来週の株式相場戦略=2万4000円台乗せに再挑戦、「グレートローテーション」の上昇に期待
来週の東京株式市場は再び2万4000円台乗せに挑戦する局面となりそうだ。日経平均株価の想定レンジは2万3500~2万4100円。
今晩発表の米12月雇用統計に左右される側面はあるものの、イラン情勢の懸念が後退したほか、米中問題も昨年末にひとつのピークを越えている。リスク警戒の売りが細るなか、NYダウはいち早く最高値を更新している。米国に追随する格好で、日経平均株価も昨年12月高値(2万4066円)の更新から一段の上昇が期待される。
この1年を通じた「グレートローテーション(債券から株式への資金シフト)」に向けた期待がニューヨーク市場を含めた世界的な株高の背景にある。特に、中国景気の景気底打ち観測も台頭するなか、株式市場では安川電機<6506>やファナック<6954>のような設備投資関連株を見直す動きが強まっている。
来週のイベントでの注目ポイントは2つ。まず、第1には半導体関連株の今後のトレンドを決めるとみられる台湾TSMCの決算発表が16日に予定されている。同社の設備投資計画は、SCREENホールディングス<7735>や東京エレクトロン<8035>など日本の半導体関連銘柄の動向を左右することになる。ちなみに、オランダのASMLホールディングの決算発表は22日に予定されている。
第2には、17日に中国10~12月期国内総生産(GDP)が発表される。市場では7~9月期と同水準の前年同期比6.0%成長が予想されているが、GDPの内容に予想を上回る落ち込みを示すものを含んでいないかどうかが注目されそうだ。
また、来週からは米国企業の決算が始まる。14日のシティグループ、JPモルガン・チェースに続き15日にはゴールドマン・サックスが決算を予定している。16日には米12月小売売上高が発表となる。15日には米国と中国が貿易協議の「第1段階」合意文書に署名する。
国内は13日が「成人の日」で休場。14日に12月景気ウォッチャー調査、16日に11月機械受注が発表される。(岡里英幸)