【杉村富生の短期相場観測】 ─ 外資系2社の先物売買に振り回される日本市場!

市況
2020年2月2日 9時15分

「外資系2社の先物売買に振り回される日本市場!」

●“ウイルス”関連のフィーバーはどこまで続くのか?

新型コロナウイルス(肺炎)騒動が続いている。感染者は9000人(世界ベース)を突破し、死者は200人を超えた(1月31日時点)。内外の株式市場では、 “ウイルス”関連株が大フィーバーだ。1月30日の日経平均は401円安だったが、何とストップ高が26銘柄(全市場ベース)あった。うち、22銘柄がマスク、抗菌剤などを手掛ける企業である。

ただ、ストップ高のまま大引けを迎えたのは新内外綿 <3125> [東証2]、川本産業 <3604> [東証2]、中京医薬品 <4558> [JQ]、興研 <7963> [JQ]など8銘柄にすぎなかった。やはり、マスク関連が強い。「マスクが売り切れ」とマスコミが連日、報じていることが背景にあろう。

もっとも、中国では春節休みを返上してマスクを増産中だ。早晩、品不足は解消されるだろう。アメリカ市場では抗HIV薬「カレトラ」を生産しているアッヴィ、抗ウイルス薬のナノビリサイズ、防護服のレイクランドなどが物色されている。不安心理にせき立てられ、異常な行動に走るのはどこの国も同じということか。

ただ、ウォール街では「新型コロナウイルスが話題になっているが、アメリカの感染者はいまのところ5人だけ。一方、インフルエンザによる入院患者は12万人、死者は6600人にのぼる」と。まあ、意外に冷静である。日本市場の“ウイルス”関連株の集中人気はどこまで続くのだろうか。

●肝要なのはトレンドを読み、銘柄を絞り込むこと!

全般相場についてはどうか。日経平均株価は乱高下を繰り返している。もちろん、この背景には新型コロナウイルス(肺炎)の流行がある。ただ、先物に振り回されている面は否めない。1月30日の日経平均先物の手口を見ると、売りはABNアムロの2万1422枚、ソシエテ・ジェネラルの2万178枚だ。この2社の売りは4万1600枚に達する。

買いはABNアムロの2万5046枚、ソシエテ・ジェネラルの2万1802枚だ。「買い越しではないか」。確かに、数字的にはそうだ。しかし、高速・高頻度売買を駆使、売りたたいて下がったところを買い戻す。こんな商いを機械的に行っている。この2社の売買シェアは大証先物市場の5割近くになる。

これでは……。そう、ジェットコースターのような値動きになってしまう。もちろん、この2社が自己で売買しているはずがない。背後にはヘッジファンドなどの大物投機筋がいる。だからこそトレンドを読み、銘柄を厳選するリスク・マネジメントが重要だろう。

さて、この局面での狙い目は? 抜群に強い富士通 <6702> 、きんでん <1944> 、中外製薬 <4519> はどうか。小物では引き続いてインスペック <6656> [東証2]、バルテス <4442> [東証M]、日本ドライケミカル <1909> 、ファーマフーズ <2929> [東証2]などに注目できる。

2020年1月31日 記

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.