ゼロから始める「株探」の歩き方 ― (12)株価急騰・急落の材料はこうして調べる

特集
2020年1月17日 11時40分


「株価に影響したニュースを調べるポイントと流れ」

横山利香(ファイナンシャルプランナー、テクニカルアナリスト)

◆ニュースを効率的に活用するために

まずは、全種類のニュースの確認が行える「全件」をみていきましょう。表示されているニュースには、日時の右側に、「市況」「材料」「決算」「開示情報」「注目」「テク」「5%」など、ニュースの種別を素早く確認できるように色分けされたマークが付けられています。

個別銘柄のページで表示されている主なマークについて簡単に説明すると、マーケットに関連するニュースであることを示す「市況」、銘柄に関連するニュースの「材料」、決算発表・業績修正の内容をまとめた「決算」、企業がリリースした重要なニュースを伝える「開示情報」、テクニカル分析のコンテンツを示す「テク」、株を大量保有している投資家に関連するニュースをまとめた「5%」、イチオシ決算などの注目記事を表す「注目」、株探トップ特集などの特集記事を示す「特集」などがあります。

図4 個別銘柄のニュースページ(色とりどりの種別マークに注目)

個別銘柄のニュースページ(色とりどりの種別マークに注目)

株探では、表示されているマークとその左側に記載されている日時から、読みたいニュースを素早く探し出すことができます。

さすがに全件では表示されるニュースの数が多いですから、重要なニュースを見落としてしまう可能性があるかもしれません。見落としを防ぐためにも、「全件」の右側にある「材料ニュース」「決算速報」「開示情報」のなかから関連性が高そうなボタンを選んでニュースを表示させるようにしましょう。

たとえば、ファーストリテイリングの例で考えてみましょう。この場合には、決算発表が行われてからそれほど時間が経っていないことがわかりますから、まずは「決算速報」のボタンをクリックして決算内容を確認しましょう。過去の決算速報の記事の見出しが一覧で表示されますので、まずは直近「01/09」の「決算」記事の内容を確認します。その後は一つ一つ過去に遡って確認していきましょう。

決算速報を確認した後に、企業が発表した内容そのものについてもしっかり確認しておきたいので、「開示情報」のボタンをクリックして1月9日に発表された「2020年8月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」をチェックします。

そして次に、他にどのようなニュースがあるのかを調べるために、「材料ニュース」というように確認していきましょう。特に「決算」でニュースが出た場合、それに追随して出される調査機関のレーティングを報じる記事など「材料ニュース」が増える傾向にあります。見落としがないように注意しましょう。

例として挙げたファーストリテイリングで一連の流れをまとめると、同社は1月9日に決算を発表しました。株探では即座に開示情報(灰色マーク)で決算短信を公開するとともに、ほぼ同時に「ファストリ、今期税引き前を一転3%減益に下方修正」と決算速報(赤色マーク)を配信しています。翌10日には寄り付き後まもなく「ファストリが反落、防寒衣料苦戦し20年8月期業績予想を下方修正」と材料ニュース(オレンジマーク)が続いて配信されています。事実、10日の同社の株価は前日比2.8%安と反落して取引を終えました。このように決算発表当日とその翌日のニュースを追うことで、株価の変動要因を絞っていくことができます。

図5 多機能チャートで株価急変の日を特定

多機能チャートで株価急変の日を特定

一方、このファーストリテイリングと違って決算発表が行われるまでに時間がある銘柄の場合には、まずは「材料ニュース」から確認していきます。そして、その後に「決算速報」と「開示情報」を確認すればよいでしょう。決算発表までに時間のある銘柄の場合、株価が動く要因としては、調査機関のレーティングを報じる記事や、メディアで、テーマやテクニカル分析などから株価動向について解説した推奨記事が掲載されている場合などが考えられます。思惑などで株価が上昇するような場合には長く株価上昇が続くとは限りませんから、参考程度にとどめればよいでしょう。

なお、銘柄によってはかなりの数のニュースが表示されます。どのニュースが要因として考えられるのか適当に探しても時間のムダです。株価が動いた日を確認してから、その前後の日時あたりに的を絞り、ピンポイントで探すようにしましょう。

株価が大きく動いた日を確認する方法としては、銘柄欄の下にある「チャート」タブから多機能チャートを使って調べることができます。多機能チャートの上にマウスのポインターを持っていくと、ポインターの形が「十字」に変わります。チャート画面の上に「日付」「始値」「高値」「安値」「終値」が記載されていますが、この数字は、前述した十字の上下垂直線上にあるローソク足の日付や株価を表示したものです。つまり、十字が動くとローソク足に合わせて日付や株価も変わります。ですから、チャート上で株価が大きく変動した日、たとえば大陽線や大陰線を描いているローソク足を見つけたら、マウスを動かして「十字」のポインターを合わせることで、日付を簡単に特定することができます。

そして、日付を確認したら、次に「ニュース」タブをクリックしてニュースページに移ります。ニュースには日時が記載されています。株価が動いた日とその前後の日付の範囲内に絞って、株価に影響を及ぼしているニュースはあるのか、どのニュースに株価が反応したのかを効率的に確認するようにしていけばいいでしょう。

次回以降は、市場ニュースをどう読み解くのかを解説していく予定です。

>> 13回目に続く

 

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