「東京オリンピック」関連が9位、21年に「延期」は相場にポジティブ材料<注目テーマ>
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みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で、「東京オリンピック」が9位にランクインしている。
新型コロナウイルスの感染拡大を背景に世界株市場はリスク回避の売りに晒されており、東京株式市場もその流れのなか日経平均が大きく水準を切り下げてきた。しかし、目先は売られ過ぎの反動でリバウンドに転じた。その背景にあるのが、株式需給面からは日銀のETF買いの大幅増額、そして外部材料として東京オリンピックの開催が延期される方向がほぼ確定したことも反転の足掛かりとなったもようだ。
東京五輪については、新型コロナウイルスの感染症の世界的な広がりに歯止めがかからない状況下、予定通りの開催は難しいとの認識で株式市場でも事前に織り込みが進んでいた。しかし、東京五輪が中止されるのか延期されるのかで思惑が錯綜し、前者ならば日本経済へのマイナス影響は多大で株式市場も改めて売り直される公算が大きく、後者であればマイナス影響はある程度緩和され、株式市場にとっても一方的に売り込まれる展開にはなりにくいというコンセンサスがあった。安倍首相と蜜月関係にあるトランプ米大統領は東京五輪の開催を支持するとともに「1年間延期」に言及、にわかにその可能性が意識され、あとは国際世論の形成にどう持ち込むかという局面にあった。
そうしたなか、23日に米紙USAトゥデー電子版のインタビューでIOCのディック・パウンド委員が東京五輪について「延期」が決まったとし、2021年への延期の可能性が高いと述べたことがきょうの取引開始前の段階で伝わった。きょうの東京株式市場では寄り付きから大きく買いが優勢となり、空売り筋の全面的な買い戻しを誘発したが、東京五輪の1年延期がほぼ決定したことも、その背景となったとみられる。日経平均は前引け時点で1100円を超える急騰をみせている。
関連銘柄としてはアシックス<7936>、ミズノ<8022>、デサント<8114>、ヨネックス<7906>、アキレス<5142>などのスポーツ用品関連をはじめ、電通グループ<4324>など広告、帝国ホテル<9708>などのホテルやKNT-CTホールディングス<9726>などの旅行会社、更にセコム<9735>などの警備関連といった銘柄群に幅広く物色の矛先が広がっている。