話題株ピックアップ【夕刊】(2):JAL、三菱UFJ、アンジェス
■サイボウズ <4776> 1,571円 +104 円 (+7.1%) 本日終値
サイボウズ<4776>が大幅高。株価はきょうで3連騰となり、中長期トレンドの分水嶺である75日移動平均線とのマイナスカイ離も一気に縮める展開。24日取引終了後に発表した2月の売上高が前年同月比16%増と2ケタ伸長で増収基調を確保しており、新型コロナの影響を受けにくいデジタルトランスフォーメーション(DX)関連銘柄の一角として物色人気を集めている。
■日本航空 <9201> 2,163円 +136 円 (+6.7%) 本日終値
日本航空<9201>が大幅続伸。新型コロナウイルスの感染拡大による航空需要の急減が警戒され、株価は1月高値3487円から5割近い急落を演じたが、足もとではリバウンド狙いの買いが流入している。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は24日、同社株のレーティングを「ニュートラル」でカバレッジを開始した。目標株価は2800円とした。同証券では「目下、エアライン業界の投資論点は財務健全性と資金調達力」と指摘。JALの21年3月期営業利益は523億円(20年3月期会社予想1400億円)を見込んでいるが、「仮に200億円強の営業赤字になったとしても株主資本比率は50%台の維持が可能」とみており、この経営体力の強さが株価のサポート要因になるとしている。さらに、新型コロナウイルス終息後の投資論点は、3月29日からの羽田国際線増枠による利益成長カーブ次第とみている。
■三菱UFJ <8306> 448.7円 +27.8 円 (+6.6%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>が3日続伸、みずほフィナンシャルグループ<8411>は続伸といずれも上値指向にある。メガバンクは世界的なリスク回避の売りに晒され、2月下旬を境に大きく売り込まれてきたが目先底入れムード。前日の米国株市場ではNYダウが過去最大の上げ幅を記録するなか、バンク・オブ・アメリカが16%超の上昇、シティグループが15%高、ゴールドマン・サックスも14%近い上昇と、軒並みNYダウの上昇率を上回った。足もと金融経済への不安で売り込まれた反動で買い戻しが加速しているが、東京市場でも海外ヘッジファンドのアンワインド(リスクオフ巻き戻し)の動きが銀行株を押し上げている。3月期末を目前に控え、配当利回りも注目され、三菱UFJとみずほFGは5.5%台、三井住友FGは6.1%台といずれも高く、インカムゲイン狙いの買いも誘導している。
■イオン九州 <2653> 1,823円 +111 円 (+6.5%) 本日終値
イオン九州 <2653> [JQ]が急伸。24日大引け後、20年2月期の経常利益(非連結)を従来予想の3.5億円→8億円に2.3倍上方修正。増益率が35.1%増→3.1倍に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。消費税増税前に実施した秋冬商材の早期展開や高単価商品の販売強化、増税後のポイント還元企画などの販売促進施策が奏功し、下期の売上高が計画を上回ったことが寄与。店舗運営の効率化を進めたことも上振れに貢献した。
■三井金属 <5706> 1,905円 +109 円 (+6.1%) 本日終値
三井金属<5706>が前日に続きマドを開けて上昇、急速に底入れの動きを強めている。非鉄精錬メーカーで自動車向けのほか、半導体パッケージ向け極薄銅箔など電子材料への展開が厚いことで知られる。世界的な5Gの普及を背景に追い風が強い。5G対応スマートフォンに搭載される半導体パッケージはこれまでよりも使用量が大幅に増えることが想定され、同社が手掛ける極薄銅箔の需要拡大が期待できる状況にある。21年3月期営業利益は今期会社計画比3割増益の215億円前後に急拡大するとの見方もある。
■ヤマダ電機 <9831> 473円 +25 円 (+5.6%) 本日終値
ヤマダ電機<9831>が大幅高で3日ぶりに反発。24日の取引終了後、ナック<9788>子会社のレオハウスの全株式を譲り受け、子会社化することで基本合意したと発表しており、これが好材料視された。ヤマダ電の「暮らしまるごと」提案と住宅事業を営むレオハウスとの相乗効果が高いと判断したという。取得価額は今後決定する予定で、5月中旬の株式取得を予定しているという。なお、業績への影響は軽微としている。
■アンジェス <4563> 716円 +36 円 (+5.3%) 本日終値
アンジェス<4563>が3連騰。前引け後、大阪大学と共同で開発を進めている新型コロナウイルス向けDNAワクチンに関して、厚生労働省の「新興・再興感染症のリスク評価と危機管理機能の実装のための研究」をテーマとした厚生労働科学研究費補助金に採択されたと発表した。厚労省の支援で新型コロナウイルス向けDNAワクチンの開発加速化が期待され、買いにつながったようだ。
■三谷商事 <8066> 5,580円 +280 円 (+5.3%) 本日終値
三谷商事 <8066> [東証2]が大幅続伸。24日大引け後、発行済み株式数(自社株を除く)の0.48%にあたる12万株(金額で6億6000万円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は4月1日から21年3月24日まで。
■日本通運 <9062> 5,270円 +260 円 (+5.2%) 本日終値
日本通運 <9062> が続伸。24日大引け後、発行済み株式数の2.04%にあたる200万株の自社株を消却すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。消却予定日は3月31日。
■ソニー <6758> 6,500円 +302 円 (+4.9%) 本日終値
ソニー<6758>が大幅続伸。全般相場が急反発に転じるなか、電機セクターの優良株である同社の下値を拾う動きが強まっている。岩井コスモ証券は24日、同社株の投資判断「A」を継続した。目標株価は7000円(従来9300円)とした。新型コロナウイルスの世界的な蔓延の影響は業績の不透明要因だが、同証券では巣ごもり生活に関連するゲーム事業に注目している。次期家庭用ゲーム機、プレイステーション5は年末に発売される予定だが、従来機種よりも機動性の高さや音質の良さを売り物としている。高い性能は購買意欲を刺激すると予想されるほか、巣ごもり環境が定着する場合、同ゲーム機への需要は高まると見込んでいる。
株探ニュース