話題株ピックアップ【夕刊】(1):日経レバ、国際石開帝石、ANAHD
■ウシオ電機 <6925> 1,111円 +85 円 (+8.3%) 本日終値 東証1部 上昇率6位
ウシオ電機<6925>が急反発。きょう付けの日本経済新聞朝刊で「ウシオ電機はウイルスの感染力を抑えたり細菌を殺したりする紫外線照射装置を開発した」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、米コロンビア大学と協力して波長222ナノ(ナノは10億分の1)メートルの紫外線を発するランプ光源を開発したとしており、人の目や皮膚にはダメージを与えず、ウイルスや細菌にだけ効果を発揮するという。また、新型コロナウイルスへの効果を確かめる実証実験を米国で始めたほか、日本や米国の医療機関など向けに提供を始めているとしており、新型コロナ関連としてにわかに人気づいたようだ。
■フリー <4478> 3,880円 +130 円 (+3.5%) 本日終値
フリー<4478>が大幅続伸。大和証券が20日付で投資判断「2」、目標株価4400円で新規にカバレッジを開始したことが好材料視された。同社は個人事業主を含む中小事業者向けのクラウド型会計サービスの専業企業。同証券では、同社の収益構造が完全な課金型のため収益は新規顧客開拓に応じて累積的に拡大し、季節性・特定大型案件による一時的変動は基本的にないことが強みとしている。今後は、ユーザーIT環境のクラウドシフトという大きな技術転換の潮流を背景に、課金高がより高い「中企業」の獲得が業績を牽引するという。同証券では、20年6月期連結営業損益は会社側計画の28億7600万円の赤字に対して29億円の赤字(前期28億3000万円の赤字)、21年6月期は同利益が今期推定比に対して18億円増の11億円の赤字になると予想している。
■森永製菓 <2201> 4,755円 +85 円 (+1.8%) 本日終値
森永製菓<2201>が堅調な動き。20日の取引終了後、集計中の20年3月期連結業績について、売上高が2070億円から2088億円(前の期比1.7%増)へ、営業利益が210億円から212億円(同4.9%増)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。主力ブランドの好調で食料品製造事業が計画通り進捗していることが要因。なお、最終利益は契約解除金や減損損失の計上で、145億円から108億円(同15.7%減)へ下方修正した。
■クリレスHD <3387> 556円 -35 円 (-5.9%) 本日終値
クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>が大幅反落。20日の取引終了後、集計中の20年2月期連結業績について、売上高が1400億円から1393億2800万円(前の期比16.8%増)へ、営業利益が75億円から34億8300万円(同12.4%減)へ、純利益が37億円から12億7800万円(同3.3%減)へ下振れて着地し、増益予想から一転して減益となったようだと発表したことが嫌気された。グループの店舗固定資産・使用権資産などについて、足もとの新型コロナウイルス感染症の影響も含んだ将来の回収可能性を保守的に検討した結果、合計で53億円強の減損損失を計上することが要因としている。また、業績下振れに伴い、6円を予定していた期末配当を無配とし、年間配当を6円(従来予想12円、前の期12円)にするとした。
■LIFULL <2120> 322円 -20 円 (-5.9%) 本日終値
LIFULL<2120>が大幅反落。20日の取引終了後、20年9月期の連結業績予想について、売上高を451億9300万円から307億6000万円(前期比21.7%減)へ、営業利益を65億1900万円から9億7700万円(同76.2%減)へ、純利益が41億5300万円から2億6900万円(同88.6%減)へ下方修正したことが嫌気された。新型コロナウイルス感染症の影響で、住まい探しの自粛や需要減少、不動産事業者の事業活動一時停止に伴う広告出稿の抑制などが発生していることなどが要因としている。
■マクアケ <4479> 4,395円 -220 円 (-4.8%) 本日終値
マクアケ<4479>が後場に入り下げ幅を拡大。この日正午ごろ、サッカー選手の本田圭佑氏が代表を務める米KSK Angel Fundの保有割合が10.85%から9.86%に低下したと発表しており、需給思惑絡からの売りが出ているようだ。4月20日に提出された変更報告書で判明したという。
■日経レバ <1570> 14,350円 -630 円 (-4.2%) 本日終値
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>は急落、一時760円安で1万4000円台前半まで売り込まれた。日経平均に連動するETFで変動率は日経平均の2倍に設定されているが、きょうは後場に日経平均が大きく下げ幅を広げており、これに歩調を合わせての急落となった。原油市況の記録的な暴落でリスク回避ムードが募っていたところに、北朝鮮の金正恩委員長が重体との報道が流れ、有事リスクを背景とするアルゴリズムの売りプログラム発動などで、一気に全体相場は値を崩す形となった。
■リンガーハット <8200> 2,060円 -35 円 (-1.7%) 本日終値
リンガーハット<8200>が反落。20日の取引終了後に発表した20年2月期連結決算が、売上高472億7900万円(前年同期比0.7%増)、営業利益15億5400万円(同35.1%減)、最終損益2億1000万円の赤字(前の期8億3700万円の黒字)と大幅減益で、従来予想の営業利益18億円を下回って着地したことが嫌気された。既存店売上高が、10月の消費税増税以降伸びが鈍化したことに加えて、新型コロナウイルスの影響で2月下旬以降下降したことが響いたという。また、保有する固定資産について12億1000万円の減損損失を計上したことも最終利益を押し下げた。なお、21年2月期業績予想は、合理的な算定が困難であるとして未定としている。
■国際石油開発帝石 <1605> 629.7円 -5.3 円 (-0.8%) 本日終値
国際石油開発帝石<1605>や石油資源開発<1662>といった石油関連株が安い。20日の米国市場で原油先物が史上初めてマイナス圏に下落したことが嫌気された。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の5月物が前週末比55.90ドル安の1バレル=マイナス37.63ドルに急落した。新型コロナウイルスの影響で世界経済が低迷し、原油需要の急減が予想されるなか、原油の貯蔵施設が近く満杯になるとの見方から投げ売りが発生した。原油価格の急落で原油在庫に損失が発生することなどが懸念され、石油関連株には売りが膨らんだ。
■ANAホールディングス <9202> 2,475円 -8 円 (-0.3%) 本日終値
ANAホールディングス<9202>は売りに押される展開で3日ぶり反落。同社は20日取引終了後、20年3月期の連結業績予想の下方修正を発表、売上高は2兆900億円から1兆9700億円(前の期比4.3%減)、営業利益は1400億円から600億円(同63.6%減)、最終利益は940億円から270億円(同75.6%減)に大幅に減額した。新型コロナウイルス感染拡大を背景とした世界各国の入国制限や日本国内における移動自粛などの影響を強く受け、特に3月に需要が急激に減少したことが要因としている。20年1~3月期については、最終損益は594億円の赤字になったようだと発表、これは同社の四半期ベースでは過去最大の落ち込みとなる。ただ、株価の下げは限定的だ。信用取組は売り残が急増しており、信用倍率は0.39倍。貸株調達による空売りも入っていることが予想され買い戻しの動きが株価に浮揚力を与えている。
株探ニュース