22日の米国市場ダイジェスト:米国株はまちまち、ウイルスワクチン開発期待が米中の対立懸念を相殺

市況
2020年5月25日 7時59分

■NY株式:米国株はまちまち、ウイルスワクチン開発期待が米中の対立懸念を相殺

米国株式相場はまちまち。ダウ平均は8.96ドル安の24465.16ドル、ナスダックは39.71ポイント高の9324.59ポイントで取引を終了した。中国政府が香港に国家安全法を適用することを協議しているとの報道を受け、米中対立激化への懸念から下落して寄り付いた。その後、米国政府のウイルス対策特別委員会を率いるファウチ所長がウイルスワクチン開発に楽観的な見解を示すと、引けにかけて下げ幅を縮小した。セクター別では、不動産が大きく上昇した一方で、銀行やエネルギーは下落。

動画配信サービスのロク(ROKU)はアナリストの投資判断引き下げで下落。靴小売りのフットロッカー(FL)は予想を下回った四半期決算が嫌気され急落。また、中国オンライン小売のアリババ(BABA)は決算で売上高の業績見通しが予想を下振れたほか、米国による中国企業対象の規制強化への警戒感から下落した。一方で、ヨガウェアのルルレモン(LULU)は北米、欧州、アジアなどで150店舗の営業再開を発表し上昇、過去最高値を更新した。靴メーカーのデッカーズ・アウトドア(DECK)は決算で予想を上回る収益を発表し上昇した。

ポンぺオ米国務長官は、中国の一方的で独裁的な香港への国家安全法適用提案を糾弾、撤回するよう要請した。英国、オーストラリア、カナダも香港への懸念を表明した。

(Horiko Capital Management LLC)

■NY為替:ユーロ弱含み、ECB6月会合で追加緩和織り込む

22日のニューヨーク外為市場でドル・円は、107円65銭から107円46銭まで下落して107円62銭で引けた。中国政府が全国人民代表大会で香港に国家安全法適用することを協議、台湾介入も辞さない強硬姿勢に転じたため米中対立の深刻化懸念がリスク回避の円買いにつながった。その後、米連邦準備制度理事会(FRB)がさらに証券購入ペースを減速する計画を発表するとドル買いが再燃。米政府の新型コロナウイルス対策チームを率いた国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長がウイルスワクチンに注意深く楽観的な見方を示すとリスク回避の円買いも後退した。

ユーロ・ドルは1.0909ドルから1.0885ドルまで下落して1.0905ドルで引けた。欧州中央銀行(ECB)が4月理事会の議事要旨の中で6月会合で追加緩和を講じる準備が必要としたため、ユーロ売りが優勢となった。ユーロ・円は117円00銭まで下落後、117円35銭まで上昇。米中対立深刻化への懸念にリスク回避の円買いが優勢となった。ポンド・ドルは1.2209ドルまで上昇後、1.2165ドルまで下落した。英国の4月小売売上高が過去最大に落ち込んだほか、財政収支も過去最大に膨らんだことを嫌ったポンド売りが続いた。ドル・スイスは0.9732フランまで上昇後、0.9708フランへ下落した。

■NY原油:反落、在庫調整進展で押し目買い興味残る

NYMEX原油7月限終値:33.25 ↓0.67

22日のNY原油先物7月限は反落。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は、前営業日比-0.67ドルの1バレル=33.25ドルで取引を終えた。取引レンジは30.72ドル-34.00ドル。22日のアジア市場で34.00ドルから一時30.72ドルまで急落したが、まもなく反発。米中関係の悪化を巡ってポジション調整的な売りが優勢となった。在庫調整は進展していることから、押し目買いの興味は残されているようだ。通常取引終了後の時間外取引で33.57ドルまで戻す場面があった。

■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 22.66ドル -0.24ドル(-1.05%)

モルガン・スタンレー(MS) 40.13ドル -0.17ドル(-0.42%)

ゴールドマン・サックス(GS)179.93ドル -0.17ドル(-0.09%)

インテル(INTC) 62.26ドル +0.28ドル(+0.44%)

アップル(AAPL) 318.89ドル +2.04ドル(+0.64%)

アルファベット(GOOG) 1410.42ドル +7.62ドル(+0.54%)

フェイスブック(FB) 234.91ドル +3.52ドル(+1.52%)

キャタピラー(CAT) 112.47ドル -1.59ドル(-1.39%)

アルコア(AA) 8.21ドル -0.07ドル(-0.85%)

ウォルマート(WMT) 124.33ドル -0.66ドル(-0.53%)

《SF》

提供:フィスコ

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