【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 過熱感なき上昇、崩落遠ざける“トランプ相場”の構造
「過熱感なき上昇、崩落遠ざける“トランプ相場”の構造」
●交互に出現する好悪材料が適温を演出
米国市場が好調そのものの動きだ。16日も NYダウ、NASDAQ、S&P500の3大指標が揃って上昇どころか、史上最高値を更新した。米中が貿易協議で第一段階の合意に達したとはいえ、中東の地政学的リスクが消滅したわけではないし、中国経済も減速が鮮明になっている。そんな中での米国市場の上昇は、どう考えてもおかしい。不自然だ。
このように考える方も多いのではないだろうか。そんな方の中には、「先生、暴落が怖いですよね」とおっしゃる方も。確かに暴落があると困るが、その可能性は低いと見てよい。現在の株高は、ポディティブ材料とネガティブ材料が交互に出現することで、市場が過熱しにくくなっているからだ。
株式市場の崩壊は、金融が緩んでいる状態でポディティブ材料がオンパレードとなり、資金が株式市場に一斉に流れ込むことから始まる。ところがいまは、米中の貿易対立によりスケールの大きなネガティブ材料が折に触れてクローズアップされるため、投資に積極的にはなりにくい。
そしてしばらくすると、ネガティブ材料が薄らぎポディティブ材料が出現して投資する気になるものの、それは結局は長続きせず、またネガティブ材料が出現する。こんなことが繰り返されるとどうなるか。過熱する間がなく、その結果として大暴落は起きにくい、となる。
このような現在の市場構造は、トランプ米政権が誕生して以来のことだ。同政権が意識してこんな構造を作り出していることなど考えられないが、少なくともトランプ政権が続く限りは継続すると見てよく、この点大いに期待が持てる。
●値動き緩やかな好調銘柄に注目
特に有り難いのは、ネガティブ材料がクローズアップされて株価が下げたら、それはほとんどの場合押し目となっており、買っておくのが良策となる。非常に分かりやすく、利益も当然増やしやすくなる。
ただ、いまは適度な押しを入れている銘柄は少ない。そこで注目するのは値動きが緩やかで、市場環境が急変した場合でも急落の確率が低そうな銘柄がよい。
具体的には、まずは「食べログ」の利用者増が続くカカクコム <2371> だ。求人情報ポータルサイト「インディード」を運営するリクルートホールディングス <6098> も、株価はなかなか崩れそうにない。
コンタクトレンズ使用者を定額会員化、つまりサブスクリプションで成功しているメニコン <7780> も株価は高値圏ながら、なお投資魅力ありと見る。
マザーズ市場やジャスダック市場にも目を転じると、ブリッジインターナショナル <7039> [東証M]がある。訪問販売が難しくなっているため、電話やメールでの営業支援に強いことから受注を伸ばし続けている。
政府がサイバー攻撃に強いドローンの開発を支援すると報じられて株価が急騰したものの、いまは反落してしまった自律制御システム研究所 <6232> [東証M]も魅力的だ。適度な押しが入った形になっているからだ。
最後にスマレジ <4431> [東証M]を。スマホを使ったPOSレジアプリのクラウドサービスに強い会社だ。中小事業者を中心に利用者増が続いているため、株価の反発は近そうだ。
2020年1月17日 記
株探ニュース