ピクスタ Research Memo(8):主力のPIXTA事業で定額制プランを拡充し収益基盤を強化

特集
2020年3月26日 15時08分

■中長期の成長戦略

中長期の成長戦略の骨格は従来から変更はない。中核の『PIXTA』の深耕と新規事業展開だ。『PIXTA』の深耕では定額制売上の強化を軸に取り組んでおり、順調かつ高い伸びが続いている。今後はさらに、料金メニューの充実や法人需要の掘り起こしなどに取り組み、成長持続を目指す方針だ。新規事業展開は『fotowa』と『Snapmart』の2事業が当面の成長のけん引役と期待される。両事業ともフォトグラファーやクリエイター、コンテンツ数といった事業基盤が着実に拡大している。今後は、より大きな飛躍のための認知度向上や営業体制の強化などの点で改善余地が残っており、目先の利益にとらわれることなく成長のための先行投資を継続する方針だ。

1. PIXTA事業の成長戦略

PIXTA事業に対するピクスタ<3416>の期待は高い。売上構成比の高さから言っても『PIXTA』の成長率が全社ベースのそれを決定する形になる。同社はPIXTA事業について、年率10~15%の成長を安定的に実現することを目指している。より緻密には、国内PIXTA事業と海外PIXTA事業とに分けて考えるべきであるが、現状は国内事業の売上高が圧倒的であり、国内PIXTA事業の動向がPIXTA事業全体の動向を決定すると言える。

それに向けた取り組みの筆頭が、定額制プランの拡充だ。PIXTA事業では、創業当初は単品からスタートしたものの、2014年12月期から定額制を開始し、その育成に注力している。定額制強化の狙いの第1は収益の安定化だ。単品はいわゆるフロー型モデルであるのに対して、定額制はストック型モデルの性格を有する。また利益率の点でも定額制のほうが高いという面もある。

同社は、2020年2月に「定額制プラン」をリニューアルした。これまでの少量プラン、大量プランの間を埋める2つのプランを増やしたほか、すべてのプランに繰り越し機能を追加した。

これまでの定額プランは、大きく分けて、30日間で10点までダウンロード可能な少量プランと、1日25点までダウンロード可能(30日累計で最大750点ダウンロード可能)な大量プランの2種類しかなかったため、利用者からは少量プランと大量プランの中間のプランを希望する声が根強かった。これを受けて、新たに月100点、月350点までダウンロードできる2種類のプランを追加。また、これまで少量プランにしかついていなかった、規定のダウンロード点数に達しなかった場合に余ったダウンロード点数を翌月以降に繰り越せる「繰り越し機能」を、月10点、100点、350点、750点のすべてのプランに適応した。

多様な価格プランにより、これまで対応できなかった顧客ニーズに対応できるため、弊社では今回の価格改定は、定額制ユーザーの拡大に資する取り組みと評価している。また、過去に、少量プランに繰り越し機能を導入した際に解約率が5~10%改善したという成果が上がっており、今回も同様の効果が期待できる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《YM》

提供:フィスコ

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