ファンケル---キリングループとのシナジーを最大限発揮し、グローバル化を加速化

材料
2020年4月15日 12時48分

「正義感を持って世の中の『不』を解消しよう」を創業理念に掲げ、成長を続けるファンケル<4921>。 今年4月で創業40周年を迎えた。1980年当時、化粧品による肌荒れなどのトラブルの増加が社会問題となっていた。原因は保存料として使われる添加物。しかし、防腐剤なしでは、化粧品は1か月ともたない。

「添加物を一切使わない、女性の肌に優しい商品を作り出したい??」

創業者である池森賢二(いけもり けんじ)氏(現名誉相談役)が心血を注いで開発したのが「無添加の化粧品」であり、1週間で使い切れる量だけ密封容器に入れて通信販売する方法だ。従来の化粧品では肌に合わなかった敏感肌の女性に広く受け入れられた。また、高価なイメージが定着していた栄養補助食品を「サプリメント」という言葉と共に世の中へ定着させ、市場を創造したのも同社の功績である。池森氏一人で始めた通信販売事業は、現在では売上高1200億円を超える規模となった。

同社の売上構高成比は、化粧品関連が全体の58%、栄養補助食品が36%を占める。チャネル別の売上高構成比は、通信販売が38%、直営店舗への販売が36%、コンビニやドラッグストアへの卸販売が18%である。意外にも通信販売のうち、インターネットによる受注は半分、カタログによる受注が半分を占めている。また、顧客と対面で意見や感想を聞くことのできる直営店舗は95年の1号店出店を皮切りに、現在では全国に約200店舗を展開中だ。

昨年8月には、キリンホールディングス<2503>に創業家の保有株式を譲渡し、資本業務提携を結ぶと、池森氏自身は経営の前線から退いた。

経営のバトンを引き継いだのは島田和幸(しまだ かずゆき)氏。ファンケルに入社以来、経営企画畑を歩み戦略立案を担ってきた。2017年に社長に就任。第2期中期経営計画「実行2020」の策定の陣頭指揮をとった。アジアを中心とした海外市場での化粧品関連、中国市場でのサプリメント事業の拡大が最大の伸びしろとして期待される。サプリメントに対する当局の許認可のハードルが高い中国では、すでに現地医薬企業最大手の子会社と代理店契約を結んでおり、準備は万端だ。創業50周年を迎える2030年度には、海外売上高比率25%以上を目標に据える。

島田社長によれば、同社の創業理念を体現する人材こそが、顧客との強固な信頼関係を築く上での差別化要因だということだ。高齢化が進む社会で、長く健康で美しくいたいというニーズは増大する一方だ。

今後、キリングループとの商品開発や販売チャネルのシナジーを追求していくことで、同社の企業価値の向上がますます期待される。

《SF》

提供:フィスコ

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