話題株ピックアップ【夕刊】(2):ソフトバンクG、日産自、リクルート
■日産自動車 <7201> 504.6円 +9.9 円 (+2.0%) 本日終値
日産自動車<7201>が8日ぶりに反発。13日取引終了後、20年3月期業績予想の下方修正と今期配当の大幅減配を発表したことが嫌気され、株価は軟調な値動きが続いていたが、この日は値頃感からの買いも入り値を上げた。売上高は10兆6000億円から10兆2000億円(前期比11.9%減)に見直したほか、純利益は1100億円から650億円(同79.6%減)に修正した。米国など世界での自動車販売が減り、中国市場も不振だった。期末配当はゼロとし、年間配当は10円(前期比47円減)と大幅減配することも明らかにした。同社株は高配当利回り株として評価されていただけに、大幅減配を嫌気する声は多い。また、今後の業績見通しに対する不透明感を指摘する見方も多く、当面上値の重い展開が続く可能性も予想されている。
■ソフトバンクグループ <9984> 5,351円 +82 円 (+1.6%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が反発。売買代金は全上場銘柄を通じて断トツとなっており、市場の注目度の高さをうかがわせる。日経平均寄与度の高い銘柄で、前日は全体波乱相場のなか先物主導の裁定解消売りの影響で大きく下げたが、きょうは全体相場が下げ止まるなかで同社株も買い戻しが優勢となった。信用取引は直近14日申し込み現在で買い残が大きく減少する一方、売り残が増加しており株式需給関係は改善している。ただ、米携帯電話子会社のスプリント合併に絡む交渉が詰めの段階を迎えるなか、現時点で積極的に上値を買い進む動きも見られない。
■日本郵船 <9101> 1,746円 +24 円 (+1.4%) 本日終値
日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など海運大手がいずれも上値指向となり、業種別騰落率でも「海運」は値上がり上位にある。中国では新型肺炎の感染拡大に伴う懸念が引き続き強いなか、中国人民銀行の金融緩和策や政府当局による財政出動などの景気対策への思惑が強まっている。グローバル物流は中国経済の影響が大きく、海運セクターはこれまで売りが先行していたが、今後の風向き変化に期待した買いを引き寄せている。なお、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数は昨年来下落基調が続き約4年ぶりの低水準に落ち込んでいたが、今月10日をターニングポイントに底入れの気配を漂わせている。
■リクルート <6098> 4,553円 +53 円 (+1.2%) 本日終値
リクルートホールディングス<6098>が高い。岩井コスモ証券は18日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を4500円から5200円に引き上げた。第3四半期累計(19年4~12月)の連結営業利益は前年同期比10.5%増の2122億7100万円と順調だった。オンライン求人情報検索サイト「インディード」の収益拡大が寄与した。同証券では、20年3月期の連結営業利益は前期比10%増の2450億円と予想。成長余地の大きな人材関連サービスに、キャッシュレス決済サービス「エアペイ」などのクラウド収益が加わり、今後の収益拡大が期待できるとみている。
■日本信号 <6741> 1,364円 +14 円 (+1.0%) 本日終値
日本信号<6741>が反発。18日に台湾交通部鉄道局から「台湾・嘉義市街鉄道高架化計画 電子連動システム工事」を受注したと発表しており、これが好感された。今回受注した案件は、台湾中部の嘉義駅周辺から嘉北駅周辺の線路の高架化と、北回帰線駅の新設、更に水上車両基地の新設などに伴う鉄道信号システムの更新工事。同社は電子連動装置をはじめ、列車検知装置、中間閉塞装置、踏切設備、電気転てつ機などを納入・施工する。
■ソニーFH <8729> 2,402円 +9 円 (+0.4%) 本日終値
ソニーフィナンシャルホールディングス<8729>はしっかり。前引け後に、子会社ソニー銀行の「WealthNavi for ソニー銀行」が、サービス開始から約2年1カ月後の20年2月13日時点で、預かり資産100億円を突破したと発表しており、これが好感された。「WealthNavi for ソニー銀行」は、ロボアドバイザー「WealthNavi(ウェルスナビ)」を、ソニー銀行の顧客向けにカスタマイズしたサービス。専門的な知識や手間なしに、「長期・積立・分散」の資産運用を自動で行うのが特徴という。
■デンカ <4061> 2,935円 +7 円 (+0.2%) 本日終値
デンカ<4061>が4日ぶりに反発。同社は13日、子会社デンカ生研が新型コロナウイルスによる肺炎(COVID-19)の簡易検査キットの開発に着手したと発表したが、18日の夜のテレビ朝日系報道番組「報道ステーション」で取り上げられており、改めて関心が高まっているようだ。同簡易検査キットは、新型コロナウィルスの抗原をイムノクロマト法により一般の医療施設でも使用が可能で、迅速かつ簡易に検出するキット。デンカ生研はインフルエンザの迅速診断キットでも国内トップクラスであることから、COVID-19の簡易検査キットでも十分な供給体制をとれるとしている。
■三洋化成工業 <4471> 4,825円 +10 円 (+0.2%) 本日終値
三洋化成工業<4471>が4日ぶりに反発。きょう付けの日本経済新聞朝刊で「次世代型のリチウムイオン電池『全樹脂電池』の量産を2021年春にも始める」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、150億円を投じて福井県に新工場を整備し、世界で初めて量産に乗り出すという。全樹脂電池は、全個体電池が電解質を有機液体から固体電解質を使用するのに対して、正極や負極も樹脂製とした電池。リチウムイオン電池に比べて発火しにくいうえ、製造が容易で、低コストに生産できるといったメリットがあるとされる。19年に子会社化した電池技術開発のスタートアップ、APB(東京都千代田区)が量産を行うとしている。
■ミニストップ <9946> 1,523円 -57 円 (-3.6%) 本日終値
ミニストップ<9946>は続落。18日の取引終了後、20年2月期の連結業績予想について、売上高を2010億円から1950億円(前期比5.0%減)へ、営業損益を14億円の黒字から32億円の赤字(前の期5億5100万円の赤字)へ、最終損益を5000万円の黒字から59億円の赤字(同9億1600万円の赤字)へ下方修正したことが嫌気された。店内加工ファストフードコールドスイーツの売り上げ不振などで国内事業の売上高が計画未達となったことに加えて、日韓関係の悪化で韓国ミニストップが苦戦したことなどが要因。また、繰延税金資産の取り崩しなどで税負担が増えることも響く。
株探ニュース