話題株ピックアップ【夕刊】(2):日経レバ、武田、任天堂

注目
2020年3月23日 15時21分

■日経レバ <1570>  11,000円  +390 円 (+3.7%)  本日終値

NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が乱高下、朝方は売りに押され一時1万500円を下回るなどマイナス圏に沈み、1万円大台割れを意識させる場面もあったが、その後はリバウンドに転じた。日経平均株価に連動するETFでボラティリティは日経平均の2倍に基本設定されており、足もと日経平均が先物主導で上値を指向するなか、日経レバも1万1000円台を回復した。売買代金は全市場を通じてトップとなった。きょうは空売り筋の買い戻しで全体相場が戻りに転じ、これに乗じる形で個人投資家の買いが流入した。ただし、値幅は日経平均にプラス55円程度と基本設定よりだいぶ小さくなっている。

■武田薬品工業 <4502>  3,012円  +93.5 円 (+3.2%)  本日終値

武田薬品工業<4502>など大手をはじめ医薬品株に高い銘柄が目立つ。業種別騰落率では「医薬品」は33業種中で値上がり率第4位となった。全体相場は急落相場が一服しているものの、値下がり銘柄数が多く不安定な展開を強いられている。そのなか、内需のディフェンシブセクターとして資金シフトの動きが見られるほか、官民連携による新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の開発に対する期待を背景に一部の医薬品株に買いが誘導されており、全体指数にもプラスに作用した。

■任天堂 <7974>  37,810円  +580 円 (+1.6%)  本日終値

任天堂<7974>は全体波乱相場のなか時価総額5兆円前後の大型株としては異色の上値指向を続けている。株価はきょうで4連騰。新型コロナウイルスの影響で移動制限がかかるなか、巣ごもり消費の一環としてゲーム関連企業には収益機会が増すとの思惑が同社株の強調展開を後押ししている。ただ、実際はGPIFなどの公的マネーの買いや、海外短期筋による銘柄間裁定取引のアンワインド(巻き戻し)の影響などが反映されている要素が強い。

■SHIFT <3697>  6,400円  +70 円 (+1.1%)  本日終値

SHIFT<3697>が反発。ひふみ投信などの運用を手掛けるレオス・キャピタルワークスが19日の取引終了後、財務省に大量保有報告書を提出し、レオスのSHIFT株式保有割合が5.12%となり、新たに5%を超えたことが判明。これを受けて需給思惑的な買いが入ったようだ。なお、保有目的は純投資で、報告義務発生日は3月13日となっている。

■国際石油開発帝石 <1605>  517円  +2.8 円 (+0.5%)  本日終値

国際石油開発帝石<1605>が買い優勢、前週19日まで実に13日連続で値を下げていたが、きょうはショートカバーで一時5%を超える上昇をみせた。同社株は世界同時株安に拍車がかかった2月21日以降、前営業日までの19日間でプラスだった日はわずかに1日という異例の下げをみせていた。WTI原油先物価格が直近1バレル=20ドル台を割り込むなど記録的な下落を続けていたが、世界経済の落ち込みがあっても10ドル台は売られ過ぎとの見方が強い。原油がオーバーシュートで売り込まれているとの思惑が、市況と相関性の高い銘柄の買い戻しにつながっている。きょうは原油価格に連動するETNであるNEXT NOTES 日経・TOCOM 原油ダブル・ブル ETN<2038>も反発に転じている。

■オイシックス・ラ・大地 <3182>  1,231円  -101 円 (-7.6%)  本日終値

オイシックス・ラ・大地 <3182> [東証M]が急落。19日大引け後、301万3600株の公募増資とオーバーアロットメントによる売り出しに伴う上限52万7000株の第三者割当増資を実施するほか、髙島宏平社長による50万株の株式売り出しを発表したことが売り材料視された。新株発行が最大で発行済み株式数の10.3%におよぶ規模とあって、株式価値の希薄化や株式の需給悪化を懸念する売りが向かった。発行価格は3月30日から4月2日までのいずれかの日に決定する。最大で約35億円の調達資金については、新海老名ステーション稼働に係る設備投資資などに充てる。一方、東証が4月9日付で東証1部または2部に市場変更すると発表したが、こちらへの反応は限定的となった。

■トヨタ自動車 <7203>  6,172円  -223 円 (-3.5%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>が反落スタート、同社株をはじめ自動車セクター全般は売りに押される展開。外国為替市場ではドルを買う動きが強まり、1ドル=111円近辺まで円安が進んだ。急速なドル高・円安を受け輸出採算の改善が収益面にはプラス寄与するものの、新型コロナウイルスの感染拡大による需要喪失の影響を懸念する売りの方が優勢だ。外国人投資家を中心とした中期運用スタンスの資金が売り圧を高める方向にある。

■栄研化学 <4549>  1,771円  -56 円 (-3.1%)  本日終値

栄研化学<4549>が売り優勢。検査薬大手でOC(便潜血検査試薬)では断トツのシェアを誇る。19日取引終了後、新型コロナウイルスを検出する研究用試薬「Loopamp 2019-nCoV検出試薬キット」が公的医療保険に適用されたことを発表した。ただ、19日の取引時間中には検出試薬キットを18日から販売開始したことを発表し大きく買われていたこともあり、公的医療保険適用を改めて材料視する買いよりも利益確定の売りが先行した。

■高島屋 <8233>  977円  -11 円 (-1.1%)  本日終値

高島屋<8233>が反落。21日付の日本経済新聞朝刊で「2020年2月期の連結営業利益は前の期比1割減の240億円強となったもようだ。従来予想(5%増の280億円)から一転、減益となった」と報じられており、これが売り材料視された。記事によると、消費税増税の影響が想定よりも大きかったことに加えて、暖冬で冬物の販売が低調だったという。また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で2月以降は外出自粛の動きが広がっていることから、20年度は業績が更に落ち込む可能性があるとしており、先行き不透明感も意識されているようだ。

■日本航空 <9201>  1,951.5円  -19.5 円 (-1.0%)  本日終値

JAL<9201>やANAホールディングス<9202>が安い。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、世界各国での入国禁止措置が広がり、航空会社の旅客収入の減少が懸念されている。外務省は22日、米国全土へ危険レベルを1から2に引き上げ「不要不急の渡航中止」を呼び掛けた。また、東京五輪への影響も警戒されるなか、国際オリンピック委員会(IOC)は22日、東京五輪の延期を含めた検討に入ると発表したことも嫌気された。安倍首相は23日「安全な形での実施が困難なら、延期の判断も行わざるを得ない」と国会で述べた。JALの株価は一時、1851円まで下落し、12年9月の株式再上場時の実質の公開価格1895円を割り込んでいる。

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