話題株ピックアップ【夕刊】(1):ファナック、アドテスト、モノタロウ

注目
2020年4月27日 15時15分

■ファナック <6954>  16,630円  +1,775 円 (+12.0%)  本日終値  東証1部 上昇率8位

ファナック<6954>が急騰。同社は24日取引終了後、20年3月期決算を発表、最終利益段階で前の期比52%減の733億7100万円と大幅な減少となった。米中貿易摩擦の影響や、新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な設備投資需要の減退が収益に反映された。また、20年4~9月期については最終利益が前年同期比59%減の164億円を見込んでいる。ただ、株価は業績悪を事前に織り込んでいたこともあって、足もとは空売りの買い戻しなどで上値指向にある。

■TSIホールディングス <3608>  412円  +37 円 (+9.9%)  本日終値

TSIホールディングス<3608>が急反発。同社はきょう、新型コロナウイルスの感染拡大で不足している医療用ガウンの生産を開始すると発表しており、これが買い材料視されたようだ。同社は政府の要請に応じて4月中旬から積極的に企画生産の準備を進め、このほど子会社のTSIソーイングの米沢工場と宮崎工場での生産開始の決定に至った。生産する医療用ガウンは、感染症防護として幅広く利用でき、主に手術以外の施術や簡易な処置、面会者や患者などに使用されるコストと性能に優れた使い捨てのアイソレーションガウンで、ポリエステル撥水織物や不織布防水フィルム素材を使っている。なお、新型コロナに対応した医療用関連資材の生産は、4月からの両工場でのマスク生産に続くものとなる。

■アドバンテスト <6857>  5,180円  +400 円 (+8.4%)  本日終値

24日に決算を発表。「前期税引き前は12%減益で着地・1-3月期(4Q)税引き前は3%増益、今期業績は非開示、前期配当を7円増額」が好感された。

アドバンテスト <6857> が4月24日大引け後(15:00)に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。20年3月期の連結税引き前利益は前の期比11.5%減の585億円に減った。なお、21年3月期の業績見通しは開示しなかった。同時に、前期の年間配当を75円→82円(前の期は92円)に増額し、今期の年間配当は未定とした。

⇒⇒アドバンテストの詳しい業績推移表を見る

■明星工業 <1976>  784円  +59 円 (+8.1%)  本日終値

明星工業<1976>が3日続伸。前週末24日の取引終了後、集計中の20年3月期連結業績について、営業利益が52億円から64億円(前の期比12.1%減)へ、純利益が35億円から46億8000万円(同7.7%減)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。売上高は530億円(同0.4%増)の従来予想を据え置いたものの、建設工事事業、ボイラ事業ともに各事業領域で堅調に推移し、売上総利益率が改善したことが利益を押し上げた。なお、業績上振れに伴い、従来10円を予定していた期末配当を20円に引き上げ、年間配当を30円とした。

■MonotaRO <3064>  3,425円  +200 円 (+6.2%)  本日終値

MonotaRO<3064>は高い。前週末24日の取引終了後に発表した第1四半期(1~3月)連結決算が、売上高369億3300万円(前年同期比18.9%増)、営業利益45億400万円(同26.2%増)、純利益31億6600万円(同27.0%増)と大幅増益となったことが好感された。期中に27万4791口座の新規顧客を獲得し、第1四半期末の登録会員数が438万4492口座に増加したことに加えて、韓国子会社でインターネット広告の出稿を中心に積極的な顧客獲得活動を推進して顧客基盤を拡大させたことが寄与した。また、新型コロナウイルス関連商品への需要が増えたことも貢献した。なお、20年12月期通期業績予想は、売上高1564億6800万円(前期比19.0%増)、営業利益185億6900万円(同17.2%増)、純利益129億9700万円(同18.3%増)の従来見通しを据え置いている。同時に、上限を1万3100株(発行済み株数0.01%)、または4847万円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視された。経営環境の変化に対応した、機動的な資本政策の遂行を目的としているという。

■AGC <5201>  2,591円  +136 円 (+5.5%)  本日終値

AGC<5201>が反発。25日付の日本経済新聞朝刊で、「新型コロナウイルスの感染拡大を受け、従業員を飛沫感染から守るアクリル板や塩化ビニールシートなどの需要が急増している」と報じられており、なかで「AGCもシートを5割増産」していると紹介されていることが好材料視された。記事によると、オフィス内の区切りや、小売店のレジへの設置用として、緊急事態宣言下でも営業を続ける銀行や自治体窓口、小売店などで需要が高まっているという。また、足元の受注が前年より3割増えたとされる三菱ケミカルホールディングス<4188>も堅調な動きとなっている。

■商船三井 <9104>  1,871円  +88 円 (+4.9%)  本日終値

商船三井<9104>、日本郵船<9101>、川崎汽船<9107>など大手をはじめ海運株が軒並み高、東証1部業種別値上がり率で断トツに買われている。新型コロナウイルスの影響による世界経済の停滞でグローバル物流需要が落ち込むなか、収益環境は逆風にあるが株価的には織り込みが進んでいるとみられる。大手3社の共同出資会社で展開するコンテナ船事業も原油市況の値下がりによる採算改善効果などが出ており、今後の損益回復に期待する形で買い戻しを誘発している。

■ユーグレナ <2931>  630円  +27 円 (+4.5%)  本日終値

ユーグレナ<2931>が反発。24日の取引終了後、京浜急行電鉄<9006>グループの川崎鶴見臨港バスと、臨港バスの鶴見駅発着で横浜市内を走る路線バスに、次世代バイオディーゼル燃料「ユーグレナバイオディーゼル燃料」の使用を開始したと発表しており、これが好感された。路線バスには、ユーグレナバイオディーゼル燃料の原料となる廃食油(家庭の使用済み食用油)回収に協力する横浜市立獅子ヶ谷小学校の小学生が、「大人になっても残したい自然」をテーマに描いた絵をラッピングしているという。今回の川崎鶴見臨港バスへの燃料供給完了で、合計2社への燃料供給が完了したほか、今後の供給見込み先も20社以上に拡大しているという。

■プリマハム <2281>  2,500円  +102 円 (+4.3%)  本日終値

プリマハム<2281>は大幅反発。前週末24日の取引終了後、20年3月期連結業績について、売上高を4177億円から4180億円(前の期比1.2%増)へ、営業利益を141億円から156億円(同18.5%増)へ上方修正したことが好感された。加工食品事業の販売数量の増加と生産性の向上が主因としている。一方、固定資産における将来の回収可能性を検討し、一部の資産に減損損失を認識する可能性が生じたとして、純利益は92億円から87億円(同5.0%増)へ下方修正した。

■日立造船 <7004>  346円  +13 円 (+3.9%)  本日終値

日立造船<7004>が反発に転じている。同社は24日取引終了後、20年3月期の業績予想の上方修正を発表、営業利益は従来予想の120億円から135億円(前の期比83.5%増)に増額した。機械部門やインフラ部門での受注増加に加え、経費削減効果などが利益面の押し上げ要因となっており、これを好感する形で買いを呼び込んだ。配当利回りが3.5%前後と高いにも関わらず、PBRが0.5倍台と株価指標も割安感がある。

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