【杉村富生の短期相場観測】 ─ 株価分析&投資戦術の手法とスタイル!

市況
2020年1月26日 9時15分

「株価分析&投資戦術の手法とスタイル!」

●地政学上のリスクは大幅に低下!

足もとの相場はやや波乱含みである。しかし、懸念は無用だ。さて、経験豊富な読者(投資家)の皆さんにとって「釈迦に説法」の類い(たぐい)だろうが、株価分析にはテクニカル、ファンダメンタルズ、ジャッジメンタルの手法(アプローチ)がある。通常、この3手法を組み合わせて使う。

現状はどうか。 日本株は株価水準、株価指標的に大きく出遅れている。外部環境では米中貿易協議は“休戦”(第2次交渉は秋以降?)、中東情勢(地政学上のリスク)についてはアメリカとイランが全面的な軍事衝突をする可能性は低い。現時点では、両国とも全面衝突を望んでいないと思う。

そもそも、世界軍事力ランキング12位のイランに勝ち目はない。もちろん、1位はアメリカだ。以下、2位がロシア、3位が中国、4位がインドだ。5位はフランスである。イランの12位は「かなり上位ではないか」。いや、違う。ちなみに、イランのGDPは4319億ドルだが、アメリカの防衛予算は7380億ドルと、その1.7倍もある。

この兵力差は歴然だ。イランの指導者は無謀な戦いはしない。なお、前述のランキングでは日本は6位だ。自衛隊はイギリス(7位)軍よりも強い。しかし、アメリカには絶対に勝てない。まして、12位のイランが勝てるものか。

これが地政学上のリスクを軽減する。もちろん、不満分子による小競り合い(暴走)はあろうが……。トランプ米大統領の弾劾(米上院での審議)については3分の2以上の賛成が必要だ。上院の勢力分布(共和党53議席、民主党47議席)を考えると、これはほぼ100%否決される。その後(2月下旬)、NYダウ平均は急騰するだろう。

●新型コロナウイルスは封じ込め可能!

次は、投資戦術である。こちらは概ね短期・順張り、長期・逆張り、優良株の長期保有の3スタイルに大別できる。これらの資産配分(ポートフォリオ構築)は「自分の性格」によって行う。機敏な人は短期・順張りにシフトすればよい。売り買いともにタイミングが遅れがちな人は長期・逆張りに向いている。

目先的に妙味がありそうな銘柄は翻訳機のロゼッタ <6182> [東証M]、液晶関連のローツェ <6323> 、車載ソフトの東海ソフト <4430> [東証2]などだ。押し目をじっくり拾うのはM&Aセクターで出遅れのGCA <2174> 、ソフトウエアテスト専業のバルテス <4442> [東証M]などはどうか。

優良株セクターでは、年初以来のインデックスの乱高下にめげず逆行高のソニー <6758> 、NEC <6701> 、アンリツ <6754> に注目できる。恐らく、外国人など実需筋の執拗な買いが入っているはずだ。テーマ的にはセンサー、5G(次世代通信網)などがある。

全般相場は 新型コロナウイルス騒動、および外資系証券(A社)の先物売買に振り回されている。この動きに影響を受けてはいけない。やはり、大切なのはトレンドを読むことだ。この相場は決して弱くない。新型コロナウイルスは、中国が威信をかけて封じ込めるだろう。世界景気は底入れ、回復に向かいつつある。日本株には世界的な規模での景気敏感株としての側面がある。その魅力が早晩、認識されるだろう。

2020年1月24日 記

株探ニュース

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