富田隆弥の【CHART CLUB】 「20日の米国SQがポイントに」

市況
2020年3月20日 10時00分

◆暴落の流れが止まらない。日米欧の政府・金融当局は「できることを何でもやる」との姿勢で利下げや資金供給、財政出動など矢継ぎ早に策を打ち出している。だが、日経平均株価NYダウとも2月高値からの下落率はすでに30%を超えるが、一向に下げ止まる気配がない。それだけ、今回のコロナショックは厄介と言える。

◆世界的なウイルス感染拡大の終息が待たれるが、相場の最大の材料は「需給」である。11年にわたる超過剰流動性(マネーバブル)の上昇相場に亀裂を入れたことで、需給が一気に「負のスパイラル」に転じた。リーマン・ショックにせよ、サブプライム・ショック、ブラックマンデーにせよ、暴落に入った相場は売りが収まるのを待つしかなく、どこが下値(底)になるかは「相場に聞く」しかない。チャートで「流れに従え」といわれるのはそのためで、日足の上値抵抗線突破が待たれる。

◆ただ、そろそろ下値を見て落ち着く可能性はある。前回触れたように、いまの急落には日米とも先物とオプションのSQ(清算日)が関わっていると思われる。米国のSQ=トリプルウィッチング(株式先物、株価指数オプション、個別株オプション取引の3つの取引の決済が重なる日)は3月20日。これまで上昇相場が長く続いたことで、先物やオプションは「買い(上昇観測)」に手口が偏っていた。それだけに今回の急落で買い方は焦り、損切りや売りヘッジなど損失回避の対応に迫られ、それが下落に拍車をかけたとも言える。

◆日経平均のメジャーSQは13日ですでに通過し、それ以降の動きは米国株の下落もあって軟調だが、1万7000円前後でもみ合うなど下げの勢いは鈍化している。当面の需給悪化局面を脱することでNYダウも20日前後が下値のポイントになる可能性はある。

◆日本株は騰落レシオが16日に40.12%を、新安値銘柄が13日に1721を数え、信用買い残は13日申し込み時点で1兆9681億円と前週から4040億円も減少するなど、テクニカル的に「セリング・クライマックス」と言えるような状況だ。日本の20日は「お彼岸」で、サクラの満開も近づく。そのようなことで「彼岸底」をイメージして突っ込み買いを入れてみるのも面白そうだ。もちろん、「もうはまだなり」という格言もあり、ここでの買いは割り切り前提の打診買いであり、リバウンド狙いとなる。

(3月18日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.