◎EduLab <4427> [東証M]~次世代教育向けeラーニングやテストの運営・受託事業を展開。子会社の教育測定研究所は、20年4月から始まる「英検S-CBT」のテストセンター事業の運営を開始。

◎ジャストシステム <4686> ~小中学生向けクラウド型通信教育「スマイルゼミ」が好調。20年度から小学校で必修となる英語やプログラミング講座も提供。今3月期の業績は最高益更新の見込み。

◎バーチャレクス・ホールディングス <6193> [東証M]~グループ会社でAI関連事業を展開するタイムインターメディアが文教・教育ソリューションにも展開。教務学務システムやeラーニングなども手掛けている。

◎ワコム <6727> ~ペン入力 タブレットの世界トップメーカー。タブレットの普及でデジタルペンの需要が拡大。学校での電子端末の利用による教育関連の需要開拓に期待が高まっている。

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