後場に注目すべき3つのポイント~緊急事態宣言を全面解除によるリスク選好の流れに

市況
2020年5月25日 12時57分

25日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は3営業日ぶり反発、緊急事態宣言を全面解除によるリスク選好の流れに

・ドル・円は上げ渋り、日銀緩和受けた円売りは一服

・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位がリクルートHD<6098>

■日経平均は3営業日ぶり反発、緊急事態宣言を全面解除によるリスク選好の流れに

日経平均は3営業日ぶりに反発。294.62円高の20682.78円(出来高概算5億株)で前場の取引を終えた。政府は東京など5都道県で続く新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言の解除について、諮問委員会が東京と埼玉、千葉、神奈川、北海道が対象から外れ全面解除を了承。経済活動再開への期待から20600円を回復して始まった日経平均は、寄り付き直後に20713.02円まで上げ幅を広げる局面もみられた。一方で、香港ハンセン指数の弱い動きが重石となる局面もあったが、前引けにかけて再び強含みの展開となっている。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1700を超えており、全体の8割近くを占めている。セクターでは33業種全てが上昇しており、空運の上昇率が6%を超えたほか、不動産、鉄鋼、海運、鉱業、サービス、陸運の強さが目立つ。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、リクルートHD<6098>、エムスリー<2413>、中外薬<4519>、第一三共<4568>、東エレク<8035>がけん引。

政府が緊急事態宣言を全面解除することによる経済活動の再開への期待が高まる格好となり、インデックス主導ではあるが、空運、不動産など新型コロナの影響から大きく打撃を受けていたセクターを中心に買い戻しの流れが強まっている。これにより日経平均は狭いレンジでの取引ではあるが、5日線を上回っての強含みの展開が続いており、センチメントが改善されてきている。

海外勢のフローは限られるため、積極的な上値追いは限られるとみられ、後場も強含みでの推移ながらも、狭いレンジでのこう着が続きそうである。香港市場が不安定であり、オーバーナイトのポジションも取りづらいため、引けにかけては利益確定の動きも意識されてくる。とはいえ、緊急事態宣言を全面解除することによって、リスク選好の流れにも向かいやすく、押し目拾いの流れが広がりを見せてくることが期待される。

■ドル・円は底堅い、日本株高で円売り継続

25日午前の東京市場でドル・円は底堅い値動き。日経平均株価の強含みを背景にリスク選好的な円売りが強まり、一時107円78銭まで値を上げた。その後は香港情勢の緊迫化でドルは失速したが、日本株高を好感した円売りは続き、ドルは107円後半で下げづらい。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は107円57銭から107円78銭、ユーロ・円は117円20銭から117円56銭、ユーロ・ドルは1.0896ドルから1.0909ドル。

■後場のチェック銘柄

・チエル<3933>、フェイスネットワーク<3489>など、16銘柄がストップ高

※一時ストップ高(気配値)を含みます

・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位がリクルートHD<6098>

■経済指標・要人発言

【要人発言】

・米連邦準備制度理事会(FRB)

「国債購入ペースを1日60億ドル規模から1日50億ドルへ減速」

・ポンぺオ米国務長官

「中国の一方的で独裁的な香港への国家安全法適用提案を糾弾、撤回するよう要請」

・欧州中央銀行(ECB)議事要旨(4月29-30日)ポイント

「速やかな回復は現状で除外」

「緊急資産購入プログラムは景気下降の悪循環が起る可能性を防いだ」

「6月には新たなマクロ経済見通しが出されるが、現状の措置だけで十分でないことが示されたら、委員会はPEPPの修正や他の手段を講じる準備が必要」

「委員会は財政措置が重要な役割を担うことが必要ということで合意」

【経済指標】

カナダ・3月小売売上高:前月比-10%

(予想:-10.5%、2月:+0.4%←+0.3%)

<国内>

・月例経済報告

・14:00 3月景気動向指数・先行改定値

<海外>

・15:00 独・1-3月期GDP改定値(前年比予想:-1.9%、速報値:-1.9%)

・休場:英国、米国

《HH》

提供:フィスコ

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