田部井美彦氏【2万4000円攻防、年末年始相場の急所を読む】(1) <相場観特集>

特集
2019年12月23日 18時30分

― 一筋縄でいかないバブル後高値更新、気になる上値の重さ―

週明け23日の東京市場は日経平均株価が小反発したものの上値の重さは拭えなくなっている。米国株高でリスク選好ムードは続いている一方、目先高値警戒感からの利益確定売りの動きも観測されるなか、2万4000円近辺は強弱感が対立している。米国株主導で年末年始相場はどういった値運びをみせるのか。長きにわたり株式マーケットに身を置くベテラン市場関係者に当面の株価見通しとポイントについて意見を聞いた。

●「当面は個別材料株が中心」「キャッシュレス関連株など注目」

田部井美彦氏(内藤証券 投資情報本部 投資調査部長)

年末および年始にかけては目立った材料には欠ける状態で、日経平均は2万4000円前後での値動きが続く可能性がある。ただ、年末年始は横ばいが続いても1月中旬以降は再び上昇基調を強め18年10月高値も視野に入れる展開は期待できると思う。今後1ヵ月程度の日経平均の予想レンジは2万3500~2万4300円前後を見込んでいる。

当面の最も大きな注目材料は、来年1月下旬から本格化する第3四半期(19年4-12月)決算だ。その内容が底堅ければ、全体相場も再度、上昇基調を強めるだろう。

こうしたなか、当面は個別株物色が中心の展開が予想される。年末年始は、消費が活発となる時期であり「キャッシュレス決済 」が注目されそうだ。GMOペイメントゲートウェイ <3769> は、今後、キャッシュレス決済の普及の効果が業績面にも出てくることが期待できる。大手銀行などが店舗を削減していることも、キャッシュレス決済では追い風となる。同じくキャッシュレス関連ではスマレジ <4431> [東証M]にも注目している。同社は大阪を地盤に中小企業を中心にクラウド型POSレジ「スマレジ」を開発・販売している。

更に、新年1月にはウィンドウズ7のサポート期間が終了する。これに絡みソフトウェア関連株が注目されそうだ。デジタルハーツホールディングス <3676> はゲーム関連のバグチェックに加え、業務ソフトのバグ処理への展開で業績拡大が期待できる。同社はホワイトハッカーの育成にも関係している。

また、政府は来年1月に「カジノ管理委員会」を設置する。これに伴い、カジノ を含む統合型リゾート(IR)関連のコナミホールディングス <9766> やセガサミーホールディングス <6460> などが脚光を浴びる可能性もある。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(たべい・よしひこ)

内藤証券シニアアナリスト。株式市況全般、経済マクロの調査・分析だけでなく、自動車、商社、アミューズメント、機械などの業種を担当するリサーチアナリストとして活動。年間200社程度の企業への訪問、電話取材、事業説明会への参加などを通して「足で稼ぐ調査・情報の収集」に軸足を置いている。

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