10日の米国市場ダイジェスト:NYダウ1167ドル高、政府財政支援期待広がる

市況
2020年3月11日 7時51分

■NY株式:NYダウ1167ドル高、政府財政支援期待広がる

米国株式相場は反発。ダウ平均は1167.14ドル高の25018.16、ナスダックは393.58ポイント高の8344.25ポイントで取引を終了した。トランプ政権の景気対策への期待から上昇して始まった。共和党内の意見が分かれ、速やかな実施に懐疑的見方が広がり下落に転じる局面もあったが、大統領が共和党議員に対して年内の給与税の免除を打診したことや、米国内での新型コロナウィルス検査の自己負担金の免除や感染者の治療に関する保険適用範囲の拡大などが明らかになると投資家心理が大きく改善し、引けにかけて大きく上昇する展開となった。セクター別では銀行が大きく上昇、公益事業や食品・生活必需品小売りの上げは小幅にとどまった。

大手銀のJPモルガンチェース(JPM)やシティ(C)は株式デリバティブ取引で前年同期に比べ5億ドルの収益増となったとの報道が好感され上昇。ホームセンター大手のホームデポ(HD)、ソフトウェアメーカーのマイクロソフト(MSFT)、オンライン小売大手のアマゾン(AMZN)は、アナリストが「売られ過ぎ」との見解を示し買われた。

米信用格付け大手ムーディーズは世界の旅客航空産業の見通しを「ネガティブ」に引き下げた。ユナイテッド航空が米国内線の予約が70%落ち込んだことを明らかにするなど、航空各社は厳しい状況が続いている。

Horiko Capital Management LLC

■NY為替:トランプ政権の大規模経済対策への期待でドル反発

10日のニューヨーク外為市場でドル・円は103円22銭から105円92銭まで上昇し、105円60銭で引けた。原油価格の反発やトランプ政権の新型肺炎をめぐる財政支援、救済策への期待で米国経済の先行き見通しが改善した。米債利回り上昇に伴いドル買いが再燃した。また、リスク選好の円売りも強まった。

ユーロ・ドルは、1.1394ドルから1.1275ドルまで下落して1.11283ドルで引けた。ドイツのメルケル首相は「現在のところ新型肺炎に関する財政支援の必要はない」との見解を示したことが嫌気されユーロ売りに繋がった。ユーロ・円は117円48銭から119円49銭まで上昇した。ポンド・ドルは1.3045ドルから1.2882ドルまで下落した。ドル・スイスは0.9299フランから0.9412フランまで上昇した。安全通貨としてのフラン買いは後退した。

■NY原油:大幅反発で34.36ドル、ロシアは減産・増産の選択肢を有するとの見方も

NY原油先物4月限は大幅反発(NYMEX原油4月限終値:34.36 ↑3.23)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は、前営業日比+3.23ドルの1バレル=34.36ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは、30.20ドル-35.02ドル。サウジアラビアはシェア重視で増産方針に転換しているが、ロシアは減産・増産の選択肢を有しており、石油輸出国機構(OPEC)と新たな協定を締結する可能性は残されているとの見方が浮上し、原油先物は反発。米国株式の大幅反発も好感されたようだ。

■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 23.61ドル +1.68ドル(+7.66%)

モルガン・スタンレー(MS) 39.50ドル +2.00ドル(+5.33%)

ゴールドマン・サックス(GS)184.35ドル +11.54ドル(+6.68%)

インテル(INTC) 53.98ドル +3.13ドル(+6.16%)

アップル(AAPL) 285.34ドル +19.17ドル(+7.20%)

アルファベット(GOOG) 1280.39ドル +64.83ドル(+5.33%)

フェイスブック(FB) 178.19ドル +8.69ドル(+5.13%)

キャタピラー(CAT) 106.49ドル +2.42ドル(+2.33%)

アルコア(AA) 9.26ドル +0.57ドル(+6.56%)

ウォルマート(WMT) 119.79ドル +2.63ドル(+2.24%)

スプリント(S) 8.59ドル +0.53ドル(+6.58%)

《SF》

提供:フィスコ

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