話題株ピックアップ【夕刊】(2):東芝、ダイセル、商船三井

注目
2020年1月20日 15時18分

■ダイセル <4202>  1,065円  +9 円 (+0.9%)  本日終値

ダイセル<4202>が3日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が17日付で投資判断「ニュートラル」を継続し、目標株価を870円から1120円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券によると、化学セクター52社の平均PERが上昇したことにより、同社の目標株価も引き上げるという。また、セルロース事業と有機合成事業におけるコスト削減約50億円を21年3月期以降に新たに織り込んだことで、20年3月期営業利益予想を392億円から335億円へ下方修正した一方、21年3月期を同405億円から409億円へ、22年3月期を同428億円から457億円へ上方修正している。

■SOU <9270>  2,363円  +17 円 (+0.7%)  本日終値

SOU<9270>が3日ぶりに反発。17日の取引終了後、フランス、シンガポール、中国に現地法人を設立すると発表しており、海外事業の強化を期待した買いが入った。フランス及びシンガポールでは、それぞれヨーロッパと東南アジアのハブとしての役割を持たせるほか、中国ではECを中心とした商品販売のサポートを行う。いずれの拠点も今春の事業開始を目指して準備を開始したとしている。

■商船三井 <9104>  2,964円  +17 円 (+0.6%)  本日終値

商船三井<9104>が25日移動平均線を上回ったほか、日本郵船<9101>、川崎汽船<9107>なども買い優勢となるなど、海運株に総じて買いが流入。米国とイランの間で緊張感が高まり、ひところ急浮上したホルムズ海峡などにおける地政学リスクも、その後は両国が対立の姿勢を緩めたことで警戒感が後退している。つれて一時は急騰した原油価格についても下落基調を強め、現在は1バレル=58ドル近辺と昨年12月初旬以来の水準まで低下している。燃料コストの低減に対する思惑も海運セクターの株価にポジティブに作用し、買い戻しを誘発した。

■東宝 <9602>  4,315円  +15 円 (+0.4%)  本日終値

東宝<9602>がしっかり。17日の取引終了後、CGアニメーションの制作及びオンラインゲーム開発を行うTIA(東京都新宿区)に出資したと発表しており、これが好材料視された。TIA所属の有望なアニメーターや演出家、脚本家などに対して、東宝プロデューサーとの共同企画開発や、東宝製作作品への参加などの機会を継続的に提供し、クリエイターの育成を図るのが目的。出資比率は発行済み株数の34.8%。なお、業績への影響は軽微としている。

■ゼリア新薬工業 <4559>  2,076円  +7 円 (+0.3%)  本日終値

ゼリア新薬工業<4559>がしっかり。前週末17日の取引終了後、日水製薬<4550>と日水薬子会社の日水製薬医薬品販売の全株式を譲り受ける株式譲渡契約を締結したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回の株式取得は、ゼリア新薬の主力製品である「ヘパリーゼ」の成長に欠かせない主原料の肝臓加水分解物の安定調達と、コンシューマーヘルスケア事業の拡大が目的で、4月1日付で株式を取得し、取得価額は33億円。なお、同件による20年3月期業績への影響はないとしている。

■東芝 <6502>  3,815円  -140 円 (-3.5%)  本日終値

東芝<6502>が大幅反落。18日、子会社の東芝ITサービスで、実在性に疑義のある取引が複数年にわたり行われていた可能性があることが発覚したと発表しており、これを嫌気した売りが出た。会社側によると、20年3月期上期における対象となる売上高は約200億円規模をみられ、第3四半期決算で取り消す見込みとしているが、事実関係及び業績への影響などは引き続き調査中としている。

■RSテクノ <3445>  3,425円  -30 円 (-0.9%)  本日終値

RS Technologies<3445>は5日続落。前週末17日の取引終了後に、集計中の19年12月期連結業績予想について、売上高を286億8800万円から245億円(前の期比3.8%減)へ、営業利益を59億7100万円から46億円(同20.0%減)へ、純利益を36億2100万円から30億円(同17.1%減)へそれぞれ減額修正しており、これを嫌気した売りが出た。中国のプライムシリコンウェハー市況の悪化によるプライムシリコンウェハー製造販売事業の不振が主因。また、半導体市場の生産設備投資の減退を受けた消耗部材市況の悪化による、半導体関連装置・部材の計画未達なども利益押し下げに影響した。

■JMACS <5817>  658円  +100 円 (+17.9%) ストップ高   本日終値

JMACS<5817>がストップ高。18日朝のNHKニュースで、「去年の台風15号で送電用の鉄塔が倒壊したことを受けて、全国で24万に上る鉄塔がすべて点検されることになった」と報じられており、同社や昭和電線ホールディングス<5805>などに思惑的な買いが入ったようだ。報道によると、経済産業省が全国の電力会社に全ての鉄塔を点検するよう指示する方針を固めたとしており、立地の状況や保守についての記録を点検したうえで、必要があれば鉄塔の補強計画をつくり、3月ごろまでに報告を求めるという。報道を受けて、巴コーポレーション<1921>なども高い。

■マナック <4364>  998円  +150 円 (+17.7%) ストップ高   本日終値

マナック<4364>が大幅高で5連騰。2009年に新型として流行したH1N1型のインフルエンザ流行の兆しが改めて警戒されており、厚生労働省はこれから流行が本格化する可能性が高いとして警戒を呼び掛けている。そのなか、有機薬品を主力に手掛ける同社はエーザイ<4523>が販売する「イータック抗菌化スプレー」の主成分を開発・供給していることから、関連有力株として投資資金が攻勢をかけている。PBRは依然として0.8倍弱と割安感がある。

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