来週の株式相場戦略=上値の重い展開か、政府の成長戦略など意識
今週の日経平均株価は、前週に比べ350円(1.8%)高と2週ぶりに上昇した。米国株高などを反映し一時2万700円台まで値を上げる場面があったが、週末にかけ値を下げ2万300円台で取引を終えた。
日本企業の決算発表はピークを超えつつあり、来週はやや手掛かり材料難となる可能性がある。東証マザーズ指数は一時、昨年5月以来の高値水準に上昇しており、小型株を中心とする個別材料株物色が続きそうだ。来週の日経平均株価の予想レンジは1万9800~2万700円。
市場の関心は、これまでの「経済活動再開」から「米中対立」へと移りつつある。全体相場は「下がれば日銀のETF買いが入るが、上値も買い上がりにくい」(アナリスト)状況にあり、ここからの一段高には新たな展開材料が求められる段階に入っている。来週25日には首都圏の緊急事態宣言の解除の可否が判断される。不透明要因は少なくないが、解除となった場合でも相場には大分、織り込み済みとの見方がある。こうしたなか、政府は6月に成長戦略をまとめる予定で、市場ではフィンテックやキャッシュレス、クラウドファンディング、MaaSなどに絡む銘柄に注目している。
来週の決算発表は25日に味の素<2802>、26日にスズキ<7269>、27日にリクルートホールディングス<6098>、28日に日産自動車<7201>、29日に日立製作所<6501>などが予定されている。27日には政府が第2次補正予算を閣議決定する見込みだ。海外では28日に米1~3月期国内総生産(GDP)改定値が発表される。また、29日にはMSCIの銘柄入れ替えが予定されており、レーザーテック<6920>や日本M&Aセンター<2127>、三浦工業<6005>などの動向に注目したい。
(岡里英幸)