【杉村富生の短期相場観測】 ─パンデミックは産業構造、生活スタイルを変える!
「パンデミックは産業構造、生活スタイルを変える!」
●コロナ・エフェクト&ディスラプション!
“危機”は必ず克服される。これが歴史の教訓である。アメリカ最大の試練(ドル不安)のブラックマンデー、100年に1度あるか、ないかといわれたリーマン・ショックだって、人類は乗り越えてきたではないか。
しかし、完全な元の姿(社会)には戻らない。オイル・ショックが各国政府のエネルギー政策を変え、官民挙げて「省エネ」を推進したように。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)は産業構造、生活スタイルを激変させるだろう。
この現象をコロナ・エフェクト(社会情勢の変革)、ディスラプション(秩序の破壊)と呼ぶ。産業界ではコロナ・ショックを契機に テレワーク、遠隔診療、オンライン教育、テレビ会議、IT営業、EC(電子商取引)、DX(デジタルトランスフォーメーション)などの導入、普及の動きが加速している。
つれて、通信インフラとしての5G(次世代通信網)、ローカル5G、非接触型の 電子認証、個人のパソコンを含めた 情報セキュリティの重要性が一段と高まるのは必然である。
生活面ではテイクアウトが活況だ。巣ごもり消費に加え、映画鑑賞、ゲームに費やす時間が増えた。eBASE <3835> はこの流れに沿う。
●遠州トラックはアマゾンを乗せて走る?
テレワークに関してはGMOインターネット <9449> 、クックパッド <2193> がいち早く全社員を対象に導入し、話題になった。パソコンさえあれば在宅勤務が可能な職種は多い。ただし、個人ベースの厳格な情報管理が必要となる。
この分野では各種ソリューションを提供しているチェンジ <3962> 、エイトレッド <3969> 、情報セキュリティのアズジェント <4288> [JQ]、オンライン営業システムを手掛けるイノベーショ <3970> [東証M]などをピックアップできる。
このほか、EC関連としてアマゾン・ドット・コムの物流を担う遠州トラック <9057> [JQ]は狙える。路線トラックがメーンだったが、ここにきて配送業務に注力している。丸和運輸機関 <9090> 的な成長軌道を描くだろう。
一方、全般相場についてはインデックス(日経平均株価など)だけは強い。だが、この局面(5月)では2万0500円の正念場を突破、一段高に進むのは難しい、と考えている。したがって、ここは引き続いて材料株中心の個別物色対応(投資作戦)が有効だろう。統計学的には5月14~15日が転機になる、と唱える向きがある。
個別銘柄では5月8日に、瞬間2455円の高値まで買われたアンジェス <4563> [東証M]が一転、1555円と急落するなど、マザーズの人気銘柄が波乱となっている。半面、テラ <2191> [JQ]は頑強だ。主役交代か? 今後の値動きは要注目と思う。
2020年5月8日 記
株探ニュース