話題株ピックアップ【夕刊】(1):アンジェス、ファミマ、安川電

注目
2020年4月14日 15時15分

■アンジェス <4563>  908円  +150 円 (+19.8%) ストップ高   本日終値

アンジェス<4563>が新型コロナワクチンの治験開始時期を前倒しすると伝わったことなどを受ストップ高に買われたほか、そーせいグループ<4565>、タカラバイオ<4974>、ヘリオス<4593>、プレシジョン・システム・サイエンス<7707>、免疫生物研究所<4570>などバイオ関連が一斉高となり、株価低位のテラ<2191>やカイオム・バイオサイエンス<4583>、ナノキャリア<4571>といった銘柄も商い活況のなか軒並み大幅高に買われた。新型コロナウイルスの感染拡大で目先は先行き不透明感から好業績株への物色の流れが形成されにくいことや、新型コロナのワクチンや治療薬開発に絡む動きがバイオ関連株に相対的に物色の矛先が向かいやすくなっている。「マザーズ市場などを主戦場とする個人投資家の損益も改善傾向にあることで、参入資金が厚みを増している」(国内ネット証券)という指摘もあった。

■Sansan <4443>  4,580円  +700 円 (+18.0%) ストップ高   本日終値

Sansan<4443>が急反発し、ストップ高の4580円に買われた。13日の取引終了後、20年5月期の連結業績予想について、売上高を138億1600万円から132億2100万円(前期比29.5%増)へ、営業利益を7億2400万円から5億9100万円(前期8億4900万円の赤字)へ下方修正した。ビジネスイベント「Meets」の開催計画の見直しや、新型コロナウイルスの影響による大型ビジネスイベントなどの開催見送りなどを考慮したという。ただ、株価には織り込み済みとの見方が強く、同時にリモートワークやオンラインでの働き方が急速に拡大していることを背景に「Sansan」の新機能として「オンライン名刺/オンライン名刺交換」を6月に提供すると発表したことから、新サービスへの期待感などで買われたようだ。なお、同時に発表した第3四半期累計(19年6月~20年2月)決算は、売上高96億7100万円(前年同期比31.4%増)、営業利益1億9300万円(前年同期6億5500万円の赤字)だった。

■サイバーセキ <4493>  19,840円  +2,670 円 (+15.6%)  本日終値

サイバーセキュリティクラウド<4493>が後場一段高。同社はきょう、自社提供するクラウド型WAF「攻撃遮断くん」の累計導入サイト数が3月時点で1万2000サイトを突破したと発表しており、これが株価を刺激したようだ。「攻撃遮断くん」は、WebサイトやWebサーバへのサイバー攻撃を可視化・遮断するWebセキュリティーサービス。ディープラーニング(深層学習)を用いた攻撃検知AI(人工知能)エンジン「Cyneural」を活用し、一般的な攻撃の検知に加え、未知の攻撃の発見、誤検知の発見を高速に行うとともに、世界有数の脅威インテリジェンスチーム「Cyhorus」により、最新の脅威にもいち早く対応している。2013年12月のサービス提供開始後、19年9月に累計導入サイト数1万サイトを突破し、その後わずか半年で1万2000サイトの導入に至った。

■コスモス薬品 <3349>  27,730円  +3,140 円 (+12.8%)  本日終値  東証1部 上昇率5位

コスモス薬品<3349>が急反発。13日の取引終了後に発表した第3四半期累計(19年6月~20年2月)連結決算が、売上高4928億7700万円(前年同期比9.4%増)、営業利益194億3400万円(同7.8%増)、純利益142億3900万円(同7.8%増)と増収増益となったことが好感された。52店舗の新規出店を行った一方、スクラップ&ビルドなどにより4店舗を閉鎖した。また、エブリデイ・ロー・プライス政策を忠実に実行することで物流や店舗作業の平準化を行い、ローコストオペレーションの更なる推進を図ったことも寄与した。なお、20年5月期通期業績予想は、売上高6585億円(前期比7.7%増)、営業利益248億円(同0.1%増)、純利益191億9000万円(同横ばい)の従来見通しを据え置いている。同時に、5月31日を基準日として、1株を2株に株式分割すると発表しており、これも好材料視された。投資単位あたりの金額を引き下げることで、投資家がより投資しやすい環境を整え、株式の流動性の向上と投資家層の更なる拡大を図ることを目的としているという。

