話題株ピックアップ【夕刊】(1):三井不、サイボウズ、出前館

注目
2020年1月27日 15時19分

■日本精化 <4362>  1,425円  +174 円 (+13.9%)  本日終値  東証1部 上昇率3位

日本精化<4362>が後場一段高となり、昨年来高値を更新した。新型コロナウイルスによる肺炎を巡って各メディアが「安倍首相は28日の閣議で“指定感染症”に指定する方針を明らかにした」と伝えるなか、同社グループ会社のアルボースが手掛ける手指消毒剤「アルボナース」への関心が高まっているもよう。同製品は水洗い不要の速乾性消毒剤で、広範囲の微生物に対して短時間で効力を発揮するとされていることから、需要の増加への思惑買いが流入しているようだ。

■HIOKI <6866>  3,955円  +210 円 (+5.6%)  本日終値

HIOKI<6866>が大幅続伸。同社は24日取引終了後に、20年12月期通期の連結業績予想を公表。営業利益見通しを33億4000万円(前期比17.0%増)としていることが買い手掛かりとなったようだ。売上高は238億円(同4.3%増)を見込む。電気自動車のインバーターやバッテリーの評価に必要な大電流を高確度で測定するセンサーや、車載通信CAN信号を通信線の被覆上から検出できる金属非接触型センサーなど、前期に投入した新製品の売り上げなどが寄与するとみている。

■出前館 <2484>  1,048円  +52 円 (+5.2%)  本日終値

出前館<2484>が5日続伸。中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の影響で、人が集まるレンストランなどを避けて自宅で食事をする人が増え、食事宅配のオーダー数が拡大するとの思惑から買われたようだ。

■栄研化学 <4549>  2,327円  +85 円 (+3.8%)  本日終値

栄研化学<4549>が3日ぶりに反発。前週末24日の取引終了後、フランス当局から同国の大腸がん国家スクリーニング検査に、同社の便潜血測定装置(OCセンサー)を継続採用するとの発表があったとしており、これを好材料視した買いが入った。フランスにおける大腸がんの国家スクリーニング検査は、15年3月から同社コマーシャルラボで実施され、同社製品が使用されていた。今回の継続採用により、新たに5年間の大腸がん国家スクリーニングプログラムとして、20年5月から開始されることになったという。なお、同件による20年3月期業績への影響は軽微としている。

■カゴメ <2811>  2,688円  +87 円 (+3.3%)  本日終値

カゴメ<2811>が3日ぶりに反発。前週末24日の取引終了後、集計中の19年12月期連結業績について、営業利益が136億円から140億円(前の期比14.5%増)へ、最終利益95億円から101億円(同12.2%増)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。 夏場の天候不順により一時的に飲料の需要が落ち込んだ影響などで、売上高は1890億円から1808億円(同2.1%減)へ下振れた模様だが、物流子会社のカゴメ物流サービスを新物流会社F-LINEに統合した際に事業譲渡益を計上したことが利益を押し上げたという。同時に、上限を48万株(発行済み株数の0.54%)、または15億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視されている。取得期間は2月5日から3月24日までで、株主還元の更なる充実と資本効率の向上が目的としている。

■サイボウズ <4776>  1,890円  +52 円 (+2.8%)  本日終値

サイボウズ<4776>は全体地合い悪のなか、根強い買いが流入し一時1900円台を回復、昨年来高値を更新した。時価は約14年ぶりの高値圏で戻り売り圧力から解放された実質青空圏を走る展開となった。グループウェアのソフト開発を手掛け、クラウドサービスを軸に業容を広げている。DX(デジタルトランスフォーメーション)では、大手に比べ遅れている中小企業のIT投資意欲などを取り込むことに成功、足もとの業績は会社側計画を上回る好調で推移しており、19年12月期業績予想については既に3回の上方修正を行っている。19年12月期は前期比50%増の16億5200万円を見込む。当初計画は8億3200万円だった。

■三井不動産 <8801>  2,858.5円  +77 円 (+2.8%)  本日終値

全体相場が大型株中心に全面安商状となるなかで、三井不動産<8801>、三菱地所<8802>など不動産株に強い銘柄が目立つ。東証1部33業種中、32業種が安いが「不動産」だけがプラス圏を維持した。新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大が観測されているが、これを受けて主力輸出株や内需でも消費やレジャーなどインバウンド関連が幅広く売られた。そのなか、不動産株は肺炎関連のデメリットを直接的に受けにくく、目先資金シフトの対象となっている。新型肺炎の世界経済への影響も一部で取り沙汰されるなか、来週予定のFOMCでFRBによる国庫短期証券の買い入れなど緩和的政策スタンスを後押しする可能性があり、世界的な金融緩和環境が続くとの思惑が不動産セクターにはプラス材料となる。

■未来工業 <7931>  2,195円  +23 円 (+1.1%)  本日終値

未来工業<7931>が全般安のなかしっかり。前週末24日の取引終了後、20年3月期の連結業績予想について、売上高を363億400万円から372億8600万円(前期比3.5%増)へ、営業利益を33億2300万円から38億2100万円(同2.1%減)へ、純利益を24億3500万円から26億2800万円(同36.1%減)へ上方修正したことが好感された。活発な都市再開発などを背景に関東地方を中心に受注活動が順調に推移していることに加えて、公立小中学校への空調設備工事の特需があったことが要因。また、高付加価値製品の売り上げが増えていることも寄与する。なお、同時に発表した第3四半期累計(19年3月21日~12月20日)決算は、売上高290億円(前年同期比4.7%増)、営業利益34億1300万円(同3.9%増)、純利益22億9700万円(同32.4%減)だった。

■ベイカレント <6532>  8,100円  +80 円 (+1.0%)  本日終値

ベイカレント・コンサルティング<6532>が9日続伸で上場来高値を更新。東海東京調査センターが24日付で、投資判断を「アウトパフォーム」、目標株価1万1900円で新規にカバレッジを開始したことが好材料視されたようだ。同社は、官公庁や大企業向けにコンサルティングサービスを提供する独立系の総合コンサルティングファームで、足もとでは企業の事業モデルの確立や生産性向上のためのDX(デジタルトランスフォーメーション)への投資が加速していることから、同センターではコンサルティング需要が数年にわたり継続すると予想。20年2月期の営業利益は会社計画を3億円上回る73億円と予想しており、21年2月期は同85億円を見込む。

■建設技術研究所 <9621>  2,459円  +24 円 (+1.0%)  本日終値

建設技術研究所<9621>が反発。前週末24日の取引終了後、集計中の19年12月期連結業績について、売上高が620億円から625億円(前の期比6.9%増)へ、営業利益が35億5000万円から42億5000万円(同39.5%増)へ、最終利益が22億5000万円から28億円(同47.9%増)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。受注の増加に加えて、業務の効率化を実施したことで原価率が改善したことが要因としている。

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