利益成長【青天井】銘柄リスト〔9-11月期〕13社選出 <成長株特集>

特集
2020年1月16日 19時40分

2月期決算企業を中心とする19年9-11月期(3ヵ月決算)の決算発表がほぼ出そろった。本特集では、9-11月期に過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益成長“青天井”状況になっている銘柄にスポットライトを当てた(1月16日現在)。

下表では、時価総額50億円以上の銘柄の中から、本決算月にかかわらず、19年9-11月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益を上回る見通しを示している13社を選び出し、9-11月期経常利益の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。

上振れ率トップとなったエーアイテイ <9381> は日本と中国間の海上貨物輸送を主力とする国際物流企業。9-11月期(第3四半期)の経常利益は8.7億円と過去最高を40.2%上回り、16四半期ぶりに最高益を塗り替えた。昨年3月に完全子会社化した日新運輸の業績上積みが収益を押し上げたほか、仕入れ価格上昇分の販売価格への転嫁が進んだことも寄与した。第3四半期累計(3-11月)経常利益の通期計画に対する進捗率は92.8%に達しており、業績上方修正が期待される。

2位に入ったベクトル <6058> の9-11月期(第3四半期)はタクシー車内に設置するタブレットを活用したIoTサイネージサービスで広告出稿が好調だったほか、不採算拠点の閉鎖など販管費の削減を進めたHR事業が黒字化を達成した。さらに、投資有価証券売却益が増加したことも利益拡大を後押しし、売上高、経常利益ともに四半期ベースの過去最高を更新した。

4位のUSEN-NEXT HOLDINGS <9418> の9-11月期(第1四半期)は主力の店舗サービス事業で消費税率改定を背景にタブレットPOSレジや決済サービスの引き合いが強かったうえ、音楽配信チューナーの償却期間の見直しを実施したことも利益を押し上げた。また、ホテル向けを中心とする業務用システムの好調継続に加え、コンテンツ配信事業で課金会員が増加したことも収益拡大に貢献した。好決算を受けて株価は約4年5ヵ月ぶりの高値圏に急浮上している。

6位のパイプドHD <3919> は業務効率化ニーズの高まりを追い風に、主力のデータ管理プラットフォーム「スパイラル」のアカウント数が増加したうえ、ネット広告の営業強化と広告管理業務の内製化で広告事業の収益も大きく伸び、9-11月期(第3四半期)は2四半期連続で経常利益の過去最高益を更新した。

8位のトランザクション <7818> の9-11月期(第1四半期)は7月から小売店でレジ袋有料化が義務付けられることを背景に、エコバッグの販売が大きく伸びた。続く9位のディップ <2379> の9-11月期(第3四半期)は旺盛な求人需要を追い風に求人サイト「バイトル」の広告出稿が増勢だったうえ、広告宣伝の効率化も寄与し、経常利益は前年同期比9.9%増の39.5億円に増加した。トランザク、ディップともに株価は昨年来高値を更新中だ。

10位にリストアップされたダイト <4577> の9-11月期(第2四半期)は血圧降下剤や消炎鎮痛剤などのジェネリック医薬品(後発薬)向け原薬の販売が好調だったほか、自社開発のジェネリック医薬品も伸び、2四半期連続で最高益を達成した。

11位のテラスカイ <3915> はクラウドシステムの導入支援や受託開発を展開するソリューション事業で大型案件が増加したうえ、製品事業では自社製品の販売が伸び、9-11月期(第3四半期)は4四半期連続の最高益更新を果たした。第3四半期累計(3-11月)経常利益は5.9億円と昨年10月に上方修正した通期計画5.4億円を超過しており、さらなる上振れが濃厚視される。株価は約3年8ヵ月ぶりに3000円大台を回復している。

  ┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想

コード 銘柄名    上振れ率 9-11月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高  PER

<9381> エーアイテイ   40.2   872   622   15.1   1960   1703 19.6

<6058> ベクトル     32.2   1616   1222   11.3   3360   3020  -

<3267> フィルC     29.1   581   450    9.7   1180   1076 30.6

<9418> USENHD   14.6   2771   2418   14.9   7700   6702 33.8

<9793> ダイセキ     12.8   3172   2812   18.5  10900   9199 18.6

<3919> パイプドHD   10.7   372   336   37.7   1190   864 23.6

<9903> カンセキ     10.5   485   439    5.1   1250   1189 18.0

<7818> トランザク    9.2   666   610   10.2   2283   2072 23.3

<2379> ディップ     8.3   3951   3649    9.3  13750  12577 20.6

<4577> ダイト      6.5   1483   1392    2.3   4750   4641 13.5

<3915> テラスカイ    4.6   206   197   79.7   548   305 54.0

<9275> ナルミヤ     3.7   698   673    9.4   1646   1505 13.6

<3030> ハブ       2.3   269   263   18.1   940   796 19.4

※ 2018年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業、最終赤字を見込む企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.