【杉村富生の短期相場観測】 ─利食いを優先し、小玉での小すくい作戦を!

市況
2020年4月26日 9時15分

「利食いを優先し、小玉での小すくい作戦を!」

●5月以降、実勢悪が本格的に顕在化!

経験豊富な投資家の皆さんにとって、これは「余計なお世話」と、受け止められるだろう。すなわち、株式投資に際しての基本となる哲学、およびノウハウである。この“技術”の修得はコンスタントに“利”を得るためには不可欠ではないか。

筆者は「肝要なのは現状を正しく認識し、リスク・マネジメントを徹底すること」と、一貫して主張している。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)のダメージは大きい。なにしろ、人と物の移動が厳しく制限されている。

景気の悪化、企業業績の下方修正など実勢悪が本格的に顕在化するのは5月以降だろう。政策対応の効果は遅れるし、心理面の支えは株価水準によって異なる。要するに、日経平均株価の1万9500~2万0500円ゾーンでは悪材料の方が強い。だからこそ、ここ3週間、「いたずらに強気にならず、目先は戻り売り方針を堅持せよ」と主張してきた。最近、「弱気ですね」と言われるが、それは違う。

これがリスク・マネジメントの基本である。強気、弱気の感覚ではない。株価の水準(位置)、方向(トレンド)を読み、現金比率(キャッシュ・ポジション)を調整する、当たり前の投資行動である。

したがって、この局面は「銘柄を絞り込み、小玉での小すくい戦術の採用を」と唱えている。すなわち、売買単位を少なくする。

投資作戦は原則的に、短期・順張りだ。3月初~中旬に勇気をふるって買った安値の玉はとりあえず、「利食い優先」だろう。「大恐慌以来」と形容されるこれだけのショック安のあとである。必ず2番底、3番底があるはずだ。その時に備え、現金を温存しておく必要があろう。

●コロナ・ショックは戦争!長期化の恐れ!

コロナ・ショックは戦争だ。それに、長期戦になる可能性がある。もちろん、早期の収束を願っているが、「ベストシナリオ」での投資はリスクが大きすぎる。改めて、「株価の3要素」を思い返してほしい。現状は価値は劣化(日経平均の1株利益は1390円と急減)、需給は悪化し、人気は離散気味だ。こんな状況下では、引き続き、総論を捨て個別物色に活路を見出すべきではないか。

具体的にはテーマ性内包のライトアップ <6580> [東証M]、OSGコーポレーション <6757> [JQ]、インタースペース <2122> [東証M]、テラプローブ <6627> [東証M]などに注目できる。

ライトアップはITを使った中小企業支援をメーンビジネスとする。非接触が求められている状況下ではインターネットの活用しかない。OSGコーポレーションは次亜塩素酸水など消毒用の衛生管理機器に強みを有し、2020年1月期に続き、今期も史上最高決算となる。

インタースペースはインターネット広告を手掛けている。テラプローブは台湾・力成科技系の半導体(メモリ、システムLSIのテスト工程を受託)関連企業だ。かつてはマイクロン・テクノロジーの子会社だった。技術力には定評がある。

2020年12月期は1.1億円の営業損失を余儀なくされた。しかし、四半期ベースでみると、赤字は前期の1Q(第1四半期)が3億円、2Qが3.8億円だったのに対し、3Qは1.8億円の黒字、4Qは3.9億円の黒字と改善が著しい。今期については「未定」としているものの、1-3月期では「2.5億円を確保できた」(会社側)という。

2020年4月24日 記

株探ニュース

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