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2020年1月22日 19時30分
特集

トヨタ本格参入で脚光、移動革命のラストステージ「空飛ぶクルマ」関連株 <株探トップ特集>

―20年後に150兆円の市場が待つ、夢のマーケット創出で色めき立つ株式市場―

トヨタ自動車 <7203> はこのほど、「空飛ぶクルマ 」の開発・実用化を進める米ベンチャーのジョビー・アビエーションと提携。3億9400万ドル(約430億円)を出資した。海外では空の移動革命の実現に向けて航空機メーカーや自動車メーカーなどが商用サービスを視野に入れた取り組みを加速させており、一部では2040年に全世界の市場規模が150兆円に達するとの試算もある。日本でも大手企業が本格的に乗り出してきたことで、株式市場では関連銘柄を探る動きが活発化しそうだ。

●「CASE」との相乗効果も

トヨタが出資したジョビーは09年に設立された企業で、垂直に離着陸できるヘリコプターやドローンなどの特徴を併せ持つ電動の機体「eVTOL(イーブイトール)」の開発を進めている。eVTOLは短距離・多頻度運航用として設計されていることから、都市圏での通勤や出張などでの利用が見込まれる空飛ぶタクシーのニーズに適し、渋滞の緩和や環境負荷の低減など、さまざまな交通課題の解決につながるひとつの手段として期待されている。

トヨタは設計、素材、電動化の技術開発に関わるとともに、生産工程のムダを排除するトヨタ生産方式のノウハウを共有することで、高い品質とコスト低減を両立した機体を実現したい考え。eVTOLの開発・製造は「CASE(コネクティッド自動運転シェアリング 電動化)」と呼ばれる自動車の次世代技術との共通点が多く、同社では自動車事業との相乗効果が生かせるとみている。また、スパークス・グループ <8739> が運営する、電動化や新素材を投資対象とした「未来創生2号ファンド」もジョビーに対する投資(金額は非開示)を実行した。

●業種を超えた連携広がる

海外では独高級車ダイムラーが出資する独ボロコプターが17年に空飛ぶクルマの自律飛行を成功させているほか、19年には米航空機大手のボーイングと独自動車大手のポルシェが都市型エアモビリティの市場開発と都市型交通の空域拡大の分野で提携。直近では今年1月初旬に米ライドシェア大手のウーバーテクノロジーズと韓国の現代自動車が空飛ぶタクシーの開発で提携するなど、20年代前半の事業化に向けた動きが本格化している。

空のモビリティ事業を巡る国際競争が激しさを増すなか、日本では18年から経済産業省と国土交通省が合同で「空の移動革命に向けた官民協議会」を開催し、このなかで事業スタートの目標を23年とするロードマップが示されている。

●先頭を走るSkyDrive

国内で先頭を走っているとされるのがSkyDrive(東京都新宿区)で、昨年12月から日本初となる「空飛ぶクルマ」の有人飛行試験を開始した。同社は航空機・ ドローン・自動車のエンジニアが集う有志団体CARTIVATORのメンバーを中心に発足したスタートアップ企業で、CARTIVATORのスポンサーにはトヨタをはじめ、ヴィッツ <4440> [東証M]、愛知製鋼 <5482> 、UACJ <5741> 、日本精工 <6471> 、JVCケンウッド <6632> 、パナソニック <6752> 、新電元工業 <6844> 、双葉電子工業 <6986> 、ローム <6963> 、バンダイナムコホールディングス <7832> 、大日本印刷 <7912> 、都築電気 <8157> [東証2]などが名を連ねている。

また、昨年秋に開催された東京モーターショーに1人乗りの対話型救助用パッセンジャードローン「SUKUU(スクー)」を出展したプロドローン(名古屋市)に出資しているショーボンドホールディングス <1414> やアイサンテクノロジー <4667> [JQ]、ホバーバイクなどエアモビリティの研究開発を手掛けるA.L.I. Technologies(東京都港区)に出資している日本アジアグループ <3751> や京セラ <6971> などにも注目だ。

●NECとヤマトHDは浮遊成功

このほかでは、NEC <6701> が空飛ぶクルマの移動環境に必要となる交通整理や機体間・地上との通信などを支える管理基盤の構築を進めている。その足掛かりとして機体管理の機能や飛行特性を把握するための試作機を開発し、19年8月には浮上実験に成功したことを明らかにした。同社は18年にスポンサー契約を結んだCARTIVATORとの連携を強化していく構えで、今後の動向から目が離せない。

ヤマトホールディングス <9064> も19年8月に、エアモビリティ分野にいち早く参入している米ヘリコプター製造大手のベル・ヘリコプターと貨物eVTOLの試験飛行に成功。両社は18年10月に提携して以降、ベルが自律運航型ポッド(外装式輸送容器)輸送機を、ヤマトHDが荷物空輸ポッドの開発を行っており、20年代前半のサービス開始を見据えている。

SUBARU <7270> は18年7月に設立したプライベートファンドを通じて、小型の電気飛行機を開発する米バイ・エアロスペースに出資。「空飛ぶクルマ」をはじめとした次世代航空機のノウハウを得る狙いがあるようだ。

これ以外では、SOMPOホールディングス <8630> 傘下の損害保険ジャパン日本興亜が19年6月、大阪府や大阪市、大阪商工会議所などで構成される「実証事業推進チーム大阪」が取り組む「空飛ぶクルマ」をはじめとする先端事業の実証事業に参画。東京海上ホールディングス <8766> 傘下の東京海上日動火災保険は19年3月から、「空飛ぶクルマ」の試験飛行や実証実験を目指す企業向けに保険を提供している。

●イメージワン、ゼンリンなどにも注目

空飛ぶクルマ 」の実現には機体の軽量化、自動運転、電動化などの技術がカギを握ることから関連需要も期待できそうだ。

軽くて強度に優れる 炭素繊維を手掛ける帝人 <3401> や東レ <3402> 、樹脂を炭素繊維で強化した炭素繊維強化プラスチック関連の阿波製紙 <3896> や北川精機 <6327> [JQ]、高い強度と弾性率を持つ炭化ケイ素連続繊維を展開する日本カーボン <5302> 、チタン大手の大阪チタニウムテクノロジーズ <5726> と東邦チタニウム <5727> などに商機がありそう。

小型無人航空機(UAV)などの画像データを扱うイメージ ワン <2667> [JQ]、リチウムイオン電池を販売するジーエス・ユアサ コーポレーション <6674> 、航空機用蓄電池を提供している古河電池 <6937> 、地図データに強みを持つゼンリン <9474> なども要マークだ。

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