今週の【早わかり株式市況】1678円高と急上昇、米株高と大型経済対策が押し上げる
■今週の相場ポイント
1.日経平均は2週ぶりに急上昇、1万9000円台半ばまで大きく切り返す
2.週初は米株先物を横目に日経平均先物を買い戻す動きが活発化し全体押し上げ
3.週央も政府の大型経済対策への期待から買い戻しが続く
4.FRBによる大規模な資金供給策発表も米株高を通じポジティブ材料視
5. 新型コロナウイルスの国内感染者数が増勢強め、週末は上値重い場面も
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比1678円(9.42%)高の1万9498円と2週ぶりに急上昇となった。
今週は、国内外で新型コロナウイルスの感染者数拡大に対する懸念が高まるなか、大型経済対策への期待もあって株価は意外にも強い動きをみせた。オプションSQ算出を前に日経平均先物を買い戻す動きが加速し全体相場の戻り足を助長する格好となった。
6日(月)は日経平均が700円を超える急反発をみせた。前週末の米国株市場でNYダウ は下落したものの、東京市場の取引時間中に米株価指数先物が大きく買われ、これを横目に日経平均も先物主導で一気に水準を切り上げた。7日(火)も上値指向を継続。新型コロナに対する警戒感がやや後退し、前日にNYダウが1600ドルを超える急伸をみせ、日経平均もこれに追随する形となった。更に8日(水)は政府の緊急事態宣言を受けて目先悪材料出尽くし的な動きが優勢となった。大型経済対策への期待による全体相場の予想外の強さをみて空売り筋の買い戻しが加速したほか、週末のオプションSQをにらんだ思惑も先物への買いを助長し日経平均は400円あまりの上昇をみせ、1万9000円台を回復した、9日(木)は上昇一服。目先筋の利益確定の売りが上値を押さえたが、下値抵抗力も発揮し下げ幅はわずかに7円にとどまった。そして週末10日(金)は前日にFRBが大規模な資金供給策を決定して米株市場が続伸したことを受け、買い優勢に。 新型コロナウイルスの国内感染者数が増勢を強めるなか上値も重い展開だったが、後場は買い直され結局1万9000円台半ばとこの日の高値圏で着地した。
■来週のポイント
今週急速に買い戻されただけに、来週は押し目を入れる場面がありそうだ。ただ、米株高が続いた場合は連動する形で日経平均2万円台を奪還する可能性がある。
重要イベントとしては、国内では15日発表の3月訪日外客数が注目される。海外では14日に発表される中国3月貿易収支やIMF世界経済見通しのほか、15日に発表される米国3月の鉱工業生産と設備稼働率や17日に発表される中国1-3月期GDPと中国3月鉱工業生産に注視が必要だろう。
■日々の動き(4月6日~4月10日)
【↑】 4月 6日(月)―― 急伸・1万8500円回復、「緊急事態宣言」観測で買い戻し膨らむ
日経平均 18576.30( +756.11) 売買高16億7962万株 売買代金 2兆6994億円
【↑】 4月 7日(火)―― 3日続伸、NYダウ急伸と108兆円の緊急経済対策で買い先行
日経平均 18950.18( +373.88) 売買高17億0351万株 売買代金 2兆8231億円
【↑】 4月 8日(水)―― 4連騰・1万9000円回復、大型経済対策で買い戻し続く
日経平均 19353.24( +403.06) 売買高16億8156万株 売買代金 2兆8114億円
【↓】 4月 9日(木)―― 5日ぶり小反落、コロナ感染懸念も日銀ETF買いへの期待
日経平均 19345.77( -7.47) 売買高13億6889万株 売買代金 2兆2997億円
【↑】 4月10日(金)―― 反発、前場軟調も日銀ETF買いへの期待でプラス圏浮上
日経平均 19498.50( +152.73) 売買高13億7022万株 売買代金 2兆1945億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種が上昇
(2)JAL <9201> など空運業、商船三井 <9104> など海運業が値上がり率1位、2位
(3)三菱UFJ <8306> など銀行、野村 <8604> など証券といった金融株が買い戻された
(4)トヨタ <7203> など自動車、コマツ <6301> など機械、ソニー <6758> など電機といった輸出株も大幅反発
(5)AGC <5201> などガラス・土石、住友鉱 <5713> など非鉄、信越化 <4063> など化学といった素材株も堅調
(6)内需株は大和ハウス <1925> など建設、楽天 <4755> などサービス、菱地所 <8802> など不動産は大幅高も
味の素 <2802> など食品、セブン&アイ <3382> など小売りはやや上値重い
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(1) テレワーク
2(3) 遠隔医療 ─── “医療崩壊”阻止へ高まる注目
3(2) コロナウイルス
4(5) マスク ──── 政府の家庭への配布政策で注目度高まる
5(4) 巣ごもり
※カッコは前週の順位
株探ニュース