決算一巡で個別単位で見直す流れも【クロージング】

市況
2020年2月14日 15時48分

14日の日経平均は続落。140.14円安の23687.59円(出来高概算13億5000万株)で取引を終えた。13日の米国市場では、中国が新型肺炎の認定基準を変更したことで感染者数が大幅に増加したことが、投資家心理を急速に悪化させNYダウは128ドル安となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比75円安の23715円と弱含みだったこともあり、朝方はこれにサヤ寄せする格好となった。

国内で新型コロナウイルス感染による初の死者が出たほか感染拡大も続いており、週末要因によって利益確定の動きも出やすく、寄り付き直後には一時23603.48円まで下げる局面もみられた。その後は下げ渋る格好となり、後場は日銀のETF買い入れ観測等もあってか、23700円を挟んでのこう着が続いた。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1300を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは鉄鋼、陸運、パルプ紙、建設、空運、サービスが軟調。半面、ゴム製品、電力ガス、情報通信が小じっかりだった。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ダイキン<6367>、ファナック<6954>が軟調。一方で、ソフトバンクG<9984>、アドバンテスト<6857>が下支えした。

日経平均は続落となったが、一先ず25日線レベルでの攻防をみせていた。直近で空けたマド上限レベルで踏み止まっており、テクニカル的には下にアイランドリバーサル形状を残す形での強含みの基調は維持。これを埋めにいくようだと、再び下へのバイアスが強まる可能性があるため、来週は切り返しをみせられるかが注目されてくるだろう。

感染者の定義変更を背景にその数が圧倒的に増えたことから、リスクオフの流れになる中、週末でのコロナウイルス報道リスクは引き続きあるため、若干弱含みの相場展開は想定内といったところであろう。また、楽観はできない状態ではあるものの、市場はパニック的な流れにはなっていないとみられる。先物主導のインデックス売買から、薄商いの中を振らされやすい面はあるが、これに翻弄される動きもみられなくなってきたであろう。

市場の関心は新型肺炎の封じ込めであり、感染者がピークアウトするようであれば、押し目を待ち構えていたヘッジファンドなどのロングポジションが積み上がる可能性もあるだろう。また、決算発表が一巡し、今後は3月末に向けた権利・配当取りを意識した流れも出てくるところである。今回の決算ではイレギュラー的に売られた銘柄も多いとみられるため、こういった銘柄へは押し目を窺う流れも意識されてくる可能性がありそうだ。

《AK》

提供:フィスコ

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