■ファミリーマート <8028>  1,853円  +157 円 (+9.3%)  本日終値

ファミリーマート<8028>が急伸。同社が13日取引終了後に発表した20年2月期の最終利益は前の期比4%減の453億2900万円と減益だったが、21年2月期については前期比38%増の600億円になる計画を発表しており、これが株価を強く刺激する格好となった。前期の希望退職実施に伴う人件費低下などが利益押し上げの要因となる見通しで、直近は大幅な調整を入れていたこともあって値ごろ感も働いた。

■安川電機 <6506>  3,285円  +230 円 (+7.5%)  本日終値

安川電機<6506>は7日続伸。この日発表された3月の中国貿易統計は、米ドル建ての輸出が前年同月比6%強の減少だった。しかし、市場予想よりも小幅にとどまったとの見方が強まり、中国向け設備投資の比率が高い安川電に見直し買いが入った。同社は10日に決算発表を行い20年3月期の連結営業利益は前の期比55.1%減の223億3900万円となったと発表。21年3月期通期の業績見通しは非開示としたが、全体相場が戻り足を強めるなか、同社株にも値頃感からの買いが流入した。

■リクルート <6098>  2,689.5円  +175 円 (+7.0%)  本日終値

リクルートホールディングス<6098>が後場に入って上げ幅を拡大。グループのリクルートマーケティングパートナーズはきょう、子会社の英クイッパーリミテッドが提供しているオンライン学習サービス「Quipper」が、インドネシア政府が推奨する教育サービスに認定され、活用が始まったと発表。これが株価を刺激したようだ。インドネシア政府は、新型コロナウイルス感染症を受けて3月13日にジャカルタ市内のすべての学校の閉鎖を決定。それに伴って政府・教育省が自宅での学習を推奨し、オンライン教育7社を政府推奨サービスとして認定している。なお、「Quipper」は生徒との対面のコミュニケーションが取れなくなった先生などをサポートするため、3月17日から学習管理プラットフォーム「QuipperSchool」と自主学習用コンテンツ「QuipperVideo」を無償提供している。

■出前館 <2484>  1,483円  +85 円 (+6.1%)  本日終値

出前館<2484>が後場上げ幅を拡大した。この日、東京都渋谷区と共同で、渋谷区民の外出自粛を促進するため「渋谷区フードデリバリー利用促進キャンペーン」をスタートしたと発表しており、これが好感された。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言の発出を受けて、長期にわたる外出自粛への疲れなどの弊害が問題になっていることから実施するという。同キャンペーンでは、店舗住所が渋谷区となっている飲食を取り扱う「出前館」加盟店舗で渋谷区内の届け先に出前注文した利用客にもれなくTポイントを500ポイント贈呈するとしている。

■インソース <6200>  2,027円  +100 円 (+5.2%)  本日終値

13日に発表した「オンライン通信教育を新たに開発」が買い材料。

自宅学習中の新人教育に適した「オンライン通信教育ベーシック」を新たに開発。

■東レ <3402>  481円  +20.7 円 (+4.5%)  本日終値

東レ<3402>が反発。同社は13日、グループが持つグローバルな生産設備をフル活用し、国内向けにマスク用不織布の供給体制を強化・拡充すると発表しており、これが好感されたようだ。同社グループはこれまで、海外子会社でマスク用不織布の増産を進めており、現在は国内の大手マスクメーカーを中心に、ひと月当たりマスク約3000万枚分の供給を行っているが、これらの設備で更に増産することでグループからの国内メーカー向け供給量を5月からひと月当たり約6000万枚まで拡大する予定。また、滋賀事業場内にある不織布試験設備の量産対応化検討に着手しており、5月以降にひと月当たり最大で約2000万枚分の国内供給体制確立を計画している。加えて、医療関係者が着用する防護服についても、国内外を含めた生産・供給体制を早期に確立し、国内に供給することも検討中だとしている。

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